子育てをしながら、働きに出られなかった私
筆者は現在42歳。高校生・中学生・小学生の3人の子供を育てています。
高校を卒業してから結婚するまで農業機械メーカーの販売会社で経理をしていました。結婚してからも働こうと思っていたのですが、夫の勤務地の都合で退職。その後すぐに妊娠、出産と「正社員として働きに出るタイミング」を失ってしまいました。
夫の仕事がカレンダー通りではない3交代制の勤務でしたので、核家族のわが家は必然的に「私が働いたら子供の面倒は誰がみる?」という状態。保育園に預けるにも筆者が働いた分すべてが保育料へ消えてしまうことが分かり断念。
そうしているうちに、第2子を妊娠。少しでもお金を稼ぎたいと思い飛び込んだのが在宅ワークでした。
第3子が幼稚園に通っていたころに、知人から声をかけてもらい士業事務所で補助者として午前中だけパート勤務をしています。今は、この二本柱で収入を得ています。
わずかな収入でしたが、自宅で仕事ができて安心できました
在宅ワークを続けて11年目。今でもわずかな収入ですが、子供の音楽教室の月謝を捻出できる程の収入を得ています。
「在宅ワークは楽?」「稼げますか?」など、周りの人にこのような質問を受けることもあります。また、妊娠中に自宅で仕事ができればということを漠然と考えている方もいらっしゃるかもしれませんね。
「家事との両立ができる」「通勤時間ゼロ」というようなメリットが先行していますが、実際はどうなのでしょうか。
筆者と一緒に考えていきましょう。
自宅で働くことのメリットやデメリット
ここからは、自宅で働くことについてメリットやデメリットを筆者なりにまとめてみました。
やはり、仕事として報酬をいただく以上責任がありますし、仕事をする上で必要なスキルがなくては収入につながりません。このようなことをまとめます。
これから在宅ワークを始めたいと考えている方はもちろん、既に在宅で仕事をしている方で現在壁にあたっている方もぜひご覧くださいね。
在宅ワークのメリット
在宅でライターとして仕事を始め10年が過ぎました。webライターとしての仕事量が世間的に少しずつ増えてきた頃から始めているのですが、何度も壁にあたりながらここまで続けてこられました。
10年間続けてこられたのは、このようなメリットがあったからでした。
①家事との両立ができる
幼稚園の送り迎えや買い物、家事など仕事との両立ができました。
ライターの仕事は、空いた時間でちょこちょこと進めることができたのでお家の中でも仕事を回すことができました。
また「仕事の時間」を決めて作業時間も確保していたので、日中幼稚園やPTAの集まりで出かけなければいけないときもスケジュールを組みながら進めていけました。
「家事や家族」「仕事」「自分のこと」など、状況によって都度優先すべきことが変わってくるので、仕事量も調整していく必要があります。これも、在宅ワークのメリットの一つかもしれませんね。
②時間をお金に変えることができた
あまり良い表現ではないかもしれませんが、仕事をすることで「何にもしない時間」をお金に変えることができました。
例えば、ぼーっとテレビを見ている時間や子供がお昼寝している時間など、何気ないちょっとした時間もwebライターの仕事をするようにしました。
わずかでも収入につなげていけることが分かってから、時間の使い方を工夫するようになったのです。
③自分の成果物がネットに掲載されたときのうれしさ
筆者自身のライターネームが記載される記事が書けるようになったのはこの3~4年ですが、インターネットが普及し始めたころは、筆者が書いた記事がネットに掲載されているのをみるととてもうれしくなったものです。
筆者の仕事は、基本的に名前が出ない記事を書くことがほとんどなのですが、大手通販サイトの他、習いごとサイトといった企業サイトなどにもコラム記事を提供していることもあり、更新された記事を見るととてもうれしくなります。
また、先日自身がライターをしている企業の広告を見た子供から「お母さん、ここで記事書いてるよね」と言われ、認めてもらえたこともうれしかったことの一つです。
デメリットもたくさんあります
壁にあたったことも何度もあります。在宅ワークは企業との雇用関係ではなく業務委託というような形態ですので、立場としては本当に不安定です。
デメリットもまとめました。これは人それぞれ、ケースバイケースですので、一例として受けとめてくださいね。
①いつ、仕事が打ち切りになるか分からない
これは、本当に大きなデメリットです。何度となく「事業を終了することになりました」というようなメール一つで仕事が断たれました。さまざまな事情があってのことですが、末端のライターとしては本当に大変でした。
ネット社会だから、これは割り切っています。次に採用してもらえるライティングサービスを探すことも行っています。
「仕事がない=収入が得られない」のです。そのため、複数のライティングサービスなどと契約を結びライターとして活動するに至っています。
ライティングサービスを探すことで、自分のキャリアアップ(単価アップ)が成功するという思わぬ副産物も。
②会社員並みの収入は得られない
時給・工賃などこういったことを考慮しながら、記事作成の単価が決まります。
在宅ワークの一つとしてライター業が注目されたことがありましたが、実際に満足できるまでの収入を得るには、何万文字もタイピングしなければいけません。記事を一つ完成させるにも時間がかかります。時給に換算したら最低賃金を下回ることも。ネット接続やパソコンにかかる経費、下調べの時間や労力、文章を考えることに対する対価なども報酬に含まれています。
筆者にとって、ライティングの仕事は「主婦のお小遣い稼ぎ」ではなく、仕事として行っています。何本も仕事を引き受けていかなければ家計を助けることはできません。
しかし、誰かに何かを伝えたい、自分の言葉が誰かを元気にしているかもしれないという気持ちがあり、ずっと続けてこられました。幼いころの夢が小説家だったということもあり、おかげさまで「書くこと」が楽しい毎日を過ごしています。
③仕事と子供は別問題
筆者は仕事をしている間、子供のことは切り離して考えています。そのため、日中は公園などで子供と遊ぶお母さんではありませんでした。自宅に打ち合わせの電話も入りますし、担当の方からのチャットやメールもどんどんやってきます。
子供にはかわいそうなことをしていると思いますが、一緒に遊ぶ時間と仕事をしている時間の区別は教えてきました。
また、子供の用事を優先させるために仕事を前倒しで終わらせることもしばしばです。
責任を持って引き受けること、信頼関係を構築することが大切
できる限り仕事を引き受けてはいますが、中にはご依頼をお断りする仕事もあります。本来ならば、仕事を断ると次の仕事は来ません。ライターさんはたくさんいますし、質の良い記事を書く方、仕事の時間を十分に確保し、収入を得ている方もたくさんいます。
その中で仕事が続けていられるのは、責任を持って仕事をこなしてきたからだと思います。もちろん、それだけではなく頻繁に連絡をくださり、信頼関係を構築してくださる担当の方のおかげです。
これから在宅ワークを検討している方は、メリットやデメリットがあることを考慮しながら「自宅で仕事をすることの意味と自分が最優先すべき事項は何か」をみつめてみましょう。
ライター業以外にもたくさんの在宅ワークがあります。もちろん、在宅にこだわらなければたくさんの働き方に出会えます。自分のスキルや経験なども踏まえてこれからの仕事選びの参考にしてくださいね。