【医師監修】生理前に食欲が増す原因は？太らないよう食欲を抑える＆食事のポイント

生理前に食欲が増す理由とは

それでは生理前になぜ食欲が増すのか、その理由から見ていきましょう。生理前に食欲が増す原因は、排卵後から生理前にかけて増える「プロゲステロン」という女性ホルモンにあります。

プロゲステロンは黄体ホルモンとも呼ばれ、妊娠の成立や着床を促す大切なホルモンです。しかし食欲を増加させたりむくみを悪化させたりする働きも持つことから、生理前に体重が変動する原因にもなります。

生理後半になるとプロゲステロンの分泌量も落ち着いてくるので、生理前から生理前半にかけては、湧き上がる食欲を抑える方法を知って、体重が増えることを予防することが大切ですよ。

食欲が増してしまう場合の対処法

プロゲステロンの影響により食欲が増してしまう生理前。食欲を抑える方法についてお話していきます。

心身ともにリラックスを心がける

ストレスを感じると、つい食べてしまう…という方もいらっしゃるのではないでしょうか？イライラや空虚感を感じながらの食事は満腹の信号が出ていても食べ続けてしまいやすいものです。食欲が増しやすい生理前は、それ以上の食欲を抑えるためにリラックスすることが大切。

ゆっくりとお風呂につかったり、好きな音楽やアロマを利用してのんびりとくつろげる時間を作ったりしましょう。積極的にご自身なりのリラックス法を実践して、なるべくストレスを感じないように過ごしましょう。

軽い運動をする

軽く運動をすることも、生理前の食欲で太らないようにするための効果的な方法です。

ご存じのとおり、運動をするとエネルギーを消費して太りにくくなります。さらに運動は自律神経の調整にも効果を発揮します。

ウォーキングやジョギングなどの軽い運動であれば、副交感神経が活性化されてリラックス効果が得られます。さらにセロトニンやβエンドルフィンなどのホルモンが分泌されて、晴れやかで穏やかな気分になれますよ。

速度の速いランニングやバスケットボールなどの激しい運動であれば、交感神経が活性化されて食欲抑制作用が得られます。

軽い運動でリラックス効果をやけ食いを予防するか、激しい運動で生理前の食欲を直接的に抑制するか、ご自身の好みや体力も考えながら生活の中に運動を取り入れてみてください。

生理前に太らないための食事のポイント

生理前の食欲を抑える方法についてお話しましたが、生理前に太らないためには食事の内容を見直すことも必要です。

「生理前は太りやすい」と困っている方は、ぜひお話する食事のポイントを実践してみましょう。

よく噛んで食べる

生理前の食欲増進は女性ホルモンの影響なので、完全にコントロールすることは難しいですね。ですが、ホルモンに振り回されないようにすることや、日々の食事の「動作」を工夫することは可能です。

それは「しっかりとよく噛むこと」。食欲は脳内の「満腹中枢」という器官がコントロールしていますので、この中枢がしっかりと刺激されれば満腹感を得られるというわけです。

そして満腹中枢を刺激するには「噛む」ことがとっても有効なのです。生理前は普段にもまして「よく噛んで」「ゆっくり」食事を楽しむようにすれば食べ過ぎを自然に防ぐことができますよ。

生理前の食事におすすめのメニューは？

いつもと身体が違う状態になる生理前～生理中は、食事のメニューにも気を遣いたいもの。特に血液と一緒に失われる鉄が不足しがちになるので、鉄を多く含む食材を意識的に食べるようにしましょう。

• レバー
• 赤身の肉と魚(かつお・まぐろなど)
• 葉野菜(小松菜・春菊・ほうれん草など)
• 大豆製品(豆乳・納豆など)
• ひじき
• 卵
• 牛乳

鉄はこれらの食材に多く含まれます。ただ女性は普段の食事からの鉄摂取量が不足ぎみ。そこで生理前～生理中におすすめしたいのが「バナナきなこ豆乳」です。

作り方は簡単で、バナナをつぶして豆乳・はちみつ・きなこと一緒にミキサーにかけるだけ。鉄が豊富な豆乳ときなこを同時に摂取できるだけでなく、バナナに含まれるビタミンB6も赤血球を作るために必要な栄養素です。

