育休中も子どもを保育園に預けることはできる?
子どものお世話をするために設けられている育休。保育園に預けることはできなさそうに感じられますが、実は内閣府による「保育の必要性の認定」を受ければ育休中に保育園を利用することも可能です。
「保育の必要性の認定」とは、「保育認定(2号・3号)」のことです。仕事や妊娠・出産、同居中親族の介護・看護、求職活動など、保育を必要とする理由がある場合に認定を受けられます。また、下の子が生まれて育休を取得したものの、上の子がすでに保育園に通っている場合は、そのまま継続できる可能性が高いでしょう。
そして、保育の必要性に応じて保育時間が最長8時間、もしくは最長11時間のいずれかに決定される仕組みです。育休中の保育園利用は認定を受けたうえで、どのくらいの保育量が必要か検討して判断されます。
上の子がすでに保育園に通っている場合は?
育休中に保育園を利用したいと思うケースとして、下の子が生まれて育休を取得したものの、上の子がすでに保育園に通っている場合が考えられますよね。「育児認定(2号・3号)」には、このケースについても考慮されています。
「育児認定(2号・3号)」によると、すでに保育園を利用している子どもがいて継続利用が必要であることは、「保育を必要とする理由」に当てはまるそうです。そのため、下の子の出産後に育休を取得しても、上の子がそのまま保育園に通い続けられる可能性は高いでしょう。
- 内閣府「よくわかる「子ども・子育て支援新制度」」(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/sukusuku.html,2021年8月12日最終閲覧)
- 豊川市「1号・2号・3号認定とはなんですか?」(https://www.city.toyokawa.lg.jp/smph/faq/kosodate/hoikuen/hoikuka20180717.html,2021年8月12日最終閲覧)
育休中に保育園を継続するための条件とは
下の子の出産で育休を取得した場合、上の子の保育園は継続利用できる可能性があるとお話しましたが、必ず継続できるわけではありません。育休中に保育園を継続するためにも、「育児認定(2号・3号)」に該当する必要があります。
「育児認定(2号・3号)」では、「保育を必要とする事由」の項目で次のような事由があげられています。
【育児休業取得中に、既に保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること】 ※1
この事由は、上の子が保育園に通っている状態で、下の子の育児休暇を取得する場合が想定されていますよね。この内閣府からの通達を見ると、下の子の育休中に上の子の保育園利用を継続するには、「保育の継続利用が必要である」との認定を受ける必要があるということ。
認定は各自治体により行われるので、継続利用が必要であるかの判断は自治体の判断となります。ただし、次のようなケースでは保育園を優先利用できると定められています。
- ひとり親家庭
- 生活保護世帯
- 生計中心者の失業
- 子どもに障がいがある場合
上記のようなケースにあてはまる場合は、下の子の出産で育休を取得しても、上の子の保育園利用が認められやすくなります。
- 内閣府「よくわかる「子ども・子育て支援新制度」」(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/sukusuku.html,2021年8月12日最終閲覧最終閲覧)
育休中に継続入園する場合の申請について
それでは、育休中に継続して保育園に通いたい場合の申し込み方法について見ていきましょう。申請方法は各自治体により違う場合もありますが、こちらでは東京都中野区を例にあげて紹介します。
育休中に継続入園をする場合の申し込み方法
育休中に保育園への継続入園を希望する場合は、次の手順で役所に申し込みを行ってください。
- 申請に必要な書類を準備する
- 各自治体に「保育の必要性の認定」を申し込む
- 自治体から認定書を受け取る
- 保育園継続入園希望の申し込みを行う
東京都中野区の例では、育休中に上の子の保育園利用を継続できるのは、下の子が満1歳になる誕生日を含む年度の、翌年4月末日まで。もし満1歳の誕生日を含む年度の翌年4月保育園に入園できない場合は、下の子が満2歳になるまで在園できる特例があるそうです。
上の子の在園については、自治体により詳細が異なりますので確認しましょう。
育休中の継続入園申請に必要な書類
それでは、育休中の保育園継続入園で必要となる書類を見ていきましょう。
- 教育・保育給付支給認定申請内容変更届書
