🔴【第1話から読む】階下の住民の態度に【異変】→子持ちに理解を示していた老夫婦が気になる|分譲マンションで騒音トラブル
友人の来訪で子どもたちの興奮が爆発し、階下の奥様が激昂して怒鳴り込んでくる。謝罪も届かず、激しく閉められたドア。限界を迎えた千鶴に、夫は引っ越しを提案して―――。
盛り上がる子どもたち。そして事件は起きた…
事件が起きたのは、俊也のお友達の海斗くん親子が家にきた日でした。いつもは人を家に呼ぶことはないのですが、この日はもともと公園で会う約束をしていたのに生憎の雨。それでも「遊びたい」という2人に困り果てて、家で一緒にDVDを見ることになったのです。
「DVDを見るなら、静かにしてくれるだろう」
そう思った私が間違っていました。お友達の海斗くんは一戸建て育ちの元気な男の子で、家にあがるなり目を輝かせておもちゃに向かって行ってしまいました。
「海斗くん、ここでは忍者の足で歩いてね」
私が何度注意しても、子どもたちのテンションは上がりきっています。
「わーい!新幹線だー!」
ドダダダダッ!と、おもちゃを持った2人が廊下を走ります。
「ダメ!止まって!」
私が注意しますが、2人は一緒に居られるのが楽しくて止まりません。寝室に駆け込んだ2人はベッドに向かってジャンプ。そこは騒音防止マットを敷いていない部屋で、明らかに階下に響く場所でした。
「もう限界!」激しい剣幕で怒鳴られる
最悪だ、と思った瞬間
【ピンポーン!ピンポーン!】
インターホンの音が鳴り響きます。ドアを開ける前から、怒りの波動が伝わってきました。立っていたのは下の奥様です。
「ちょっと、今何をなさっているの?」
「申し訳ございません…子どもの友達がきていて…静かにさせますので」
「ここは共同住宅なのよ?今日だけじゃない、毎日毎日、朝から晩までうるさくておかしくなりそうなのよ」
奥様の声は震えていました。これまでの我慢が、一気に決壊したような怒りが伝わります。
「本当に申し訳ございません。今すぐ止めさせます」
「あなたね、いつもそうやって謝るけど何もよくならないじゃないの、もういい加減にして!」
バンッ!と音を立てて閉められた玄関ドア。私は立ち尽くしていました。
部屋に戻ると、海斗くんとお母さんが気まずそうに立っていました。
「ごめんね、千鶴ちゃん。海斗がうるさくしちゃって……」
「……ううん、こんな状況なのにお呼びした私が悪いんだよ」
家にいるのに、息ができない
その夜、私は夫・篤郎に泣きながらすべてを話しました。
「もうお友達を呼ぶのはなしにしたし、夕方すぐにマットを買い足してきて敷いた。でも、これでもまた怒鳴りこまれるかも…」
篤郎は静かに言いました。
「そうだな、いっそ引っ越そうか。家族でのびのび暮らしたいから分譲を選んだのに、これじゃ意味がないよ」
「えっ……引っ越し?」
「下の階の人がうるさいと思う気持ちは否定できないし、だからといって俺たちの幸せを諦めることもない。一戸建てを探さない?」
その言葉に、私はようやく救われたような気がしました。
🔴【続きを読む】分譲マンションから中古戸建てへ→子連れ引っ越しを決めた理由|分譲マンションで騒音トラブル
あとがき:母親の涙と、差し伸べられた救いの手
「子どもだから仕方ない」と「共同住宅なんだから」の板挟み。奥様の怒りも理解できるからこそ、千鶴は自分を責めるしかありませんでした。友達を呼びたい盛りの息子を叱り飛ばし、息を潜めて暮らす限界の状況で、夫の「幸せを諦めることもない」という言葉は、どれほど救いになったことでしょう。
せっかく手に入れた家との決別は勇気がいるものですが、家族を守るためのポジティブな撤退が始まる重要な局面です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










