産後のPMSが重くてつらい
ママリに産後のPMSに悩むママからの投稿がありました。
可愛い娘にもイライラ、旦那はいつもながらイライラ、イライラがコントロールできない自分にもイライラ
薬飲んでない方でどうやってPMSコントロールしてますか?
PMSにはさまざまな症状がありますが、つらさゆえに周りの人に当たってしまい自己嫌悪をしてしまう経験はありませんか?
PMSの症状を緩和するためには、どのような方法があるのでしょうか?
一般的な対処方法
PMS(月経前症候群)は、成人女性の70~80%が心身の変調を自覚しており、実際に病院でPMSと診断されるのはその半数程度と言われています。
症状の重さも人それぞれですが、成人女性の5~8%程度は、治療が必要な中等症以上の症状があります。
婦人科を受診し低用量ピルや漢方薬、精神安定剤などの薬を処方してもらうことも可能で、PMSの症状を緩和するためのさまざまな市販薬も販売されています。
しかし、産後の場合は母乳で育児することもあるため、あまり強い薬は使えないのがネックに。個人的な判断で市販薬を服用しないようにしてください。
- 冬城産婦人科医院「当院におけるメンタルヘルスケア」(https://www.fuyukilc.or.jp/column/当院におけるメンタルヘルスケア/,2021年7月19日最終閲覧)
- 山田産婦人科 「婦人科診療」(https://www.yamada.or.jp/gynecology/,2021年7月19日最終閲覧)
- 公益社団法人 日本産科婦人科学会「月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)」(http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=13#:~:text=症状に対する治療法痛み,法)を使用します。,2021年7月19日最終閲覧)
授乳中の場合は病院で相談しよう
日本産科婦人科学会によると、PMSに対する治療法について下記のように言及しています。
1.薬によらない治療法
まず、症状日記をつけ病状を理解し把握することで、対処しやすくなります。PMSの症状と付き合うために、自分のリズムを知って気分転換やリラックスする時間をつくったり、自分が心地良いと思えるようなセルフケアを探してみることをお勧めします。また、カルシウムやマグネシウムを積極的に摂取し、カフェイン、アルコール、喫煙は控えたほうがよいと言われています。症状が重い場合には、仕事の負担を減らすことが治療になる場合もあります。
2.薬による治療
排卵抑制療法(排卵を抑える治療法)
排卵が起こり女性ホルモンの大きな変動があることがそもそもの原因なので、排卵を止め女性ホルモンの変動をなくすことで症状が軽快します。低用量経口避妊薬(OC、低用量ピル)や低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)は少ないホルモン量で排卵を止めます。これらの薬は副作用が少なく、服用している期間だけ一時的に排卵を止めるものなので、服用を止めるとすぐに排卵が回復します。その後の妊娠には影響を与えません。
症状に対する治療法
痛みに対しては鎮痛剤、むくみなどの水分貯留症状に対しては利尿剤や抗アルドステロン療法(尿量を増やす治療法)、精神神経症状や自律神経症状に対しては精神安定剤や選択的セロトニン再取り込み阻害薬物療法(脳内の活性物質セロトニンを維持する治療法)を使用します。
漢方療法
個人の証(症状や体質)に合わせて、漢方薬を使用します。当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遥散、桃核承気湯、女神散、抑肝散などがよく選択されています。 ※1
薬を用いる場合と用いない場合があるので、まずはかかりつけの産婦人科もしくは婦人科を受診し相談してみるとよいでしょう。
PMSの症状に悩んだら無理せず相談を
PMSの症状は、ほかの人にはわかりにくく、ただ「機嫌が悪い」と思われがちかもしれません。自分が悪いのだと思い悩まず相談することをおすすめします。
授乳中の人は、まずは病院を受診してどんな治療法があるか相談してみてくださいね。