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テレ朝『リエゾン』第6話、学習障害とステップファミリー

毎週金曜よる11:15~0:15(※一部地域で放送時間が異なります)放送のテレビ朝日系・金曜ナイトドラマ『リエゾン-こどものこころ診療所-』。第6話は「ステップファミリーの苦悩」について描かれました。皆さんは何を感じましたか?この記事は、5歳でADHD・広汎性発達障害と診断された息子との12年間を発信しているインスタグラム「発達障害と共に生きる」家族のコミュニティ「そらあい」のSHI-・ママに寄り添う発達凸凹育児アドバイザー(@_so_ra_ai_)が、『リエゾン-こどものこころ診療所-』を視聴しての思いをつづります。

宿題 PIXTA

苦しんでいる事がなかなか理解されづらいつらさ

今回のリエゾン第6話のテーマは「学習障害とステップファミリー」。テーマごとに子どもや親の思いがよく描かれていたと感じました。

学習障害は、なかなかその苦労を周囲が理解することができないことも。ドラマの中の小学生、優太くんは読み書きが苦手なSLD・限局性学習症であることがわかります。そこを家族で乗り越えようとしますが、当初は困っていることへの対処に苦労します。

学習障害は子ども本人が「馬鹿にされる」、「本当は答えがわかっているのに文字に書けない(読めない)」そんな苦労を抱えています。毎日傷つくうちに自信がなくなり、気持ちも前を向けなくなるのです。理解者が近くにいればよいのですが、ドラマの中では当初担任の先生すらも状況を理解できておらず、優太くんや親が苦しむ姿に胸がつまる思いでした。

また、ステップファミリーに関しては、夫の連れ子をわが子として育てる母親の葛藤や苦悩が描かれていました。母親と子ども、それぞれ打ち明けたいのに打ち明けられない思い。母親が佐山先生にもらした「近所の子がずっと家にいる感覚」という表現がとにかくわかりやすくて、見ているこちら側がハッとさせられるシーンでした。

子どもは親を見ている

喧嘩 PIXTA

ドラマの中の優太くんは、学習障害で本を読むのは難しいはずなのに、両親がけんかをはじめると本を持ち出し、ひたすら紙面に目を向けます。その行動は両親の喧嘩から「自分を守るための逃げ道」。佐山先生が行動を解説するシーンで、このワードに強く心を打たれた人は多いのではないでしょうか。子どもの立場で、親のけんかはとてもつらいものです。私のインスタグラムのフォロワーさんの中にも、このシーンでわが家をかえりみたという方がいました。

両親の離婚を一度経験した優太くんは、家族をふたたび失うことがとても怖かったのではないでしょうか。作中で学習障害に対する対処ができたとき「僕バカじゃないから、もう誰もいなくならない?」と語った優太くん。もしかすると、実の母親が出て行ったのは「自分のせい」と自分を責めていたのかもしれません。そんな思いをしてきたと思うと胸が痛みます。

一方、優太くんはこうした苦悩を抱えながらも、父親と、ステップファミリーでの母親を信頼している様子もうかがえました。作中で何度も継母のことを「お母さん」と呼ぶ姿に、子どもとしての期待を感じます。

ママに寄り添う存在の大切さ

作中では、ステップファミリーで優太くんの親になった母親が、佐山先生に自分の思いを語るシーンがあります。それまで弱音を吐けなかった分、話を聞いてくれる佐山先生に頼っているようにも見えました。

子育ては親だけで誰にも相談せずにどうにかなるものではありません。まして生きづらさのある子どもを育てている親は「この子を何とかしてあげたい」と毎日、気持ちに押しつぶされそうになりながら子育てしています。

弱音は吐いちゃいけないと考えていっぱいいっぱいになっていると、知らないうちに子どもの思いにも気づけなくなることも。だからこそ、ママに寄り添える人が1人でも増えてくれたらと願わずにはいられません。ママを救う事は、その奥にいる子どもも救うことにもなりますよね。

子どもの「生きやすさ」に配慮される社会に

タブレット PIXTA

視力が弱いから眼鏡を使う、耳が聞こえづらいから補聴器使う、そんな感覚で学校や先生に理解されて、タブレットがサポートツールとして広まっていけたらいいなと強く感じます。

実際に私のフォロワーさんにも今回のドラマと同じように「教室では生徒の手前使えません。自宅で使用してください」と言われてしまったご家族もいらっしゃいます。正直、悲しいですし、自分の子どもがそのツールがあることで快適に学校生活を過ごすことができるのなら、そうして欲しい親の思い。そして「自分は決してバカじゃない」という本人の思い。全てが切なくて、現実でも行われている事実です。

こういった学校からの拒否は比較的珍しいことではなく、実際に受け入れ拒否されている親子も少なくないと感じています。また逆にしっかり配慮してくださる学校も中にはあるのも事実です。

とにかくみんな一生懸命なんですよね。我が子のために、どうしたら「生きやすいか」「苦しさ、もどかしさを軽減させられるか」そんな事を日々考えながら生活しています。母親の思いを汲み取ってくださる佐山先生の言葉にはいつも心救われます。そして、日々頑張っているお母さんにも、そんな存在を近くに見つけて欲しいと心から思います。

SHI-・ママに寄り添う発達凸凹育児アドバイザー

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本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。

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