日本脳炎ワクチン、現在の状況は?
定期接種は母子手帳にもワクチン接種のスケジュールが記載されていることもあり「対象期間に当然受けられる」と思いますよね。
しかし日本脳炎ワクチンは2021年現在、不足状態が続いています。このため、標準的な接種期間から外れて接種を行わなければいけない子どもたちもいます。
ワクチン不足による対象期間の変更などはワクチンの案内については各自治体からそれぞれ案内があるので、自治体からの通知にはしっかりと目を通しましょう。
日本脳炎ワクチンが不足している理由
日本脳炎ワクチンを製造しているのは2社あるようですが、その内の1社についてワクチンに製造上の問題が生じたため、製造が一時停止となりました。
これによりワクチンの供給量が大幅に減少し、2021年現在も出荷量の調整が行われています。ワクチンの製造自体は再開しているということですが、ワクチンの製造に1年程度かかるため2021年(令和3年)中はワクチンの不足が生じる見込みだそうです。
- さいたま市「日本脳炎ワクチンの不足について」(https://www.city.saitama.jp/008/016/001/005/p080663.html,2021年10月6日最終閲覧)
- 厚生労働省「乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンの供給について(情報更新)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000798071.pdf,2021年10月6日最終閲覧)
日本脳炎ワクチンが不足していて困っているママたちの声
「いつもあって当たり前に受けられる」と考えていた予防接種が受けられないと不安になるママパパもいるでしょう。ママリ内にも日本脳炎ワクチン不足によってワクチンの接種がスケジュール通りできず不安に思っているママからの投稿がありました。
日本脳炎の予防接種1回目をまだ打ててない方
いらっしゃいますか?
最初の頃は毎月毎月病院に電話して
確認したりしていましたが、
今年は不足していて大きく状況が変わらない
4歳になってからでも全然間に合う
と市の方や保健所の方に言われたので、
最近はすっかり忘れて後回しにしていました。
そうこうしているうちに
私たち両親のコロナワクチンや、
インフルエンザ予防接種の時期が近付いてきて
冬は病気も流行るし
また来春でも遅くないのか不安です。
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日本脳炎ワクチンは標準的な接種は3歳~4歳となっていますが、今は6か月からでも打てるので、その他の予防接種との関係で、家庭でしっかりスケジュールを立てていた人もいますよね。
予防接種の多い幼児期にスケジュールが狂うと「スケジュール通り受けなくて大丈夫かな」と不安になってしまう気持ちはよくわかります。
ちょこちょこ電話していたら
今ならあるから打てます!
と言われ、「今!?」と慌てて
打ちに行きました💦
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基本的にはそれまで予防接種を受けていたクリニックに相談するのが、カルテもあるのでスムーズになるのでしょうが、他のクリニックに問い合わせてみるのも一つの方法かもしれません。
複数回問い合わせをすることで「今からで良ければ」というタイミングをつかめることもあるかもしれませんね。
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ママリの投稿でよく見られたのは「かかりつけ医への問い合わせ」をすることをすすめる意見でした。接種スケジュールについての相談も受けてもらえるため、まずはかかりつけの病院で確認するのがよさそうですね。
日本脳炎ワクチンの不足解消の見通しは?
2021年3月に厚生労働省から発表された供給見込みの情報によると、2021年度の供給見込み量は2020年度の供給実績量より減少するようです。このため、ワクチンを製造している2社のワクチンは引き続き出荷量の調整が行われるとのこと。
しかし見込みでは2022年度は、2社の共有量は2020年度の1.32倍まで回復する予定のようなので、現時点では今後は徐々にワクチン不足も軽減していきそうです。
- 厚生労働省「乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンの供給について(更新情報)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000798071.pdf,2021年10月6日最終閲覧)
【基本情報】日本脳炎ワクチンの接種対象年齢と接種回数、費用
日本脳炎ワクチンは定期予防接種です。ここでは日本脳炎ワクチンの基本情報をご紹介していきます。ワクチンは子どもの病気を予防してくれる大切なものです。
しっかりとスケジュールを確認しておきましょう。
標準的な接種スケジュール
- 1期接種:初回接種については3歳~4歳の期間に6~28日までの間隔をおいて2回接種します
- 1期追加接種:2回目の接種を行ってから概ね1年を経過した時期に1回の接種をします
- 2期接種:9歳~10歳までの期間に1回の接種をします(満13歳の誕生日の前日まで対象期間です)
日本脳炎ワクチンの予防接種は、合計4回の接種があります。標準的なスケジュールは上にご紹介した通りで、3歳ころに1回目の接種をするのが一般的です。
ただし、2021年現在では日本脳炎のワクチンを受けられるのは生後6か月以降なので、近年日本脳炎の患者が発生した地域など、標準的なスケジュールよりも早めに接種することをすすめられる場合があるかもしれません。
1期の2回の接種のあと、追加接種は1年ほど間が空くので、忘れないようにしたいですね。2期は9歳ころからの接種になり、これは自治体から接種の案内が来る場合もあります。追加接種の案内が来たら忘れないように2期の接種をしましょう。
- 厚生労働省「日本脳炎」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou20/japanese_encephalitis.html,2021年10月6日最終閲覧)
- 公益社団法人 日本小児科学会「日本脳炎罹患リスクの高い者に対する生後6か月からの日本脳炎ワクチンの推奨について」(https://www.jpeds.or.jp/modules/news/index.php?content_id=197,2021年10月6日最終閲覧)
日本脳炎ワクチンの接種費用
先ほどご紹介したように、日本脳炎ワクチンは定期接種の対象ワクチンなので、対象年齢の期間に受ければ無料で予防接種を受けることができます。
しかし、期間中に接種ができなかった場合や、海外渡航をするにあたり大人も接種が必要になった場合などは接種費用が必要です。
定期接種期間外の接種に必要となる接種費用は接種する医療機関によって若干の違いはありますが、7,000円前後と案内しているクリニックがあるので、そのあたりが目安のようです。ただし、金額については予め接種を予定しているクリニックに確認してください。
- 医療法人社団 順洋会「予防接種料金一覧表」(https://www.6340-group.jp/news/wp-content/uploads/yobousessyu.pdf,2021年10月6日最終閲覧)
- 康生会クリニック「予防接種料金表」(https://www.takedahp.or.jp/publicity/items/予防接種料金表_H25(177KB).pdf,2021年10月6日最終閲覧)
日本脳炎ワクチン不足、早く解決されますように。
日本脳炎ワクチンの不足。特に子どもがいるママパパにとっては気になることだと思います。かかりつけ医への問い合わせをしたり、クリニックのHPからのニュースなどをチェックしたり、情報はしっかりと確認しておきたいですね。
そして、もしすぐに接種できなくても順番待ちができたり、近隣の病院で接種できたりする場合もあるようなので慌てずに対応しましょう。
また厚生労働省の日本脳炎ワクチンに関するページを頻繁にチェックしておくのも欠かさずにいたいですね。早々にワクチン不足が解消することを願ってやみません。