誤飲事故
1歳ごろになった子供はだんだんとひとり歩きができるようになり、自由自在に移動します。そのため、これまでは届かなかった高い場所にあるものに手が届き、口に入れてしまう危険があるでしょう。
誤飲事故は一瞬で起こります。注意すべきもの、事故防止のポイントを押さえておいてくださいね。
こんなものに注意
- 小さなおもちゃ
- 電池
- 磁石
- 洗剤
- 薬
- 酒
- たばこ
ブロックなどの小さなおもちゃをはじめ、電池や磁石も誤飲の可能性があります。電池で動くおもちゃや磁石のしくみを使うおもちゃは、誤飲が起こらない状態になっているか再確認をしましょう。
そのほか、大人が使っている洗剤や薬、酒やたばこにも注意。好奇心旺盛な子供は「これは何かな」と興味本位で口に入れてしまう可能性があります。
事故を防ぐには
- おもちゃの大きさを見直す
- 誤飲のおそれがあるものは、子供の手が届かない場所に保管する
- 保管場所の近くに踏み台になるものを置かない
子供のおもちゃは、誤飲する可能性があるような小さなものは避けましょう。
そのほか、誤飲のおそれがあるものはすべて子供の手が届かない場所への保管をおすすめします。保管した場所の近くに踏み台があると子供がのぼる可能性があります。踏み台をはじめ、イス、箱などを置かないようにしてください。
- 消費者庁「子供による医薬品誤飲事故」(https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/report/report_007/,2019年11月29日最終閲覧)
- 消費者庁「子どもの事故等の防止に関する注意喚起等の公表資料」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_005/,2019年11月29日最終閲覧)
- 消費者庁「Vol.421 兄や姉の持ち物を乳児が誤飲する事故に注意!」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20181004/,2019年11月29日最終閲覧)
溺水事故
水回りでは、ちょっとした不注意から大きな事故が起こり得ます。たとえば溺水事故。子供が好奇心から水に近づくと、ほんの一瞬バランスを崩しただけでおぼれるかもしれません。
顔を洗ったりお風呂に入ったり、大人と一緒に過ごすには問題がない場所も、ひとりで入ってしまったらどうなるか考え、対策をしておきましょう。
こんなものに注意
- 浴槽
- 洗濯機
- つけ置き用バケツ・たらい
溺水の可能性があるのは上記の3つです。浴槽はお湯がたまった状態なら溺水のおそれがあるでしょう。洗濯機も、上からのぞき込むと危険です。
つけ置き用のバケツやたらいも、顔をつけてしまったら危険です。子供の思わぬ行動まで考慮して対策をすべきでしょう。
事故を防ぐには
- 昼間は浴槽のお湯を抜いておく
- 浴室のドアに外から鍵をかける
- 洗濯機にチャイルドロックをかける
- つけ置き洗いなどでバケツに水をためたら、子供から目を離さない
浴槽を使わないときはお湯を抜いておくのはもちろん、子供が自由に浴室に入れない対策をすることも大切です。外から鍵をかけるなどの対策を検討してください。
洗濯機には、機種によって子供のいたずらを防止するチャイルドロックの機能があります。操作をするのは少し面倒かもしれませんが、子供の安全のために忘れずに設定しましょう。
たとえバケツやたらいの水でも水深10cmあれば溺水のおそれがあるといわれています。水をためて洗濯をするときは子供から目を離さないようにしてくださいね。
- 千葉県こども病院「8)夏に多い水の事故」(https://www.pref.chiba.lg.jp/kodomo/shokai/anshin/veteran/mizunojiko.html,2019年11月29日最終閲覧)
- くば小児科クリニック「「子どもの事故予防といざというときの応急処置」」(https://www.kuba.gr.jp/care/jiko.html,2019年11月29日最終閲覧)
やけど事故
大人には熱いとわかるものでも、1歳の子供はまだわからず、何でも触ろうとしてしまいます。熱いものには近づけない、触れない工夫をすることが肝心です。やけどに気を付けたいポイントと対策を紹介します。
こんなものに注意
- 調理器具
- 熱い料理
- アイロン
- 暖房器具
熱いものは、意外と子供の身近なところにあります。毎日使うような調理器具や、食卓にあがる熱い料理。また、アイロンや暖房器具も子供がいる部屋で扱うことがあるでしょう。
湯気が出たり、音が鳴ったり、子供にとっては魅力的なものも。子供が触れないようにする万全の対策が必要です。
事故を防ぐには
- 調理器具は高い位置のコンセントを使い、コードも本体も子供の手に触れないようにする
- 熱い料理は最後に食卓に並べ、子供から目を離さない
- ホットプレートやアイロンは完全に冷めるまで子供から目を離さない
- キッチンや暖房器具周辺にベビーゲートを設置する
電気ケトルやポット、炊飯器などの調理家電にはコードがついていますよね。本体をせっかく高い場所に置いていても、コードが低い位置にあれば引っ張って倒してしまう可能性があります。コンセントもなるべく高い位置に設置し、コードも本体も子供の手に触れないようにしましょう。
熱いものにはできるだけ近づけない、どうしても子供のいる空間に置かなくてはいけないときは、目を離さない。この対策を徹底することで、やけどをできる限り予防しましょう。
