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「9歳の壁」とは?子どもに起きる変化と実践したい三つの対策

「9歳の壁」は、男の子・女の子ともに成長段階で起きる可能性のある難しい問題。教育者のシュタイナーいわく、9歳の壁が起きる9歳という年齢は、第2期児童期に移行する過渡期なのだそう。学校の授業では抽象的思考が必要な内容が増えてきて、「これまで特に問題なく学校の勉強もできていたのに、急に自信をなくし、勉強が苦手になった」ということが起こる可能性のある時期です。9歳の壁にはさまざまな要因がありますが、今回の記事では乗り越えるための対策を解説していきます。

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9歳の壁とは何か

子どもが成長する過程において、「3歳の壁」「4歳の壁」と年齢ごとにいくつかの「壁」がありますが、成長してきた子どもに起こりがちなのが「9歳の壁」。

9歳の壁とは、子どもの自己肯定感が失われやすく、自信を持てなくなることを指します。

8歳ごろまでは、主観の世界で生きていることの多い子どもですが、9歳ごろになると脳が発達して、自分を客観的に判断できるようになります。また、他の子どもと発達の差が現れてきやすい年齢でもあるので、「あの子に比べて私は勉強ができない」「みんなより走るのが遅い」と、劣等感を抱くことがあるのです。

客観的視点から物事を見られるようになるという成長による壁ではありますが、子どもが自信を喪失してしまいかねないのが「9歳の壁」なのですね。

シュタイナーによる9歳児の考え方について

哲学者・教育者であったルドルフ・シュタイナーは、9歳を「児童期第1期と第2期の過渡期」としました。7歳から9歳までの第1期児童期は、身体の動きとは別に頭で思考することを覚える年齢です。

しかし、第2期児童期へと移行する9歳の子どもは、「自己意識」を強めるとシュタイナーは言います。自分と世界を区別し始めるので、小学校の授業でも動物や植物、国語の文法など、自分の外の世界に視点を向けるような内容が増えてきます。そして9歳になるに伴い、授業の内容はより難しくなるのです。

シュタイナーは「模倣衝動は9歳まで続く」とも言っており、9歳という年齢を堺に、子どもの行動に変化が起きると考えられます。

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9歳の壁が起こる原因

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それでは9歳の壁はなぜ起こるのか、その原因について見ていきましょう。

自分と他人を比べてしまうから

男の子も女の子も成長に個人差が現れだし、そのことを客観視できるようになるということは、9歳になると「自分と他人を比べてしまいやすい」ということです。

同じ年齢である同級生と自分を比べてしまい、自分の優れたところを見いだせれば良いですが、劣るところばかりを見つけてしまうと自信を失い、9歳の壁が起きるようになります。

自分や他人を客観視して、自己肯定感を抱けるようになる子どもも少なくありませんが、反対に劣等感ばかりを抱いてしまうこともあるのですね。

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小学校の授業に抽象的内容が組み込まれるから

9歳の壁が起きる原因は、小学校の授業内容にもあります。小学校4年生になると抽象的思考を組み込んだ授業内容が増えてくるので、勉強についていけなくて劣等感を抱き、9歳の壁に突入してしまう子どももいるのです。

9歳といえば小学校では3年生~4年生の時期にあたりますが、この学年では例えば算数ではこれまでに習った九九を応用して割り算を使うようになったり、億や兆といった大きな数を扱うようになります。

この際、計算に概数を利用して「大体の答え」を見当づける練習もします。グラフや表からの読み取り、文章題もいくつかの条件から回答を得るのに適した条件を選ぶ必要がでるなど、問題が複雑になってきます。

子どもは成長の段階で具体的思考から抽象的思考な視点へと切り替わっていくと言われていますが、9歳ごろの子どもは発達に差が現れやすいので、まだ抽象的に考えるのが難しく「9歳の壁」に当たってしまうこともあるでしょう。

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9歳の壁で子どもに見られる変化

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自分を客観的に見られるようになることがマイナスに作用し、自己肯定感が失われることもある9歳の壁。9歳の壁が起きない子どももいますが、もし起きてしまった場合、子どもにはどのような変化が現れるのでしょうか?

