主人公・さくらは、夫・実のスマホから、彼が独身と偽り「マイ」という女性と会う不倫計画を知ってしまい…。
夫の不倫に気づいてしまった
私の名前はさくら、30歳。夫は実、31歳。そして、私たちには1歳になったばかりの長男・和人がいる。私たちは順調に家族になり、これからもたくさんの幸せな思い出を作るつもりだったのに。
約1週間前、夫が風呂に入っている間に、彼のスマホが机の上に置いてあったのを見てしまった。ロックはかかっていなくて、私は何となくメッセージアプリを開いてしまったのだ。普段は気になりもしないのに、その日はなぜか、吸い寄せられるように。
すると、「マイ」という名前の女性とのやり取りが目に入った。
最初は仕事の同僚かなと思ったけれど、会話をスクロールするにつれて、手のひらから嫌な汗が吹き出した。そこには、独身を偽った夫が出会い系アプリでマイと知り合ったこと、そして今も独身を気取ってやり取りしている事実が記されていた。
付き合っていたころからの約束は…?
「浮気したら別れる。それだけは絶対ね」
これは、まだ私たちが結婚する前、付き合っているころから、事あるごとに言い合ってきた合言葉。それは冗談なんかじゃなく、お互いの信頼の証として、心に刻み込んだルールのつもり。実も「もちろん裏切らないから」なんて、真剣な顔で言っていたっけ。
私たちは今、私の実家で同居中だ。育児と仕事の両立を考えて2人で話し合って同居を決めた。実家の両親は夫にも優しくしてくれていて、夫と親の関係は悪くない。
こんなに手厚いサポートを受けて、家族としてやっていこうというときに何故?私は夫の神経がまったく理解できなくなっていた。
夫は「独り身」と言って浮気していた
そして最初の判明から1週間ほどたつ今日。また夫の入浴中にスマホを見てしまった。すると、明後日にマイと会うことが、楽しそうに綴られていた。
「明後日、楽しみにしてるよ。独り身だし、時間も気にしなくていいからさ」
独り身? 私の隣で、和人と一緒に寝て、私の親にご飯を食べさせてもらっている男が?スマホをそっと元の場所に戻し、私は怒りに震えた。悲しい以上に、静かで、冷たい怒りが私を支配し始めたのだ。
夫は私たち夫婦の絶対的な約束を破る。そして、私はその事実を知っている。泣いている場合ではない。夫に事の重大さを理解させるためには「証拠」を取らないとね―――。
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あとがき:裏切りがもたらす「鋼の決意」
第1話は、日常の崩壊と主人公の「決意」を描きました。さくらが最初に感じたのは、悲しみではなく、絶対的なルールを破られたことへの冷たい怒りです。彼女を突き動かすのは、単なる感情的な復讐ではなく、裏切り者とは生きていけないという強い意志。
スマホの画面は、平和な家庭という幻想を打ち破る「現実」の扉でした。これから始まるのは、涙を捨てた妻の、静かで冷酷な反撃です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










