🔴【第1話から読む】「パパと友達の家に行った」にドキッ→ママ友と夫は2人きりで…|ママ友と夫が不倫していた話
友人のみどりに相談し、夫の不倫問題や自分の心と向き合った朱里。混乱の中彼女が出した結論は「再構築」。しかしそれも、夫の勇は無下に返したのです。
開き直った夫、虚ろになる自分
勇が言っていることはすぐに理解できなかったが、要約すれば実に都合がいい内容だ。
「俺は穂乃花との不倫関係を続ける。離婚したくないならそれでいいが、交際を邪魔するな」
何て身勝手で卑しい思考だろう。けれど私は非常に疲れていた。2人目を産んだばかりで寝不足の日々、上のナナミもまだ手がかかる年齢なのに、ほぼワンオペに近い状況。そこから離婚に踏み出す行動を起こせないでいる。
気づけば頭の中はいつも靄がかかっている。顏も虚ろになり、鬱に近い状況だった。
穂乃花の夫が家に来た
そんな私の元にある日、来訪者が現れた。勇がいない昼時を見計らって家に来たのは、穂乃花の夫・篤志さんだ。
「穂乃花との離婚が決まりました」
どうやら彼も、勇と穂乃花さんの不倫を知ったようだ。息子・カイくんを引き取って実家へ帰ることを教えてくれた後、篤志さんは私に質問した。
「僕は勇さんに慰謝料請求しています。あなたは穂乃花にしないのですか?」
お前は戦わないのかと、責められている気がして縮こまる。その時、部屋の奥からトオルの泣き声が聞こえた。「すみません」と断ると、トオルを抱っこし、また篤志さんの前に戻った。すると彼は先ほどよりも穏やかな表情を浮かべていた。
「まだ下のお子さんが小さいですし、重大な決断は後でもいいのかもしれないですね」
納得したように1人呟き、帰っていく。私は彼がこぼした独り言を、自分の中に落とし込み、考えた。
(結論を急がなくてもいいのかな…)
ようやく離婚を決意した
しばらくすると、穂乃花の離婚原因が勇との不倫だったという噂は、徐々に近所に広まった。そのせいで私も同情的な目で見られるが、もっと悲惨なのは穂乃花と勇だ。穂乃花はママ友の話に入れなくなり、たびたび送迎のために園を訪れる勇は白い目で見られていた。
そしてナナミが春休みに入ると同時に、私たちは離婚。不倫発覚から1年半ほどの月日が経っていたが、ようやく勇に愛想が尽きたのだ。なぜ私は、こんなに悩んでいたのだろう。清々しい変化が、時間をかけて私の中で起きていた。
離婚する時、私は条件を提示した。ナナミとトオルはこちらで引き取り、養育費は前払いすること。それさえしてくれれば勇と穂乃花の関係について、もう今後は関知しない。
「ようやく穂乃花と一緒になれる。結婚すれば、もう誰も俺たちを嫌な目で見ないだろう」
彼はもう次の結婚生活に期待しているのだろう。私は離婚届を持って、清々しい気持ちで子どもたちと実家に帰った。
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あとがき:冷静に考えたうえでの選択「離婚」
勇のあまりに酷い考え方に鬱々とした朱里。離婚に踏み出す力がない彼女の背中を押したのは、不倫相手の夫・篤志の「重大な決断は後でもいいのかもしれない」という言葉でした。それが彼女に余裕を持って離婚準備を進める助言となったようです。朱里は離婚を選び、卑しい夫との別れを決断しました。
感情に身を任せて焦って行動すると、時に後悔する場合もあります。気弱なせいですぐに動けなかった朱里ですが、迷い続ける中で冷静になれたのはよい効果だったのかもしれませんね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。










