育休中や育休明けに退職した方の声
育休を取得している、または取得する予定である方の中に育休後の退職を考えているという方がいらっしゃるのではないでしょうか。
育休は原則として「職場復帰を前提とした制度」です。しかし、保育園に入れなかったり、育児に専念するため退職を考えたり、時短勤務のために転職を考えたりと育休中にさまざまな理由で退職・転職を考えたことのある方もいるでしょう。
ただ復帰を前提とした制度である以上、本当に退職できるのだろうか、退職後に給付金や失業保険などの経済面はどうなるのだろうか、転職したら受かった保育園はどうなるのだろうか、不安ですよね。
そこで、実際に育休中や育休後に退職をした方たちの声や実際のケースをいくつかご紹介します。
1.保育園に落ちてしまったので退職しました
理由は待機児童です💦
もともと1年頂いてて、保育園入ったら復帰するつもりでしたが保育園落ちてしまいました。
半年の延長をお願いして
そのまま追加募集だったり、
認可外を申し込みましたが入れず💦……
返金はなかったです。
職場から近い保育園に落ちてしまい、やむをえず退職した方の声です。育休を半年間延長しても保育園に入れず、認可外も落ちてしまい、退職されたそうです。
育休後に復職できない理由として、保育園が決まらないという声が多くありました。保育園の問題は、時期になるといつも話題にあがりますよね。育休を延長しても入所できるわけではなく、復職をしたくても退職を迫られてしまう方は珍しくないでしょう。
2.復職後、半年で退職しました
復職後、半年で辞めた方の声です。
経済面を考慮して転職したケースですね。子供が生まれると何かとお金がかかってきますので、今の職場だと厳しいと感じて、この方のよいタイミングが復職して半年での転職だったのかもしれません。
3.母の仕事を手伝うため、退職しました
母の目が悪くなって母の仕事を手伝わなくてはいけなくなったので。という理由です。
目が悪くなったのも、そちらに転職して仕事を手伝っているのも事実ですが切り出すのは心苦しいものがありました。でもその時だけだし後の事を考えたら融通が効く会社の方がいいので。
人事の方も、そうゆう理由でしたら、、、と理解して下さいました。
ご自身のお母さんの仕事を手伝うため、育休が満期になったと同時に退職した方の声です。育休明け、復帰せずに退職するというのは、今まで世話になった会社に対して罪悪感が残ってしまうでしょう。
ただ、家庭の事情となると難しい決断になってきますね。会社にきちんと説明すると、この方の会社のように理解してくれるかもしれません。
4.通勤が大変になり退職します
復帰7ヶ月で退職を決意したこの方は、仕事量と通勤時間が決め手となったようです。通勤に片道1時間かかってしまうとママへの負担が大きくなりかねませんね。また、働ける時間が短くなってしまう恐れと、何よりも保育園の送迎が大変になるかもしれません。
5.復職後、1ヶ月で同僚が退職しました
理由は仕事と育児の両立が難しいとの事で。
その人は
産休、育休の間きっちり1年間給付金貰っといて復帰後すぐ辞めるなんて都合良すぎると、かなり悪く言われ続けてます。
うちの会社では、せめて育休もらった分の1年は働くべきだという意見が多いですね。
復職して1ヶ月で退職してしまうのは、会社側からも同僚からもあまりよく思われないのが現実だと思います。仕事と子育ての両立は、復帰前に思っていたより大変だったということがあるでしょう。
育児休業給付や社会保険料、失業保険について
育休中、育休後に退職した場合、経済面での影響はどれほどなのでしょうか。ここでは、育児休業給付、社会保険と保険料、失業保険と保険料の3つについて説明します。
気になるお金の問題がありましたら、確認してみてください。
育児休業給付は返金する?
育児休業給付は育休明け後の職場復帰を前提とした給付金のため、育休前に退職された場合は給付されません。
育休中に退職された場合は、退職と同時に育休も終了するため、その後給付金は出ません。給付金は、育休開始時点で退職の予定でなかった場合は返金は不要です。
育休が満期終了後に退職され場合、こちらも育休開始時点で退職の予定でなかった場合は返金は不要です。
社会保険と保険料について
育休前に退職された場合、退職と同時に保険証を返却します。扶養に入らず、任意継続として退職前の会社の保険に入ることは一定の条件を満たせば可能です。ただ任意継続しても、育休前に退職した後は保険料が免除されることはなく、全額自己負担です。また、育休中に退職される方も同じです。
育休が満期で終了した後に退職する方は、任意継続もしくは配偶者の扶養に入る、また国保に加入するなどの手続きを取ると同時に支払い義務が発生します。
失業保険と保険料について
退職後、復職する間に失業保険を申請できるか考えている方もいらっしゃるでしょう。
まず、失業保険をもらうためにはハローワークへ来職の申し込みができること、いつでも就職できる能力があること、離職日以前に被保険者期間が12ヶ月以上あることが条件です。そのため、妊娠・出産・育児のために就職できない場合は支給対象外ですので注意しましょう。
- 厚生労働省「Q&A~育児休業給付~」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158500.html,2018年6月13日最終閲覧)
- 全国健康保険協会「会社を退職するとき」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat315/sb3070/r147,2018年6月18日最終閲覧)
- ハローワーク「雇用保険の具体的な手続き」(https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_procedure.html#kettei,2018年6月18日最終閲覧)
退職・転職後の保育園について
育休中に申請していた保育園に受かった場合、退職後は辞退しなければならないのが通常ですが、転職する場合はどうなるのでしょうか。これらの対応は各区市町村によって、保育園申請時の条件が異なります。
具体的な例として、東京都港区の保育園を申請する際の条件を紹介します。
東京都港区の場合、育休を取得した勤務先に復職することが入園の条件です。また、復職せずに転職した場合、勤務条件が同じであっても指数が下がります。さらに、内定後に勤務先が変更になっている場合は内定取り消しなるので、注意が必要です。
ご自身の市区町村のホームページや担当の方へ確認しておくようにしましょう。
- 東京都港区「保育園入園のご案内」(https://www.city.minato.tokyo.jp/hoikusien/documents/h30goannai2.pdf,2018年6月13日最終閲覧)
育休中・育休後の退職はよく考えてみましょう
仕事と子育ての両立は人によっては難しいものですよね。産休に入るときには、育休を取得したあとに復帰するつもりでいても、続けることができない状態になる可能性はゼロではありません。
そのため、育休中に退職をしなければならない事情が発生した際に対応できるよう、必要な手続きや保険などの条件を確認しておくようにしておきましょう。