- 育児休業期間証明書
- 現況届
- 就労証明書など保育の必要性の事由を証明する書類
「育児休業期間証明書」は職場の責任者に記入してもらい、育休が始まる前日までに役所に提出しなければなりません。「保育の必要性の事由を証明する書類」は就労証明書や診断書、身体障害者手帳など保育を必要とする事由により違うので、現況届の項目ごとに必要な書類が指示されます。
各項目に記載された書類を確認しながら、必要書類をすべて集めて提出してください。
- 中野区「保育所等 入園後の手続き」(https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/244000/d016419.html,2021年8月12日最終閲覧)
- 世田谷区「育児休業中・育児短時間勤務等取得中(予定)の方へ」(https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kodomo/003/003/002/d00024887.html,2021年8月29日最終閲覧)
育休中に保育園に入れなかった場合の対処法
「保育の必要性」が認められれば育休中に保育園を利用することもできますが、利用が認められないことも考えられます。
育休中に保育園に入れなかったものの、どうしても子どもを預かってもらいたい…。そのような場合は次のように対処してくださいね。
幼稚園・認定こども園への入園
育休中に保育園を利用できなくても、幼稚園や認定こども園なら入園できる可能性があります。ただし、認定こども園の保育部分に入園するためには保育園と同じく「育児認定(2号・3号)」を受ける必要があるので、入園できる可能性があるのは教育部分のみです。
幼稚園や認定こども園の年少クラスに入園できる年齢になる子どもなら、保育園でなくても楽しく通ってくれるでしょう。子どもが園に行く時間は短いので「預かり」という感覚ではありませんが、短時間でも園を利用したい方にはおすすめの方法です。
- 豊川市「1号・2号・3号認定とはなんですか?」(https://www.city.toyokawa.lg.jp/smph/faq/kosodate/hoikuen/hoikuka20180717.html,2021年8月12日最終閲覧)
託児所の利用
幼稚園などでの教育ではなく保育サービスを利用したい場合は、民間の託児所を利用するのが一番現実的ですね。託児所は子どもを預けるための施設なので、育休中でも問題なく利用できます。
子どもを預けるための利用手続きも保育園より簡単で、夜間保育や土日の預かりにも対応してくれるので使いやすい保育サービスです。
ベビーシッターサービスの利用
育休中に保育園へ入れなかった場合は、ベビーシッターサービスを利用するのも一つの方法です。自宅で子どものお世話をしてもらえるので安心感がありますし、ママと一緒であれば子どもも寂しくないでしょう。
託児所より利用料金は高くなる傾向ですが、自宅で子どもと一緒にいながら、育児だけ頼みたいという方には最適な選択肢ですね。
- 厚生労働省「子どもの預かりサービスに係る 現行制度の枠組みについて」(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000053400.pdf,2021年8月12日最終閲覧)
育休中の保育園はどうしてた?先輩ママの体験談
育休中に子どもを保育園に預けられればママとしてはうれしいでしょうが、中には「ずるい」と思う方や、気まずい思いをする方もいるようです。育休を取得したら、保育園は休ませるべきなのでしょうか?
複雑な思いを抱えている方もいらっしゃるかもしれませんので、育休中の保育園問題についてママリに寄せられた先輩ママたちのコメントを紹介します。
育休での退園は自治体による?まずは確認を!
ママリ内の投稿では、育休中は退園させられるケースは少なかったようですが、中には育休中に退園をしなければいけなかった人も。
そうした人はどうして退園になってしまったのでしょうか。寄せられた投稿を見てみましょう。
激戦区だと
下の子を産んだ時、育休中に上の子を預けられるのは年度末までで、4月以降は復職しないと上の子も退園になると言われる場合もあるそうです。
1度自治体に電話して聞いてみてもいいと思いますよー。
上の子もまだ、4月から認可に入れるかまだ結果が届かないのでわからないのですが…
産後2ヶ月までは通常通り保育園に通園できるそうで、育休に入る前に就労予定証明書と保育園での継続保育が必要な旨の申立書を提出するとのことでした
一度お住いの区役所にお問い合わせされてみてはどうでしょうか
自治体によっても違うかもなので、
1人目は保育園通ってます!