- 消費者庁「Vol.390 加湿器でのやけどに注意!」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20180222/,2019年11月29日最終閲覧)
- 消費者庁「Vol.430 毎年やけどが発生!冬季はストーブなどの暖房器具に注意!」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20181206/,2019年11月29日最終閲覧)
転落事故
1歳ごろになった子供は、段差をのぼったり、少し高い場所によじのぼったりすることができるようになります。そのため、家具や階段に興味を示し始めることも。
子供が転落事故の危険性を自分では認識できません。周囲の大人が対策をしてあげて、安全な状態を確保してあげましょう。
こんなものに注意
- イス・ソファー
- ハイチェア
- 階段
- ベランダの柵
- 窓
イスやソファー、ハイチェアなどの家具はもちろん、階段、ベランダの柵、窓などからの転落にも注意が必要です。0歳代のころは「自分ではのぼれないから大丈夫」と思っていた場所も、いきなりのぼれるようになるかもしれません。日頃からの対策を心がけてください。
事故を防ぐには
- イスやソファーの上で遊ばせない
- ハイチェア使用時は必ずベルトを締める
- 階段の手前にベビーゲートを設置する
- ベランダは施錠し、柵の手前に踏み台になるものを置かない
- 窓の手前にソファーなどを置かない
椅子やソファにのぼって遊んでいると、足を滑らせて転落する恐れがあります。また、ハイチェアに乗った状態でテーブルを蹴り、ハイチェアごと転倒する事故も考えられます。
のぼらなくてよい場所にはのぼらない、ハイチェアなどを使うときは、ベルトを締めて目を離さないなど、安全対策をすることが大切です。
階段やベランダは、できるだけ近づかせないようにしたいですね。ベビーゲートを設置してもよいでしょう。窓は複数あれば対策が大変ですが、まずは手前に踏み台を置かないことを意識しましょう。鍵を二重にするグッズも販売されています。
- 東京消防庁「STOP!子どもの「転落」 」(https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/stop/06.pdf,2019年11月29日最終閲覧)
- 愛知県「月齢・年齢別で見る起こりやすい事故」(https://www.pref.aichi.jp/kosodate/hagumin/growing/age.html,2019年11月29日最終閲覧)
その他の事故
その他にも、行動範囲が拡大して好奇心が旺盛な1歳代だからこそ気を付けたい事故があります。とくに気を付けたいポイントと対策についてお伝えします。
刃物による切創事故
キッチンにある包丁、洗面所のカミソリ、リビングにあるハサミなど、家の中には意外と刃物があるものです。興味本位で子供が触ると指を切ってしまうおそれがあります。
子供の手が届かない場所に保管する、使い終わったらすぐに片付けるなど、大人があらためて意識することが大切です。お兄ちゃん、お姉ちゃんがいる場合は、一緒に気を付けるようにお願いしておきましょう。
ドア・引き戸での指挟み事故
ドアを開閉する際や、ドアのちょうつがい部分に指を挟んでしまう事故があります。子供にとってドアの開け閉めは楽しく、遊びの一つとして楽しんでしまうことも。
ちょうつがい部分には市販の隙間防止カバーをつける、引き戸には完全に閉まりきらないようにストッパーをつけるなどの対策ができます。家具の種類に合ったものを使ってみてもよいでしょう。
歯ブラシによる喉突き事故
歯磨き中に歩き回ってしまうと、転んで喉を突いてしまうことがあります。歯磨きをしている間は歩かない習慣づけが大切です。
初めは何度言い聞かせても立ち歩こうとするかもしれませんが、粘り強く言い聞かせましょう。喉突き防止のストッパーがついた歯ブラシを使うのも一つの手です。また、鏡の前で立ち止まり、大人と一緒に歯ブラシをする習慣をつけるのもよいかもしれませんね。
- 消費者庁「事故防止ハンドブック」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_002/pdf/consumer_policy_cms205_191101_01.pdf,2019年11月22日最終閲覧)
- 東京都生活文化局消費生活部「乳幼児の歯みがき中の喉突き事故に注意!~注意喚起リーフレットを作成しました~」(https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/kyougikai/h28/07_leaflet_toothbrush.html,2019年11月29日最終閲覧)
- 経済産業省製造産業局「キッズデザインの輪」(http://www.kd-wa-meti.com/contents-Animation.html,2019年11月29日最終閲覧)
子供の目線になって考えてみませんか
歩き始めた子供に注意したい事故について、その対策とともにご紹介しました。1歳代の子供は自分で事故に気を付けて遊ぶことはできません。どんな事故が起こり得るかを大人が予測して、対策をしてあげることが大切です。
ここは触れないだろう、ここまで入ってこないだろう、と思っていても子供はいつの間にかできるようになります。早め早めに、危険な場所の対策を進めておきたいですね。
まずは、子供の目線になってみて自宅の中を見回してみましょう。危険な場所を認識することから、事故防止をスタートできますよ。