小学校の勉強についていけなくなる

抽象的な内容を含む授業が増えてくることから、勉強についていけなくなる子どもが現れてきます。小学校3年生までは順調だったのに、4年生になったら少し成績が落ち気味になりつつある…という場合は、9歳の壁を迎えている可能性も。

4年生になると図形や分数、概数や「およその数」など概念を使った領域の学習が増えてくるので、まだ抽象的思考がおぼつかない子どもの場合は、「勉強についていけない」という9歳の壁に突入しがちです。

自己肯定感の低さから意欲が失われる

他人と自分を比較できるようになる9歳前後では、「自分は他人より劣っている」という思いから自己肯定感が低くなってしまいがち。自己肯定感が低くなると、目標や目的に対して意欲的でない、忍耐強さがない、失敗すると立ち直れない…など、さまざまなことに対して意欲が失われやすくなります。

8歳ごろまではいろいろなことに挑戦して楽しんでいた子どもでも、9歳の壁を迎えると、学校の勉強や遊び、生き方に対して意欲が失われたかのように変化することもあるでしょう。

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学校で友人関係のトラブルを抱える

自己肯定感の低さは学校での友人関係にも影響を及ぼします。自己肯定感の低い子どもは学校や社会に馴染みにくく、孤立しがちになる可能性も考えられます。

具体的には、学校の先生やパパママに対して攻撃的な態度を取ったり、自分勝手な振る舞いをしたり、引きこもり気味になったり…という行動が挙げられます。

小学校中学年にあたる9歳ころは「ギャングエイジ」とも呼ばれる時期で、友人同士の付き合い方や関係性も変わってくる時期です。

もし小学校での友人関係がうまくいっていないようで、急に攻撃的になったと感じられたら9歳の壁ではないかと疑ってみてください。

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9歳の壁を乗り越えるための対策

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子どもの発達によって起きる9歳の壁。パパママとしては「このまま自己肯定感を持てないままなのでは…?」と不安になることでしょう。9歳の壁の兆候が見られたら、まずは次のような対策を行うとよいでしょう。

勉強は「復習」を大切に

学校の授業がわからず9歳の壁を迎えたときの対策法は、新しいことを学ぶよりも「復習」を大切にすることです。勉強は段階的に難しくなるので、3年生で学んだ内容がしっかりと身についていないと、4年生の勉強についていけなくなることも。

そのため、3年生のときの教科書を読み直してみるなど、過去にさかのぼって学習することで解決の糸口が見つかることも少なくありません。子どもはわからないと勉強へのやる気をなくしがちですが、パパママが見てあげながら過去の復習を徹底しましょう。

パパママが認めて・褒めて自己肯定感を伸ばしてあげる

9歳の壁によって自己肯定感が失われてしまった子どもには、パパママが褒めて自己肯定感を伸ばしてあげることが欠かせません。しかし、自己肯定感を伸ばすためには褒め方にコツがあります。

あまりに子どもを褒めすぎると、子どもが自分自身を過大評価してしまったり、パパママからの自分への評価と他の人からの評価が違うことで、自己肯定感が伸びなかったりすることもあるので、褒め方に注意することが大切です。

子どもを認めて自己肯定感を高めるためには、大人の基準ではなく子どもの基準から考えることがポイント。例えば、テストの点数がいつもより悪かったとしましょう。しかしその時のテストの分野は子どもたちの多くが苦手とする分野でした。

クラスの平均点はいつもよりずいぶん悪く、我が子の点数はその中ではとても頑張った方だったとしたら…。

パパママは大人の基準から点数だけを見て褒めがちですが、子どもにしてみればたとえいつもより点数が悪くても自分が頑張って勉強をしたことを褒められたほうが、認められたと感じうれしいのではないでしょうか。

努力せず良い結果が得られたときに褒められても、それほどうれしくありません。子ども自身を認めてあげるということは、子どもの努力や行動を褒めてあげることです。子どもの行動の背景や日ごろの頑張りをしっかりと汲み取って成長を褒められると良いですね。

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読書をすすめる

子どもが勉強で9歳の壁にぶつかってしまったら、読書をすすめてあげてください。本は図鑑など勉強に関するものではなく、物語がおすすめです。

9歳の壁への対策に読書が有効な理由は、物語を読むことは抽象的思考を育むため。自分ではない主人公が物語の中でさまざまな体験をしている様子を読むと、自然と推察をしたり抽象的な思考をしたりするものです。

抽象的な思考が苦手な子どもには、物語の中に没頭できるような楽しい本をすすめてあげてください。

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9歳の壁を乗り越えるにはパパママのサポートが大切!

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シュタイナーも重要視する9歳という年齢では、抽象的思考が含まれた授業についていけず、自己肯定感が失われがちになる9歳の壁が起きる可能性があります。

男の子・女の子ともに成長の差が激しい年齢ですが、焦らず子どもを見守りながら、子どもの基準で褒めて自己肯定感を伸ばしてあげてくださいね。

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