みんなも悩むつらいPMSの症状
生理前になると現れるPMSの症状は、同じ体験をしている方にしかわからないつらさがありますよね。
症状の強さに差はありますが、PMSのつらい症状に悩んでいる方はとても多いものです。皆さんは一体どのような症状で悩んでいるのでしょうか?PMSに悩む方からの体験談から見ていきましょう。
生理前になると頭痛や吐き気に襲われる
生理前になるとひどい頭痛や吐き気に襲われて、薬を飲まずにはいられないという症状を経験している方もいらっしゃいました。
生理前のひどい頭痛や吐き気だけでも十分につらいですが、腰や関節に痛みまで現れると家事や育児へのやる気も失せてしまいますよね…。生理前に熱っぽくなったり、扁桃腺が腫れたりと風邪のような症状が現れる方もいるようでした。
生理前に吐き気やめまいを伴って頭痛が起きる場合はPMSではなく片頭痛の月経周期増悪の場合もあるので、対症療法だけで様子を見ずに脳外科や頭痛外来で相談してみることをおすすめします。
生理前はイライラして子どもにあたってしまう
生理前になるとイライラが抑えられなくなり、パパや子どもにあたるという心の症状に悩んでいる方が多いのもPMSの特徴です。
イライラする生理前はつい子どもにあたるものの、生理が始まりPMSの症状が落ち着くと罪悪感にとらわれてつらい…と思ってしまいそうな体験談です。
PMSの心の症状はコントロールしにくいもの。ひどい頭痛など体の症状もつらいですが、自分自身でコントロールできない心の症状は自分にしかわからないつらさがありますよね。
たいていは、環境的に「自分でコントロールができない」ことが増えてくると、感情も「コントロール圏外」にしてしまいがちです。子どもや夫や環境因子に対して自分の立ち位置を見直してみるとよいかもしれません。
- 日本産科婦人科学会「月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)」(http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=13,2021年9月14日最終閲覧)
PMSの症状は年代や出産経験により変化する
つらいPMSの症状はずっと継続されるわけではなく、年代や出産経験により変わります。
一般的には性成熟期である25~45歳の女性に多く見られ、年齢を重ねるにつれ発症が増加する傾向にあるとされるPMS。しかし、出産経験により症状が変化することもあると報告されています。
出産未経験の女性では下腹部痛、頭痛、肩こり、乳房の痛みや張りなど体の症状が現れやすいのに対して、出産を経験した女性ではイライラ感や怒りやすさ、攻撃性、家族への暴言など心の症状が多く現れるようになるそう。
また、攻撃性は30代の女性で最も強く現れるとのこと。以前は「30代中期症候群」と言われていたPMSですから、30代になって「PMSがひどくなった」と感じる方も少なくないのではないでしょうか。
ちょうど小さな子どもの育児に追われるママの多い年代ですから、生理前のPMSでイライラして子どもにあたる症状で悩んでいる方はとても多いと考えられるでしょう。
PMSを悪化させる要因が、栄養のバランスの悪さや睡眠不足・過労などですから、ちょうどこの年代が抱えやすい要因と一致してしまうことも考えられます。
- 女性心身医学「本邦における成熟期女性のPMSの実態」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspog/9/2/9_KJ00000791584/_pdf/-char/ja,2021年9月14日最終閲覧)
- 昭和学士会雑誌「PMS,PMDDの診断と治療」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshowaunivsoc/77/4/77_360/_pdf/-char/ja,2021年9月14日最終閲覧)
PMSがつらいときは婦人科を受診しよう
PMSの症状がつらいと感じられるなら、婦人科を受診されることをおすすめします。婦人科では薬を処方したり、生活習慣へのアドバイスをしたりしてPMSのつらい症状を緩和させる治療を行ってくれますよ。
たとえば、規則正しい生活や運動、ストレス管理などはPMS症状の緩和に役立つとされています。
鎮痛剤や漢方薬など、処方された薬を服用しながら生活習慣を改善していけば、つらい症状が少しずつ和らいでいくかもしれません。
つらいPMSの症状を我慢しながら、仕事・家事・育児を続けていては本当に心が疲れてしまうでしょう。生理前になると頭痛がひどい、イライラして子どもにあたる…そんなPMSの症状に悩んでいるなら、ぜひ一度、婦人科で相談されてみてくださいね。
- ベスリクリニック「生理前のココロの不調専門外来~PMS/PMDD外来~」(https://besli.jp/womens-life-design.html,2021年9月14日最終閲覧)
- 医療法人社団エムズ クリニックフォアグループ「PMS(月経前症候群)とは?ピルの効果で対策できるのか【医師が解説】」(https://www.clinicfor.life/articles/b-024/,2021年9月14日最終閲覧)
体験談から学ぶつらいPMSへの対処法
最初にPMSのつらい症状に悩んでいる方々からの体験談を紹介しましたが、皆さんはどのようにPMSに対処されているのでしょうか?
ここからは、つらいPMSにうまく対処しながら乗り切っている方の体験談を見ていきましょう。体験談の中から、役立つ対処法が見つかるかもしれません。
漢方薬で症状を緩和
PMS軽減のため漢方薬を飲んでいる方からの体験談です。市販の漢方薬を試した方もいらっしゃいますが、症状の緩和に役立ったという声が多数あがっていました。
漢方薬はその人の体質や症状によって合う、合わないが異なります。
病院でご自身にあったものを処方してもらうのが一番ですが、もし市販薬で改善したい場合は薬局の漢方薬を試してみるのも一つの方法でしょう。
- 昭和学士会雑誌「PMS,PMDDの診断と治療」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshowaunivsoc/77/4/77_360/_pdf/-char/ja,2021年9月14日最終閲覧)
- クラシエ薬品「月経前症候群(PMS)の漢方治療」(https://www.kampoyubi.jp/learn/practice/19.html,2021年9月14日最終閲覧)
低用量ピルは人により効果絶大!
漢方薬とともに服用されている方が多かったのは、低用量ピルでした。つらいPMSの症状がほとんど出なくなったという方もいて、人によっては絶大な効果があるようです。
ただし、低用量ピルが体質にあわなかったり、副作用が現れたりする場合も…。
もし薬で副作用が現れた場合も、相談して別の治療法を提案してもらえるのが婦人科を受診する最大のメリット。反対に漢方薬が体質にあわず、低用量ピルのほうが効果を感じる方もいらっしゃるでしょう。
「ピルを飲むと太る」など、ネガティブなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、病院の処方であれば事前にきちんと不安を解消してから処方してもらえますし、万が一副作用が現れた場合でも対応してもらえます。服用することによりPMS症状の緩和に成功した方もたくさんいるので、治療で提案された場合、怖がらずに服用してみてくださいね。
- あゆみクリニック「「低用量ピルの効果は劇的」」(https://www.ayumiclinic.com/column/0504-2.html,2021年9月14日最終閲覧)
- ポートサイド女性総合クリニック-ビバリータ-「ピルについて」(https://www.vivalita.com/pill.html,2021年9月14日最終閲覧)
つらいPMSは漢方薬やピルで緩和できる
生理前になるとひどい頭痛やおなかの痛み、吐き気に悩まされる、イライラして子どもにあたるなどつらいPMSの症状は、漢方薬やピルの服用で緩和できます。
PMSの症状は年齢や出産経験により変化するもの。「以前より症状がつらい」と感じている方もいるでしょう。1人でつらさを抱えている方は、まず婦人科に相談してみてください。あなたにあった治療方法を実践していけば、生理前でも穏やかに、元気に過ごせるようになりますよ。