1. トップ
  2. 妊活
  3. 妊娠準備
  4. 妊活の基礎知識
  5. 【医療監修】生理周期が40日以上は長い?周期が乱れる原因と妊娠の可能性

監修:清水なほみ

【医療監修】生理周期が40日以上は長い?周期が乱れる原因と妊娠の可能性

女性が思春期の頃に初潮を迎えてから、数十年の間ずっと付き合う「生理」。その生理周期は人によってさまざまですが、生理から次の生理までの期間が40日以上という人もいるようです。生理周期にはおおよその目安があり、長すぎても短すぎてもよくないとされています。生理周期が40日以上である場合、考えられる原因や病気の可能性などを解説します。しかし、生理周期は体調や年齢によって変化します。自分の体について知る一つの目安として参考にしてくださいね。

PIXTA

生理周期が何日だと長い?

生理周期とは、前回の生理が始まった日から次の生理が始まる前日までのことを言います。この日数が25日~38日程度の範囲であるといわれています。

そのためちょうど1ヶ月で生理がこなければいけないということではなく、多少前後しても正常な生理周期となります。

生理周期が40日~90日くらいの場合は稀発月経と呼ばれます。排卵はおこなわれているものの、排卵するまでの日数が長かったり、無排卵で出血していたり、排卵がスムーズに行われていないサインでもあります。

また、生理の出血だと思っていても、無排卵性月経という、排卵障害による出血の可能性もあります。無排卵性月経は、卵胞がある程度成長し、月経を起こすエストロゲンというホルモンが分泌された後に排卵ができなかった場合に起こる出血をさします。

長い生理周期を引き起こす原因と治療法

女性の腹部 PIXTA

40日以上生理がこなくて、さらに無排卵が疑われる場合、多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)または高プロラクチン血症という疾患である可能性があります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

多嚢胞性卵巣症候群はPCOSとも呼ばれ、卵巣内にできた複数の卵胞の発育に時間がかかり、排卵しない疾患です。40日以上の生理周期のほか、エコーでの多嚢胞性卵巣の確認、高アンドロゲン血症や下垂体ホルモンのアンバランスが確認された場合に診断されます。

排卵が行われない理由は、アンドロゲン(男性ホルモン)が多いことが原因であることも多く、この場合、妊娠を希望していなければ男性ホルモンを抑える超低用量ピルを用いて治療します。妊娠希望者には排卵誘発剤を使用して治療が行われます。

治療法

排卵の可能性を上げるための治療としては、ホルモン剤の投与などが一般的で、漢方薬などを併用してホルモン分泌を正常に近づけます。

ホルモン剤が禁忌(どのような状態であっても絶対に服用してはいけない)や慎重投与(血栓症の兆候がないか注意しながらであれば服用してよい)の方もいるため、投薬は慎重に行う必要があります。

また、腹腔鏡手術によって薬の反応がよくなったり、自然に排卵したりする場合もあります。効果は半年~1年続きますが、またもとの状態に戻ると言われています。

多嚢胞性卵巣症候群と診断された方は、体外受精などの高度不妊治療をすすめられることもあります。卵胞の発育をコントロールでき、卵巣が落ち着いたのちに胚移殖をすることで安全に治療することができると言われており、年齢的に早めの妊娠を望む方などは検討するとよいでしょう。

高プロラクチン血症

薬 PIXTA

プロラクチンというのはホルモンの一種で、産後の母乳を分泌させたり生理を抑制したりする働きがあります。高プロラクチン血症は、何らかの原因でこのホルモンが多く分泌されてしまうことで起こります。

原因としてはホルモンを分泌させる脳下垂体に腫瘍ができていること、甲状腺機能が低くなっていること、ピル等の薬剤を長期服用していることなどがあげられますが、ストレスや睡眠不足などの生理的要因によって引き起こされることもあります。

高プロラクチン血症の治療法

治療方法は、高プロラクチン血症を引き起こしている原因によって異なります。例えば、腫瘍ができている場合にはその腫瘍を取り除く治療を行います。

薬剤が原因の場合は、まずその薬剤を中止します。軽度の上昇であれば、腫瘍性であってもプロラクチンの分泌を抑える薬を使って治療します。

出典元:

生理周期が長くても妊娠する可能性はある?