わたしの場合1人目は2人目が生まれるとき
2歳なのですが育休でもしかしたら退園に
なることもあると説明がありました😭
緊急性の高い家庭があれば退園になりますみたいな
説明でした😭
上にご紹介した先輩ママたちのように、育休中、実際に保育園を退園になったケースを見聞きした人も。保育園激戦区の場合、緊急性の高い家庭が優先になることがある、と説明された先輩ママもいましたね。
育休は前提として「復職」があるので、退園になると復職時にとても困ります。保育園激戦区に住んでいる方は、育休前に自治体には必ず確認をしておきたいところですね。
育休中での諸々の事情で保育園に通わせることが可能であるのは、ここまでにご紹介してきた通りです。ただ、育休中の退園に関しては自治体の事情もあるようです。
投稿にもあるように、希望する人が全員保育園に入れたら、保護者同士の無用な軋轢を生むこともなく育児への安心感も高まりますよね。
育休中の保育園はずるい?気まずい?
希望する人が全員入れるわけではない保育園。この状況は保護者同士の気持ちを分断させかねません。基本的に育休中は保育園を休ませる必要はありませんが、育休中の保育園利用を「ずるい」と感じる方もいるようです。
育休退園が出たら、入れないかなーなんて思ってるほうなんですけど。
(うちの市は1歳は育休退園ありで、2歳からは育休中でも通えます)
仕事をしなければいけない、でも保育園に入れたくても入れない…。そんな状況が続いていれば、育休中も通園できている家庭を「ずるい」と思う人はいるかもしれません。
そして、そうした意見があることを知っているからこそ、育休中も保育園に通わせることに肩身が狭い思いをいている人もいるでしょう。
育児の当事者である女性同士で足を引っ張り合う世の中は、残念だなぁとは思います。問題の矛先は女性同士ではなく、行政や社会全体だという視点が大事かもしれません。
保育園というシステムが、誰でも気持ちよく利用できるものであれば、保護者同士も「ずるい」とか「心苦しい」と思うことは少なくなる気がしますね。
認可外保育園なら育休中でも入れる!
先輩ママたちの育休中の保育園問題について見ていると、認可保育園に入園できなかった場合の対処法として、認可外保育園に入園させるという方法も提案されていました。
認可外保育園は料金が高いものの、育休中でもどうしても保育園に預けたいと考えるママの強い味方です。育休中は託児所やベビーシッターサービスとあわせて、認可外保育園に預けることも視野に入れてみてくださいね。
育休中の保育園利用はまず申し込みを
育休中に保育園に子どもを預けるのはずるいのではと気まずい思いを抱いたり、休ませるほうが良いのかなと思ったり…。複雑な思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、病気がある、小さな子どもが2人以上いるなど、育休中でも保育の必要性がある場合もあります。
保育が必要な状況であればまずは各自治体に申し込みをしてみましょう。認められれば育休中でも保育園を利用できますし、もし認可がおりなくても認可外保育園への入園という道も残されています。育児で大変な思いをされている方は、ぜひこの記事を参考にして保育園の利用申し込みを行ってくださいね。
ママリでも「育児中 保育園」が話題になっています
ママリでも以下のような質問が寄せられ、回答が集まっています。
下の子の育休中は3歳〜幼稚園に入れ、育休から復帰後にそのまま同じ幼稚園の延長保育を利用するか、または下の子の保育園申込と同時に保育園に転園するか迷っています。
なんでも良いので、こうだったよ〜等アドバイスを頂けると助かります!
わたしは3月半ばで1歳になって延長するのですが、今週中に結果が出るので出たら直ぐに職場に送ることになってます!
同じく1歳半の延長の時も1歳半の月の前月末には知らせて欲しいと言われました😊
職場的にはほんとは1ヶ月以上前に知らせて欲しいと言われましたが、役所の申込締切と選考のタイミング的に絶対に難しいので、役所に聞いてみたところ、ハローワーク的には(育休手当的には)月遅れでも問題ない との返答でしたよ😊
無料のママリアプリでは、もっと多くの質問・回答が寄せられています。アプリ内で質問したり、投稿を検索したりしてみてくださいね。