産後約6~8週間「産褥期」の過ごし方
産褥期(さんじょくき)は産後6~8週間のことを指し、妊娠・出産により大きく変化した体を回復させるためにとても大切な期間です。
赤ちゃんのお世話も大変な時期、この期間はなるべく周囲を頼って休めるときに休みましょう。
産後2週間
とにかく安静第一。 家事は協力してもらえる人へお願いして体を休め、必要な育児だけに留めて療養しましょう。
育児は授乳・おむつ替えなどの赤ちゃんのお世話をし、それ以外では布団を敷いたままで寝たり起きたりの生活を心掛けましょう。湯船に入ることは控え、シャワーだけにします。
産後3週間
「床上げ」といわれる時期で、少しずつ家事を始めてもいい時期です。ただし、体がまだ回復しきっていない方はまだ布団は敷いたままにして、体の様子をみながら疲れたら布団に入り休憩をとるようにしましょう。
動きすぎて悪露が増えたり体調不良になったりしてしまう前にセーブしてくださいね。のんびりとしたペースで過ごし、長い立ち仕事はまだ控えてください。
産後4週間
徐々に元の生活へ戻れる時期です。産後の1ヶ月健診で異常がなければ元の生活へ戻していけるでしょう。診察では産後のママの状態や悪露の症状を診てくれます。
このとき、生活について疑問に思うことがあればかかりつけ医に相談しましょう。いざお医者さんの前だと何を聞けばいいかわからなくなってしまうという方は健診の前に聞きたいことをリストアップしておくと良いでしょう。
問題がなければ「床上げ」ができますし、湯船にも浸かることができます。そのときは、清潔な一番風呂に入りましょう。
ただし、完全な回復とまではいきませんので夜中に授乳やお世話がある方は、睡眠不足を補うためになるべく赤ちゃんと一緒に昼寝をしましょう。短時間の外出は出来るようになりますが、遠出はまだ控えてください。
産後5週間
体調に合わせてできることを始め、普段の生活に戻していきましょう。
しかし悪露が続いていたり体調が良くなかったりした場合は決して無理をしないでくださいね。
産後6週間
体が元に戻る頃です。順調であれば外出やストレッチなどの軽い運動ができるようになり、医師の診断さえあれば職場に復帰することもできます。
ただし、本来は8週間以降でないと働くことができないため、まだ一般的には動きすぎるのは良くない時期です。決して無理をしないことを大前提に行動しましょう。
また、遠方の外出も産後8週間経ってからにしてください。里帰りなどでどうしても長時間の移動をしなくてはならないときは家族に付き添ってもらい、無理のないようにしましょう。
- 窪谷産婦人科「よくあるご質問」窪谷産婦人科(http://www.kubonoya.or.jp/care/faq.html)
- 山本産婦人科「産後の出来事」山本産婦人科(http://www.yc-tsu.jp/dekigoto/sango/sango.html)
- はしもと産婦人科医院「パパとママになるために」はしもと産婦人科医院(http://hashimoto-lc.jp/papamama/point3.html)
- 吉田産科婦人科医院「産科のご案内」吉田産科婦人科医院(http://www.yosida-clinic.jp/sanka_support/index.html)
- 厚生労働省「あなたも取れる!育休&産休」厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/31.pdf)
「産褥期」を大切に
出産は病気ではないため休むことに抵抗のある方、周囲に理解してもらえずになかなか休めない方もいるかもしれません。しかし、産褥期の母体は目に見えないですが著しく回復しようとしています。
妊娠中の長い期間かけて変わった体が元に戻るのは容易ではありません。ですが、そのようなときでも休みなく赤ちゃんのお世話をしなくてはならずつい頑張りすぎてしまうこともあることでしょう。生まれたての新生児はとてもかわいらしく、そしてお世話は大変でいろいろしてあげたいものですよね。
しかし、そんなときは「本当に自分しかできないことなのか?これはやらなくても生活に支障はでないかな?」ということを思い出してくださいね。家族でもできる家事なら旦那さんや上の子たち、お母さんなどに任せて休むことに専念しましょう。
もし家事ができる人がいない、生活に支障が出てしまうという場合は地域のサービスや家事代行を頼んだり、食事の宅配サービスや買い物はネットスーパーなどを利用したりするのがおすすめです。
家族が1人増えたことはママの周囲のみんなにとって喜ばしいことです。家族やいろいろなサービスを利用し、みんなで助け合い支え合い、産褥期を乗り切っていきましょう。