離婚の話し合いを進めるうえで大切なこと
離婚の理由は十人十色。中には、決してお互いのことを嫌いではないという夫婦もいるはず。でも、どのような関係の夫婦であっても、離婚の話し合いがスムーズにいくことはまれです。
特に子供がいる夫婦の場合、子供の親権とお金(養育費、財産分与)の問題は、大きな関門になりやすいようです。「話し合いは難航して当たり前」と、割り切っておくくらいでちょうどいいでしょう。
相手の方から一方的に離婚を言い出された場合は、もめごとに発展する可能性も。例えば、まだしっかり合意できていないのに、相手が勝手に離婚届を提出してしまうことがあるかもしれません。ただし、このようなことは「離婚届不受理申し出」の提出で防止できますので、役所に足を運ぶ心構えをしておきましょう。
また、夫婦には双方の生活レベルを同等にする義務(生活保持義務)があり、別居期間中も婚姻費用を分担しなくてはなりません。
したがって、主に家計を支えていたのが夫なら、妻は別居中の生活費について夫に費用の分担を求めることができます。まったく支払ってもらえないなどの問題があるときは、離婚前・離婚後にかかわらず、家庭裁判所に「婚姻費用分担請求の調停申し立て」ができます。
納得できる結果を出すための、話し合いのポイント
「話し合いは難航して当たり前」とはいえ、できるだけ波風は少なく、納得できる結論で合意したいものです。
離婚する上で特に重要となる「財産分与」「親権」「養育費」の3点で、「これなら」という結果を得るには、どのような点に気を付けたらいいのでしょうか。
財産分与
財産分与とは、夫婦として暮らしていた期間中に築いた財産(預金、退職金、年金、株などの有価証券、家具・家電など)を夫婦で分けることです。分ける割合は、夫婦それぞれの財産形成への貢献度により決まりますが、だいたいの場合、夫婦が2分の1ずつ財産を分け合う形に落ち着くようです。
とはいえ、もらえるのが2分の1では割に合わないと思う方もいるでしょう。「夫がギャンブルにはまっていた」「夫が勝手に出て行き、生活費・教育費などを全部妻の収入でまかなわざるをえなかった」など。また、不動産など半分に分けられないものの分与や、相手に預貯金や有価証券を隠された場合などは、話がこじれがちです。
そのようなときでも希望通りの財産分与を勝ち取るために、次のような点に留意してみてはいかがでしょうか。
- 相手の貢献度が明らかに少ないと思う事情があれば、それを主張する
- 現在の所得が分かるもの、預貯金額が分かるもの、不動産登記簿、生命保険、証券口座の明細など、証拠となる書類をそろえて、財産分与の対象になる財産を明らかにする
- 家や車は現金化して分けるのが望ましい。どうしてもどちらかが所有したい場合は、評価額を明らかにし、最終的に分け合う金額が2分の1ずつになるよう調整する