🔴【第1話から読む】「まかせてよ!」頼まれた結婚式余興!仲のいい元サークルメンバーだからと引き受けたが…
余興練習に苦労するなか、新婦のまどかから「楽しみにしてる」との声を受け、もう一度がんばろうと思った亜紀。2回目の練習は、他の2人も協力的な様子を見せてくれました。
3人で分担した
打ち合わせ最終日。カラオケ店での練習は、なんとか3人体制のアカペラが披露できるまでの形になった。休憩中、ドリンク片手の美香子が言う。
美香子「パソコン広げるね。ムービー作成、ここで仕上げるよ」
亜紀「ありがとう。途中まではできたけど、やっぱり苦手だから苦労して」
じつは事前に美香子から、ムービーデーターを持ってくるよう言われていた。USBを差すと、彼女は猛烈な勢いで編集を始める。さすが仕事でパソコンを扱っている分、作業スピードは段違い。あっという間に完成した。
亜紀「さすが美香子!」
美香子「亜紀が途中まで進めてくれたからだよ」
葵も当日おそろいでつけるコサージュを作成し、準備は整う。1人で気負いすぎていた余興の負担が、いつの間にか3人で自然に分かれていた。
迎えた結婚式での本番
そして迎えた、結婚式当日。余興はみごと成功した。
私たち3人でのアカペラは会場を盛り上げ、大きな拍手を受ける。他メンバーからの動画メッセージにもまどかはよろこび、私たちも大満足だ。余興が終わると、会場の外で新郎新婦から感謝のプレゼントを渡された。
まどか「今日は本当にありがとう!最高だったよ」
新郎「素晴らしい歌をありがとうございます」
主役の2人からほめられ、うれしさと達成感を得る。いろいろあったけれど、今日という日を迎えられて本当によかった。
テーブルに戻ると、由梨が微妙な笑顔で私たちを迎えた。途中で余興メンバーから外れた彼女は、あらためて謝罪する。
由梨「メンバーを土壇場でやめてごめんね。無責任だった」
亜紀「ううん。由梨も少し、育児ノイローゼ気味だったんだってね。そこまでとは私も気づかなくて…ごめん」
余興メンバーから外れた由梨は、まどか本人にも連絡を入れていた。その際話した事情を、まどか経由で私たちも知った。
脱落メンバーの事情、そしてこれから
手がかかる子どもたちのお世話、加えて夫の長期出張によるワンオペ状態。忙しさで由梨は鬱状態に近づく。ムービーデータの確認がおろそかになり、2回目の練習にも行き渋ったのは、彼女の心が悲鳴をあげたからだ。
余興を引き受けた見通しの甘さは、たしかにあるだろう。でもきっと「友人に協力したい」という気持ちが最初はあったのだ。それなのに徐々に生活に余裕がなくなり、由梨も苦しんだに違いない。
彼女は何度も謝り、私たちも「気にしないで」と声をかける。今までのわだかまりが和らいでいく。しばらくすると、葵がふと言った。
葵「今日の式、素敵ですよね。私も結婚しようかな」
亜紀「え、葵結婚するの?」
美香子「そういえば彼氏と長いもんね」
由梨「予定はいつ?」
葵はあっけらかんと答える。
葵「来年、ハワイで挙式しようかと。だから家族だけですね。すみませんが先輩方のアカペラ披露の場はないかもです」
彼女の言葉を受け、私たちは顔を見合わせ笑う。余興でもうゴタゴタを起こしたくない彼女なりの配慮なのか、単純にリゾート挙式をよろこんでいるのか。どちらとも取れる発言にやさしさを感じ、微笑みあう。
亜紀「いい式になるといいね」
心から、そう思えた。
あとがき:余興トラブルを乗り越え、続く友人関係
いろいろあった余興練習ですが、無事に当日を迎え、成功させることができましたね。
結婚や子どもを産むと女性は動きづらくなりやすいものです。余興が負担になることもあるでしょう。それでもできる限りのことをしたり、素直に事情を話せば、まわりも理解してくれるはず。そのことに気づけた亜紀たち5人は、これからもよい友人関係を続けていけるでしょう。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。










