母子家庭で生活保護を受給できる条件やメリット・デメリットは?
母子家庭の場合、お子さんを育てながら仕事をするのはなかなか難しいですよね。今はいろんな扶助がありますが、それでも最低生活費に満たない場合は、生活保護の受給を検討しましょう。
母子家庭で生活保護を受給する場合、その条件はどうなっているのでしょうか?また生活保護を受けた際のメリットとデメリットは何でしょうか?
生活保護制度とは?
生活保護とは、厚生労働省が定める条件に添って、生活できないと判断された家庭に金銭面の援助を行う制度です。資産や働ける能力などすべてを活用しても、それでも生活に困窮すると判断された場合に適用されます。
生活保護は、必要に応じて様々な扶助や補助を受けることによって生活基盤を取り戻し、再び自立した生活ができるようにすることが目的とされています。
母子家庭で生活保護を受けられる条件・対象者
生活保護は母子家庭であればすべての家庭が受けられるというわけではなく、条件が設けられています。
下記の4つの条件をすべて満たしても、最低生活費に満たない場合は生活保護の対象者と認定されます。
1.資産の有無
土地不動産や貯金、生命保険、自動車などはすべて資産として見られ、それらを売却することで資産を作れるかどうかがチェックされます。もし活用できる資産があれば、それを生活費に充てることが優先されます。
2.能力の活用
ママが働けるのであれば、働くことが条件です。しかしお子さんがありながら働ける時間や内容は限られるので、その中で最大限に得られる収入がどの程度なのかの確認をされます。
3.扶養義務者などからの扶養の活用
元夫や両親や成人している子供、親戚などから援助を受けられる環境である場合、援助をお願いするように求められます。元夫からの養育費の有無や、ない場合はお願いできないかといった確認をされます。
4.他の制度を活用
母子家庭で受けられる生活保護以外の給付には、雇用保険や健康保険、各種年金、児童手当、高齢福祉手当、身体障害者福祉手当などがあります。
これらの給付がある場合は生活費に優先して充てるように求められます。
母子家庭で生活保護を受けるメリットとデメリットは?
母子家庭で生活保護を受給するメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
- 生活がより安定する
- 医療費など、日常生活をサポートしてもらえる
- 年金や税金などの負担がなくなる
- 義務教育でかかる費用の負担が扶助される
母子家庭で生活保護をうける最大のメリットは経済面で安定できるという点です。年金、税金などの費用も免除され、医療や義務教育に関する費用も扶助される部分で感じるメリットは大きいでしょう。
デメリット
- 子供のための貯金ができない
- 特別な理由がない限り自動車の所有ができない
- 家賃の上限が決まっているため住める借家が限られる
- 借金や賭け事、贅沢品の購入が限定される
母子家庭で生活保護を受ける場合、車の所有は基本的に認められていません。また借金の返済などもできないので、ローンを組んだりといったこともできなくなります。
生活保護費は生活をするうえで必要最低限の金額となっているので、原則的に貯金は出来ません。そのためお子さんが将来進学する際の軍資金などを用意できなくなる可能性が高いでしょう。
母子家庭の生活保護費の算出方法
母子家庭で生活保護を受ける場合、実際に受給できる金額の算出方法について解説します。
最低生活費とは?
最低生活費とは、厚生労働省が定める「生活費の基準」で、この金額を上回っているかどうかで、生活保護の対象とするかどうかを判断する基準となっています。
「最低生活費-収入(世帯全体)=生活保護費」
上記計算で算出された生活保護費の部分が生活保護として受け取れる金額となります。
最低生活費の算出方法
定められた生活費は1類と2類に分類されています。1類は世帯全員を個々の年齢で定められた金額となり、2類は世帯全体の人数によって定められた金額になります。
第1類
- 年齢:基準額
- 0歳:15,140円
- 1~2歳:22,030円
- 3~5歳:27,250円
- …
- 18~19歳:42,470円
- 20~40歳:40,410円
上記の金額は男女ともに同じ金額となります。
第2類
- 家族人数:基準額(冬季加算)
- 1人:43,910円(3,130円)
- 2人:48,600円(4,060円)
- 3人:53,880円(4,840円)
- 4人:58,620円(5,490円)
家族の人数が多い程、それだけ加算される金額も多くなります。
母子家庭の生活保護と一般的なものの大きな違いは「母子加算」
母子家庭の場合、子供の人数の分だけ最低生活費が加算されます。これを「母子加算」と言います。母子加算される金額は住んでいる地域によって差があります。
例えば1級地となる東京都や埼玉県、神奈川県、大阪府、愛知県、兵庫県、京都府あたりにお住まいの方は下記の金額になります。
- 児童人数:母子加算額
- 1人:22,890円
- 2人:24,700円
- 3人目以降は1人につき:930円
つまり、20~30歳のママと1~2歳の子供がいる3人暮らしの最低生活費は、
22,030×2+40,410+53,880+24,700=163,050円
が最低生活費となり、この金額よりも実際の収入が下回っている場合、差額を生活保護として受け取れる事になります。
生活保護を受給すると、児童手当はもらえなくなる?
