悪露の臭いが気になる
ママリに投稿されたのは、悪露の臭いが気になるというママからの相談です。
悪露は子宮の中に残っている血液や分泌液が排出されるので、多少の臭いは仕方ないと思っても、自分の臭いがふつうの状態なのか、周りに相談もしにくいので一人で悩んでしまう人もいるのではないでしょうか。
悪露の臭いの原因にはどんなものがあるのか見ていきましょう。
悪露の悪臭は子宮内感染の可能性も
悪露の成分は血液や分泌液なので、多少の臭いは仕方ないものでもあります。ただ、産後のデリケートな体なので、何らかの病気の可能性もあるので注意してください。
悪露の悪臭の原因として考えられるのは、分娩時に傷ついた子宮や子宮頸管、膣部周辺に炎症が起きる子宮内感染です。体力や抵抗力の低下によって炎症が起こりやすくなり、炎症の傷口から細菌が感染すると高熱が出ることもあります。
悪臭のある悪露のほかに、発熱や腰痛、腹痛などがある場合は子宮内感染が疑われます。
また、臭いの強い悪露や血の塊が出る場合には、子宮内感染や子宮筋腫によって子宮が元の大きさに戻らない子宮復古不全の可能性もあります。
臭いのほかに、いつもと違う症状がないかチェックしてみてください。
- 公益財団法人 母子衛生研究会「注意したい産後のからだのトラブル」(https://www.mcfh.or.jp/jouhou/sango/trouble.html,2021年7月15日最終閲覧)
- 日本医師会常任理事「避難所等で生活している妊産婦、乳幼児の支援のポイント 」(http://www.nagaoka-med.or.jp/nichii_mail_bunsho/nichii_mail_bunsho_2020/2020ken2_206.pdf,2021年7月15日最終閲覧)
- 小阪産病院「お母さんのために 」(https://www.kosaka.or.jp/utility/pdf/hellobaby_0202.pdf,2021年7月15日最終閲覧)
異常を感じたときは病院を受診しよう
もし、悪露に以下のような点が見られる場合は、早めに病院を受診することをおすすめします。
- 出血よりおりものが多く黄色や緑色など変化がある
- 悪臭がある
- 微熱や下痢がある
- 腰痛や腹痛がある
子宮内感染によって炎症が起きると、産褥子宮内膜炎、急性子宮内膜炎などの病気につながることがあります。
一時的な炎症なら、自然に治癒していくこともありますが、悪化すると腹膜炎や骨盤内膿瘍などの別の病気を発症することもあるため注意が必要です。
症状も悪露の悪臭だけでなく、発熱や腹痛、頭痛、食欲不振などが現れる可能性もあり、抗生物質の投薬などが必要となる場合があります。
悪露に異常があり原因がわからない場合は、早めに病院を受診しましょう。
- 株式会社メディカルノート「子宮内膜炎について 」(https://medicalnote.jp/diseases/子宮内膜炎,2021年7月15日最終閲覧)
- MSD「産褥子宮内膜炎 - 18. 婦人科および産科 」(https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/18-婦人科および産科/産褥の管理と関連疾患/産褥子宮内膜炎,2021年7月15日最終閲覧)
- 日本産婦人科医会「産後の注意 」(https://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/TAISAKU/KARUTE_PDF/TEXT/typeD/D_(15).html,2021年7月15日最終閲覧)
清潔を心がけよう
産後は子宮頸管が開いているため細菌感染のリスクが高く、抵抗力が低下していることもあり細菌感染しやすい傾向があるので、手や外陰部は常に清潔を心がけてください。
なるべく疲れをためないように家事や仕事は無理せず、定期検診を受けて体をいたわってあげてくださいね。