知育絵本とは?
「知育」とは、文字通り「知的能力」を「育てる」ことです。
知育の目的は、知識を蓄え、それを活かして考えを広げたり、判断や想像をしたりするといった「自分で考える能力」を育むことです。
知育絵本とは、子供の考える力を育むことを意識して作られた絵本のこと。明るい色遣いや楽しい絵で子供に興味を持たせ、遊びを通して、自然に学ぶことができるようなものが多いです。
たくさんある知育絵本。どれを選べばいいの?
2歳を過ぎると、言葉を覚え始め、どんどんお話ができるようになってきます。自分でやってみたいという意欲も育ち、「赤ちゃん」から「子供」へと成長する時期でもあります。
3歳頃からは自分でできることも増え、自立心や知識欲も旺盛になってきます。また、兄弟やお友達とのかかわりも増えて、身の周りの社会が広がる時期となってきます。
知育絵本には様々なものがありますが、こういった成長に伴う意欲を刺激し、知る喜び、考える喜びが味わえるような絵本を探してあげましょう。まずは身近な生活を題材にしたものを中心に、子供自身が興味の湧く絵本を選んでみるのがいいですね。
勉強のためだけでなく、親子のコミュニケーション手段の一つとしても使うことができます。おすすめの8冊をご紹介します。
1.リズミカルな言葉遊びの本「あいうえおはよう」
「あいうえおはよう かきくけこぶた さしすせそろって たちつてとんだ」。リズムの良い言葉で、三つ子のこぶたの楽しい一日が展開していきます。
文章にリズム感があるので、自然と口ずさんでしまうような絵本です。文字が読めない小さい子でも、何度か読むうちに覚えてしまうという声も。
絵と文章が刺繍やアップリケで描かれており、ほんわかと温かい雰囲気が漂います。
ひらがなへの導入におすすめの一冊。小さいうちから触れ始めることで、ひらがなに興味をもちやすくなります。
2.数を理解するための最初の一冊「かずをかぞえる」
「ことりが1わ はなが1りん」。1ページの中に描かれているのは、1本の指にとまる小鳥と一輪の花、一つの丸と数字の1。次のページには「とんぼが2ひき えんぴつが2ほん」。
実際に数えるものの絵と、その数を表す指と丸、数字が一度に描かれ、そして数え方を文章で教えてくれます。
五味太郎さんの、カラフルで素朴なイラストも素敵な一冊。親子で会話を楽しみながら、感覚的に数に触れられる絵本です。
3.楽しみながら運筆練習も!「どうぶつめいろえん」
迷路遊びは運筆力を高めるのにおすすめです。運筆とは、文字を書くための筆の運びのこと。運筆力を高めてあげれば、ひらがなや数字など、文字の上達にもつながります。
この本には動物園でお馴染みの動物が、たくさん登場します。知っている動物の体が迷路になっているから、初めての挑戦にもぴったり。小さい子も喜んでたどってくれそうです。
楽しみながら自然に、文字を書く基本を養うことができます。
4.「はとのクルックのとけいえほん」は時計学習の導入に
デジタル時計の普及に伴い、最近は、アナログ時計に触れる機会が少なくなっています。ところが小学校の授業では、今でもアナログ時計を使っての、時計の読み方学習があります。
この本に付いている時計には、文字盤に1分ごとの目盛りと数字が書かれています。本の中のストーリーに合わせて時計の針を回し、指している数字を読むことで時刻がわかる仕組み。時計の進み方を体感でき、時間の表し方もわかりやすい、時計学習の導入にぴったりの一冊です。
すぐに時計が読めなくても、時計の仕組みがわかっていれば、小学校での学習もスムーズに進めることができますよ。
5.生き物や色彩に興味が出てきたら「色わけいきものずかん」
生き物の色に注目した、カラフルな絵本図鑑です。
この図鑑の特徴は、生き物の分類の仕方にあります。約250種の生き物が、「あかのなかま」「みどりのなかま」など、色に分けて紹介されています。
身の周りの色や生き物に興味を持ち始めた幼児期に、はじめての図鑑としてもおすすめです。
見開きに集められているのは同じ色の生き物たち。自然の持つ鮮やかさを、改めて感じることのできる美しい図鑑です。
6.親子で地図を旅しよう「にっぽんのちずえほん」
日本各地の特産物や観光名所などが、可愛い絵とひらがなで紹介されています。旅行に行った場所や、テレビで紹介された名所などを、親子で探すのも楽しいです。
地図を一緒に楽しみながら、日本の知識が自然と身についていく一冊。ママが知らなかったようなことも、載っているかもしれません。
将来、地図を覚える頃に向けて、興味の芽を育ててあげましょう。
7.「ミッケ!(1)いつまでもあそべるかくれんぼ絵本」で集中力や観察力を養う
世界中で人気の、探し物絵本。幼稚園などでも子供たちに大人気のようですから、ご存知の方も多いのではないでしょうか。たくさんの小物達の中から、指示にあるものを探していくという、ゲーム感覚あふれる本です。
探し絵は、集中力や観察力を鍛えるのに効果的。普段の生活では、なかなか触れることができないものに出会えるのも、外国の本ならではの魅力ですね。新しいものの名前もたくさん覚えられそうです。
スタンダードな「ミッケ!」シリーズの他、上級者向けの「チャレンジミッケ!」や、持ち歩きにも便利なサイズで、少し易しめの「ちっちゃなミッケ!」などシリーズ展開も豊富です。
8.子供の発想を楽しみたい「中を そうぞうしてみよ」
椅子や貯金箱など、身近にあるものの中を想像し、次ページのX線写真で答えを合わせます。「ピタゴラスイッチ」監修の、佐藤雅彦さんによる写真絵本です。
写真はいつもよく見ているけれど、普段は中が見えないもの。次のページに出てくる答えを親子で一緒に想像してみましょう。正解するのも楽しみですが、せっかくなら、子供ならではの発想を期待したいところ。そこから話を膨らませるのも楽しいですね。
想像力や発想力が鍛えられる一冊です。
知育絵本の力も借りて、じっくり子育てを楽しみましょう
2歳~4歳の就学前の子供におすすめの、知育絵本をご紹介しました。
間違えたくないのは、これらの知育絵本を読んだからといって、すぐに何でもできるようにはならないということです。
幼児期の知育とは、いわば準備運動。これから学校へ行くようになったとき、社会に出たときに、柔軟に対応できる脳を作るための下準備だと思ってください。
子育ては長い視点が大事。知育絵本も、ゆっくり成長していく子供との時間を充実させるための、一つの手段です。絵本を通じて、親子のコミュニケーションを楽しみましょう。