環境省が2017年7月に発表した資料によると、現在日本に渡来しているヒアリの特徴は以下のようなものです。
- 赤っぽくツヤツヤしている。腹部の色は暗め
- 働きアリの大きさが2.5㎜~6.5㎜と、連続的な変異がある
- 行列を作り、餌に集まる
以上は、顕微鏡を使わなくても目視で確認できるといわれています。このような特徴がみられる場合はヒアリかもしれないと考えられます。
また、ヒアリの大きな特徴として大きなアリ塚とよばれる巣があります。日本の在来種でヒアリのように土でできた大きな巣を作る種類はいません。上記のような特徴のアリが、土が盛り上がった巣の周辺で見つかった場合には警戒しましょう。
なお、上記の見分け方はあくまで簡易的なものです。環境省は、正確に見分けるためには専門家が顕微鏡を使って観察しなければ判断できないと説明しており、迷ったら避けて行動しましょう。
- 環境省「ヒアリの簡易的な見分け方(暫定版)」(http://www.env.go.jp/press/files/jp/106316.pdf,2017年7月8日最終閲覧)
- 甲南大学「アリの話」甲南大学理工学部生物学科細胞学研究室(http://www.konan-u.ac.jp/hp/aya-got/ants.html,2017年7月9日最終閲覧)
- 九州大学「前人未到の地で新種を発見したい」九州大学先生の森(https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/university/professor/maruyama.html,2017年7月9日最終閲覧)
- 環境省「ストップザヒアリ」(https://www.env.go.jp/nature/intro/4document/files/r_fireant.pdf,2017年7月9日最終閲覧)
- 東京都環境局「ヒアリ」気をつけて!危険な外来生物(http://gairaisyu.tokyo/species/danger_15.html,2017年7月9日最終閲覧)
- 環境省「ヒアリについて」(http://www.env.go.jp/press/files/jp/106333.pdf,2017年7月10日最終閲覧)
ヒアリに対する対策は
ヒアリに刺されないようにしたり、実際に見かけた時に駆除したりするための対策は、どのようにすればよいのでしょうか。ヒアリに対する予防策と、見かけてしまった時の対応についてお伝えします。
慌てずに落ち着いて、必要な対策を取ることが大切です。
刺されないように予防する方法
まずヒアリに刺されないように予防するには、ヒアリが刺すことができないように肌を露出しないことが大切です。特に足元はアリがいる地面に近いため、サンダルではなくシューズを着用し、できるだけ肌を露出せずに長ズボンを着用するとよいでしょう。
また、アリがたくさんいる草むらには、できるだけ近づかない方がよいでしょう。
駆除する方法
ヒアリを発見し、駆除する場合には以下のような方法があるといわれています。
- 熱湯をかける
- 液剤を散布する
- ベイト剤を使う
見える範囲のヒアリを駆除するのであれば、熱湯で駆除することが可能です。しかし、巣穴は深いため、巣に熱湯をかけてもすべてのヒアリを駆除するのは難しいとされています。
液剤を巣に注入することで巣の中のヒアリを駆除することができますが、これは生息範囲が狭い場合に有効な手段といわれています。
ベイト剤は毒入りの餌で、働きアリが巣穴に持ち帰ることで巣の中のヒアリを駆除することが可能です。目の前のヒアリをすぐに駆除できるわけではありませんが、より多くのヒアリを効果的に駆除するには有効です。
万が一刺されたら
万が一ヒアリとみられるアリに刺された場合には、20~30分は安静にし、体調に変化がないか注意しましょう。症状が悪化しない場合には急がずに病院を受診します。
もしも症状が悪化してくる場合には、救急受け入れのある病院を受診し「アリに刺された」ということ、「アナフィラキシーの可能性があること」を伝えて、すぐに治療をしてもらいましょう。










