産休とは?
産休とは、労働基準法における母性保護規定で定められている出産のための休業のことで、「産前休業」と「産後休業」のことをいいます。
産前には出産予定日の6週間前から(双子以上の場合は14週間前)、産後は出産の翌日から8週間、休業を取得することができます。産前休業を取得するかどうかは自由ですが、産後は請求の有無に関わらず、最低6週間は強制的に休業する必要があります。
産休は雇用形態を問わず、すべての女性労働者が取得することができます。正社員だけでなく、パート社員や契約社員、派遣社員でも取得することができるため、妊娠がわかったらできるだけ早く上司に産休をとる旨を伝えましょう。
- 厚生労働省「あなたも取れる!産休&育休」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/31.pdf,2021年5月24日最終閲覧)
- 厚生労働省「 働く女性の母性健康管理措置、母性保護規定について」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/seisaku05/01.html,2021年5月24日最終閲覧)
産休をとるための手続き
次に、産休をとるにあたっての具体的な手続きについて、その流れをみていきましょう。
1、妊娠の報告
妊娠がわかったら、できるだけ早く上司に妊娠の報告をして、出産予定日や最終出社予定日、産後の職場復帰の意志や休業の取得希望について申し出ましょう。
2、妊娠中の働き方について確認
妊娠中は、妊婦健康診査を定期的に受ける必要があります。健診のために仕事を休まなければならない場合は、あらかじめ相談しましょう。
勤務しなかった日や時間について、有給か無給かは、会社の決まりによって異なるため、事前に確認しておきましょう。
3、産前産後休業を申し出て取得する
出産予定日の6週間前(双子以上の場合は、14週間前)から、請求すれば産前休業が取得できます。
請求の手続きは会社によって違いますが、「産前産後休業届」や「健康保険・厚生年金保険産前産後休業取得者申出書」という休業期間中の保険料免除を申請する書類など、いくつかの書類を提出することが多いようです。
会社によって必要な書類や手続きが異なるため、担当者としっかりやりとりしましょう。
また、産前産後休業に続いて育児休業を取得する場合は、休業開始予定日の1か月前までに申請する必要があります。 育児休業を取得する人は、産前休業前や産前休業中に申請を行う必要があるので、同時に手続きをする場合もあります。
また、出産手当金を申請する場合には、産休前に「健康保険出産手当金支給申請書」をもらっておきましょう。
4、出産の報告と出産手当金の申請
無事に出産を終えたら、会社に伝えましょう。
出産手当金を請求する人は、「健康保険出産手当金支給申請書」に、必要事項を産院で記入してもらい、勤務先へ提出します。
自分で健康保険組合や協会けんぽに提出しなければならない場合もあるので、注意が必要です。
- 厚生労働省「あなたも取れる!産休&育休」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/31.pdf,2021年5月24日最終閲覧)
- 全国健康保険協会「出産で会社を休んだ」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3290/r148/,2021年5月24日最終閲覧)
- 日本年金機構「産前産後休業を取得し、保険料の免除を受けようとするとき」(https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/todokesho/menjo/20140326-01.html,2021年5月24日最終閲覧)
産休中にもらえるお金は?
産休中に受け取れる給付金は、「出産育児一時金」と「出産手当金」の2種類あります。詳しくみていきましょう。
みんながもらえる「出産育児一時金」
健康保険に加入している人(本人と扶養家族)であれば、健康保険の種類は問わず、出産1人につき42万円の出産育児一時金が受け取れます。妊娠4か月以降で出産した人全員が、加入している健康保険から受け取れる給付金です。
出産育児一時金は、医療保険から産院へ直接支払われる「直接支払制度」の利用が原則です。多額な出産費用を用意する必要がなく、出産する人にとっては、費用の心配がいらないというメリットがあります。
制度を利用する場合は、産院から「直接支払制度」についての説明を受け、合意書に記入して、出産による入院時に健康保険証を提示する必要があります。
勤務先の健康保険から支給される「出産手当金」
出産のため会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合、加入している健康保険から出産手当金が支給されます。以下の条件に該当している人は、受給できます。
勤務先の健康保険に加入している
勤務先の健康保険組合、協会けんぽなどに加入している人が対象です。
国民健康保険に加入している場合や、家族の扶養に入っている場合には、出産手当金は受け取れません。
パート社員や派遣社員、契約社員でも、勤務先の健康保険に加入していれば、受け取ることができきます。
出産のために休業している
出産手当金は、出産日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)の42日前(多胎妊娠の場合は98日前)から、出産の翌日以後56日目までの範囲で、会社を休んだ期間を対象として支給されます。
出産日は、出産の日以前の期間に含まれます。また、出産が予定日より遅れた場合は、その遅れた期間についても出産手当金が支給されます。
出産手当金の支給額
1日当たりの金額
【支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額】(※)÷30日×(2/3)
(支給開始日とは、一番最初に出産手当金が支給された日のことです) ※1
「標準報酬月額」には残業代や各種手当も含まれています。産休中の生活をサポートしてくれる重要な手当なので、もれなく申請しましょう。
- 厚生労働省「出産育児一時金の支給額・支払方法について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/shussan/index.html,2021年5月24日最終閲覧)
- 全国健康保険協会「出産育児一時金について」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat620/r310/,2021年5月24日最終閲覧)
- 全国健康保険協会「出産手当金について」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat620/r311/,2021年5月24日最終閲覧)
産休はしっかりとり、健やかな毎日を
ここまで、産休をとるにあたって、必要な手続きや受給できる給付金についてみてきました。働くママにとって、産休は心身を回復できて、子どもと過ごせる貴重な時間になります。
しっかりと産休をとって、健やかに職場復帰できるよう、ママも子どもも新たな生活に慣れる時間になるといいですね。
執筆:母子保険はぐ編集部
スマートプラス少額短期保険(株)がお届けする大切な赤ちゃんとママを守る「母子保険はぐ」の公式note編集部。ママと赤ちゃんに役立つ情報をお届けします。