また、はちみつにはビタミン・ミネラルなど150種類以上の栄養素が含まれているので、栄養バランスを整えるために役立ちますよ。

生理前に食欲がない時はどうする？

「生理前に食欲が増して太る」という方もいれば、反対に「生理前は食欲がない…」という方も。食欲がないのは生理痛や吐き気など、生理特有の不調が原因になることがほとんどです。

ここまで生理前の食欲を抑える方法についてお話してきましたが、次は食欲がないという方に向けての対処法について解説していきますね。

飲み込みやすく口当たりの良いものを食べる

生理前に食欲がないときは、とりあえず食べられそうなものを食べることが一番です。

果物や野菜をスムージーにしたり、ヨーグルトにはちみつをかけてみたり、おかゆにしてみたりと、飲み込みやすく口当たりの良いものを食べるようにしましょう。

一つ前の項目で紹介した「バナナきなこ豆乳」は、栄養たっぷりで口当たりが良いので、生理前に食欲がないという方にもおすすめですよ。

栄養価の高い食材を意識的に食べる

食欲ないからと食事の量が減ると、どうしても必要な栄養素が不足しがちになります。食事の量が減りがちな分、いつもより栄養価の高い食材を意識的に食べることも大切です。

白米を食べている方は、お米を玄米にしてみてはいかがでしょうか。玄米にはビタミン・ミネラル・食物繊維が白米よりも多く含まれます。玄米に緑黄色野菜をたっぷり入れたスープや豆腐を添えれば、栄養価の高い食事になりますね。

生理前で食欲がないときは食材を工夫して、少しでも食べやすく、栄養バランスの良いメニューを考えて乗り切りましょう。

生理で変化する食欲についての体験談

生理前は食欲が増したり減退したり…と、女性の身体は翻弄されてしまいますよね。それでは、他の皆さんは生理前にどのような食欲の変化を経験されているのでしょうか。

ママリに寄せられた投稿の中から、生理前の食欲に関するお悩みや対処法などにまとめてみました。

生理前の抑えられない食欲への対処法は？

「生理前に食欲が止まらない」とお困りの方はやはり多く見られますが、皆さんそれぞれご自身なりの対処法を考えて乗り切っているようです。どのように対処されているのか見ていきましょう。

この方は食事のルールを決めているとのこと。絶対的なルールでなくても、ご自身で決め事を作っておけば食欲のコントロールもしやすくなりそうですね。

そしてこちらの方は生理前に食べてしまった分、生理後に調整するという方法を実践されています。

ルールを決めて食欲をコントロールできれば一番ですが、食欲を抑えることは簡単ではありません。生理前はある程度仕方がないと割り切って、生理が終わった後に太らないよう調整することも大切です。

生理中の体重変動はどのくらい？

生理前に食欲が変化すると、当然のごとく体重も変化しますよね。皆さんは生理中にどのくらい体重が変化するのでしょうか？

「生理中は2～3kg体重が増える」という方が少なくありませんでした。生理中の体重変化はあって当然と考えて、2～3kgの変化であればあまり気にしすぎないようにしてくださいね。

生理前の食欲変化は身体の仕組み

生理前に食欲が異常に増したり、食欲ない状態になったりする理由は女性の身体の仕組みが原因です。食欲が増すと太るのが気になると思いますが、「生理後に元に戻せばOK！」と割り切ることも必要ですよ。

ただし、旺盛になる食欲に対処することも大切です。この記事でお話した食欲を抑える方法を取り入れながら、太らないようできる限り食欲を紛らわせられるようになると理想的ですよね。生理前に食欲変化が現れたときは、ぜひ試してみてください。