母子家庭の場合は、生活保護受給者となっても、児童手当は継続して受け取れます。ただし収入の一部として計算されるので、最低生活費から収入を引いた差額が小さくなるので、生活保護として受け取れる金額は少なくなるでしょう。
しかし全体では生活保護費の基準を満たす金額となるので、児童手当を受け取っているからといって損をするようなことはありません。
生活保護の申請方法
- 社会福祉課へ相談する
- 申請書類を提出する
- 家庭訪問・調査が入る
- 審査により受給が決定
- 生活保護の受給開始
生活保護を受けたいと考えた場合、まずは役所などに設けられている「社会福祉課」へ相談へ行きましょう。
そこで状況を説明し、生活保護を受ける必要があるとされた場合に提出すべき書類が渡されます。それらの書類をすべて提出した後、調査が入ります。
生活保護を申請してから調査が入ってその後受理されたか否かの通知が届くまでに約2週間~1ヶ月かかります。生活保護が受理された場合は、再度社会福祉課へ赴き、生活保護費の受け取り方などを決めます。
母子家庭の生活保護で受けられる扶助
- 生活扶助
- 住宅扶助
- 教育扶助
- 医療扶助
- 介護扶助
- 出産扶助
- 生業扶助
- 葬祭扶助
母子家庭での生活保護の場合、上記の扶助が受けられます。必要な場合は役所に問い合わせてしっかり受給しましょう。
母子家庭で生活保護を受けながら妊娠した場合は?注意点と体験談
母子家庭で生活保護を受ける際に注意すべき点はどのようなことなのでしょうか?体験談も併せてご紹介します。
母子家庭で生活保護を受ける際の注意点
母子家庭で生活保護を受給する際の注意点をご紹介します。
妊娠した場合も継続して生活保護を受け取れます
母子家庭で生活保護を受給している中、もし妊娠してしまった場合でも、生活保護を受給できます。ただし父親となる相手と結婚や同居している場合は対象外となります。
あくまで母子家庭のままで妊娠してしまった場合のみ、出産後は生活保護受給者家族として援助を受けられます。
同居人がいる場合、生活保護を受給できない場合があります
結婚していなくても、同居人がいる場合は母子家庭としての生活保護を受けられない場合があります。その場合同居人から一般の生活保護を改めて申請する必要が出てきます。
その際は母子加算もなくなり、生活保護での受給金額が減額されてしまう可能性もあるので注意しましょう。
母子家庭での生活保護に関する体験談をご紹介
母子家庭で生活保護を受けている方の体験談をご紹介します。
身辺整理はしっかりとおこなってから申請しましょう
その場合、もらったお金はすべて返還となるので、何か隠すようなことがあれば、申請までに身辺整理しておかないと、結局は国に対して多額の借金を負うことになります。
仮に自己破産しても、生活保護受給せずに自己破産した人と違い、国や市から受給したものは返還義務があるので、普通に民間で借金するより恐ろしいです。(>_<;=;>_<)。
不正に生活保護を受け取っていると、そればバレてしまった時に大きな借金を抱える事になるので注意しましょう。悪用ではなく活用して自立した生活を目指すために生活保護があります。
焦らずにがんばりましょう
収入申告書には、仕送り・年金・手当て等の記入欄もあるので、収入があった月に記入します(^^)児童手当てや扶養手当て、養育費も報告します。
他人とのお金の貸借りは禁止です(>_<)
社会保険や厚生年金に対応している所で働いている場合、入った方が良いです(^^)
社会保険を適応された額を国が負担してくれるようになります。
国民年金は、控除されますが貰う年になった時に最低限の3万円しか貰えないので、厚生年金があるなら入って損はないです!身分証にもなりますし!
なかなか肩身が狭い思いもあるかと思いますが、自立の一歩一歩を踏み出す為に、焦らずに頑張ってください(^^)
生活保護を受けるのは肩身が狭くてつらいと感じる方は多いでしょう。しかしそれも自立できるまでの一時的なものだと考えて、前向きに活用していってくださいね。
彼氏の存在もしっかり申告しましょう
交友関係は自己申告ですが、彼氏がいることは話して、もし半同棲や同棲していないなら、それも伝えた方が良いですね。通報でわかると後が怖いので。
もし彼氏と同居や半同棲しているというような状態である中、生活保護を受給すると不正受給となってしまいます。彼氏がいる場合はその存在を明確にし、同棲をしていないなどの状況も明確に伝えましょう。
家庭訪問はそこまで厳しくありません
家庭訪問と言われると、聞きこみ調査などの重たい印象をうけますが、実際は住んでいる家と生活状況の確認程度で終わる場合がほとんどのようです。
子供のために生活保護という選択
正直いけないことかもしれないけど出産して貯金出来るほどの余裕もできました
私も預けれる所見つかったら頑張って自立する予定です
母子家庭で私が中学から母も生活保護ですが働けるのに働かないクズとしか思えないし気持ち悪いです
だから頑張りましょう!
生活保護なくても母子家庭の制度いま凄いし!
生活保護は経済面で安定したうえで、自立するためのサポートです。申請することに抵抗を感じる場合も多いですが、どうすることが子供のために一番大切なのかを冷静に考えたうえで判断していきましょう。
母子家庭の生活保護は、生活が安定するまでのサポート役です
母子家庭で生活保護を受けている家庭はそこまで少なくありません。しかし生活保護はあくまで自立を支援するためのものです。安定した生活をするためにもうまく活用していきたいですね。
今は母子家庭に対する手当も充実してきました。より早い自立をめざしてがんばって行きましょう。申請する際は、嘘偽りなく正確な状況をしっかり伝えてくださいね。