妊娠を喜ぶ女性 PIXTA

女性の体は環境や心の変化に敏感です。そのため本人は気付かなくてもストレスによって排卵が遅れるということが珍しくありません。

稀発月経の場合でも、排卵されていれば妊娠可能ですが、生理周期が長い状態が続くときは無排卵の可能性があります。ホルモンバランスの状態や排卵の有無について調べてみるとよいでしょう。

普段は28日周期だった生理が40日間来ないという場合は、妊娠の可能性があります。生理予定日から1週間以上たっている場合には市販の検査薬などで検査してみましょう。

【医療監修】基礎体温グラフで分かること、波形ごとのタイプ別に解説

関連記事:

【医療監修】基礎体温グラフで分かること、波形ごとのタイプ別に解説

基礎体温はつけていますか?基礎体温グラフをつけると月経周期だけでなく、…

安定した生理周期のためにできること

  • バランスのとれた食生活
  • 睡眠をしっかり取る
  • 適度な運動
  • 身体を温める
  • ストレスをためない

もしあなたが稀発月経や無排卵だった場合、本来の正常な生理周期に戻ることはあるのでしょうか?女性ホルモンの分泌は生活習慣や環境によって整えられます。

長いのが当たり前と思っていた生理周期でもちょっとの心がけで正常に近づくことはありえます。ぜひ上であげたようなことに気をつけて生活してみてください。

また睡眠中にホルモンの分泌が盛んになるため、しっかりと寝ることは特に大事です。たまにはスマホやパソコンをしまって、音楽やアロマなどでリラックスした夜を過ごしてみてはいかがでしょうか?

出典元:

生理周期が40日以上と長かった方の体験談

妊娠検査薬 PIXTA

最後に生理周期が40日以上だったという先輩ママたちの体験談を紹介します。ばらばらという方、ばらばらだけど主に長めという方…本当に生理周期は個人によってさまざまだということがよくわかると思います。

体験談①28日~40日以上、周期はバラバラ

私も生理周期ばらばらですよー
短い時で28日、
長い時で41日周期です。
28日周期の時に何かしたかと言うと何もしてません。
周期がばらばらだと困りますよねー💧
41日周期の時はもしかして妊娠したのかな!?と思って妊娠検査薬2本使いましたが陰性。
その後生理が来ました。
ママリ|ママの一歩を支える、女性限定Q&Aアプリ

生理周期がバラバラだったというこちらの方ですが、特に気にしていないご様子です。確かに赤ちゃんが欲しいと強く思うあまり生理や排卵について神経質になってしまうのは大きなストレスになります。

こちらの方のように特に何もせず健康的な生活を送っていればいつかきっと授かれると思います!

体験談②周期が長くてもタイミングが合えば妊娠できる!

妊娠 PIXTA

私は基本的に30〜45の間でいつもばらばらで60日だったこともあります!
最初は基礎体温を測っていましたが無排卵の時があるのか分かり難かったので辞めました。
その後、短い周期と長い周期の予定日を出してその後2週間前に仲良くするようにしました。
それで妊娠しました!
偶然だったのかもしれませんが二人目の時も同じ感じで試そうと思います。
ママリ|ママの一歩を支える、女性限定Q&Aアプリ

生理周期が長めで、ときには60日間隔だったことがあるママは、基礎体温を測り、生理周期の予測をしていたようです。周期が安定しなくても、基礎体温から予測ができると希望が持てそうですね。

周期が長いと妊娠しづらいかも?と思うことがあるかもしれませんが、排卵が起こっている状態であれば妊娠が可能なようです。

長い生理周期は病気が隠れている場合も…心配な時は病院へ!

病院 PIXTA

40日以上の生理周期について原因や妊娠の可能性、予防法をまとめてみました。生理周期が長くても排卵のタイミングさえ合えば自然妊娠した!という先輩ママの声もあるようです。

しかし、単に生理不順なのではなく無月経の状態が続くと、ホルモン異常で排卵障害を起こしてしまうことがあります。生理周期が長いだけと思わず、生理がこなければ病院へ相談してみるのがよいでしょう。

出典元:

記事の監修

ポートサイド女性総合クリニック〜ビバリータ〜 院長

清水なほみ

通常の婦人科診療のみならず、最新の脳科学×心理学×医学を統合的に駆使した診療を行う婦人科医。日本で100名しか習得者がいない、トランスフォーメーショナルコーチのテクニックを学び、診療の現場においても、3年間で延べ6000人の患者に同テクニックを用いて診療を行っている。
中学時代のいじめや研修医時代のうつ経験から、「病は気から」を科学的に解明するための研鑽を積む。何気ない会話の中で患者に気付きを与え、片頭痛やイライラをあっさり「忘れさせる」診療には定評がある。5分で病気の「本当の原因」を見抜くため、患者からは「先生は占い師ですか!」と驚かれる。

おすすめ記事

「生理周期」「長い」 についてもっと詳しく知る

話題の記事

出典元一覧

本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。

カテゴリー一覧