「お迎え変更」連絡ルールは、子どもの安全を守るため
お迎え者変更の連絡は、仕事をしていたり急な用事でバタバタとしている時に「面倒だな」「後ですればいいか」と考えることもあるかもしれません。一方、園側が一番に考えているのは子どもの安全です。指定された保護者以外に子どもを引き渡してしまった場合、大きな事件に発展してしまうこともあるかもしれません。
お迎えにきた方と保護者の間で「お迎えをお願いします」という連絡がしっかりと取れているのか、園側にはわかりません。引き渡した後に、保護者がお迎えに来て「私がお迎えのはずだった」という事例もありました。
園には、安全かつ確実に大切な子どもを引き渡す責任があります。だからこそ、お迎え者変更の際の連絡ルールは守っていただきたいと考えています。
お迎え変更時にしている配慮
お迎えにくる方が変更になった場合、園がしている配慮の例をご紹介します。
1:防犯のための確認を徹底する
お迎え変更で、普段園には来ない祖父母や親戚、友人など園側が把握できていない方がお迎えにくる時には、園に入っていただく前に、インターホンで「子どものクラスと名前」「お迎え変更で迎えにきた旨」「お迎えに来た方の名前」を聞き、確認が取れた上で中に入ってもらいます。不審者や園に関係のない人が園に入ることを避けるためです。
普段から防犯を意識し、不審者対応などの訓練を年に数回行い、園全体で防犯対策をしています。
2:お迎え者の変更を子どもに伝える
子どもはイレギュラーなこと、予定とは違うことなどに不安を持つことがあります。そのために保育園での生活はなるべく同じリズムで行い、一日の流れを視覚などで分かりやすく伝え、見通しを持って生活できるように配慮しています。
お迎えの時間はなおさら一日が終わり保護者の顔を見て子どもなりに「ホッとする」瞬間です。その時にいつもと違う人がお迎えに来たら戸惑いや緊張など、不安な気持ちになるかもしれません。
そうならないように、変更の連絡が入ったら、保育者が子どもに違う人がお迎えにくることを伝え、子どもの中で見通しが持てるようにして少しでも安心して帰れるようにしています。
3:食事や活動面で配慮する
お迎えの時間変更があった場合、食事やおやつの時間より少し早い場合は、給食室と連携を取り、その子の分を先に用意してもらうなどの配慮ができます。お迎え後に出掛けた際におなかをすかせないよう、できるだけ園で食事をとって帰ってもらえるよう配慮する園もあります。
また、帰り支度で準備がわからない方がお迎えにきた際にバタバタしないよう、事前に荷物をまとめておく等の準備ができます。
4:連絡なしのお迎え変更は、保護者に確認を取る
お迎えの変更連絡がなかった場合、仕事中の保護者に確認の電話をします。会議中や移動中で電話が繋がらず確認が取れないことで、お迎えにきた方を待たせてしまいます。
また、園側もその電話対応で担任が保育を抜けるなど、活動を中断しなくてはいけなくなることも。他の子を待たせてしまうなど双方にとっても困ることがあるので連絡をもらえていると助かります。
「家族だから連絡不要」ではないこともある
「同居の家族なら連絡しなくていいんじゃないの?」「肉親なのにダメなの?」と思う方もいらっしゃると思います。しかし、必ずしも肉親ならば誰でも引き渡してよい家庭ばかりではありません、
園であり得る事例をご説明します。
1:夫婦間でのトラブル
事例として、離婚協議中や離婚した方で「相手に子どもを会わせたくない」などの事情を抱えている保護者もいます。事前に「お迎えにきても引き渡さないで」と伝えられている家庭もあります。
そのうえで「今日は子どもの迎えを頼まれた」と、普段お迎えの保護者以外の方が園にいらした場合、いつも送り迎えをされている保護者からの連絡がないと、両親であっても引き渡すことはできません。
お迎えの変更連絡をいただいていれば、園としても事情を把握していても安心して引き渡すことができるので、必ず連絡をお願いしています。
2:祖父母や親戚とのトラブル
祖父母や親戚との折り合いが悪く、保護者の知らないところで引き渡してほしくないなどの相談がある場合があります。
お迎えにきて「祖父母なのに園が引き渡してくれない」等のクレームに発展した場合でも、園のルールに従って「保護者からお迎えの変更の連絡がないこと」を理由にお断りをしています。
ルールが子どもの安全を守っています
お迎え変更一つにしても、大切なお子さんを預かっている園としては必要なルールと考えています。ルールが厳しい、面倒だと思う保護者の方もいると思いますが、園に通うすべての子どもたちが安全に、安心して生活できるよう、園としても工夫してルールを設定しています。
この記事をきっかけに、園側の思いや配慮をご理解いただけたらうれしいです。