離乳食の難しさは「言葉を話さない相手に食べさせること」
離乳食は、母乳やミルクで育ってきた赤ちゃんが、少しずつ大人の食べ物に近づけていくために必要なことです。大人に置き換えると、体調を崩したときにはお茶などの液体を飲み、回復期には胃に負担が少ないものを食べ、段々と普段の食事に戻りますよね。子どもの離乳食も、このようなイメージで進めていきます。
しかし、離乳食の難しいところは「自分自身ではない」ところです。言葉を話せない子どもは、自分がどういう状態か伝えることができないので、親が子どもの様子を見ながら進めていくことに、難しさを感じるのではないでしょうか。
離乳食のステップアップ例
保育園では、月齢以外にも口や舌の動きに着目して、離乳食を進めていきます。
どんな口や舌の動きになれば、ステップアップできるのかを見ていきましょう。
離乳食初期:5~6か月ごろ
「ごっくん期」「1回食」とも呼ばれます。この時期は「離乳食を飲み込むことや、舌触り・味に慣れること」が目的です。
舌や口の動きは?
- 舌は前後に動きます
- スプーンを唇の上に乗せると、子ども自身が口を閉じて飲み込みます
離乳食中期:7~8か月ごろ
「もぐもぐ期」「2回食」とも呼ばれます。
この時期は「食事が一日二回になり、生活リズムを確立していく時期」です。
口や舌の動きは?
- 舌は上下に動きます
- 唇をしっかり閉じて、もぐもぐできるようになります
離乳食後期:9~11か月ごろ
「かみかみ期」「3回食」とも呼ばれます。
この時期は「食事が一日三回になり、生活リズムも食事を中心に整ってくる時期」です。大人と食事のリズムが同じようになり、スプーンにも興味を示し始めます。
口や舌の動きは?
- 舌は上下と左右に動きます
- 前歯でかじりとって、噛んで飲み込めるようになります
食物アレルギーが心配なとき
筆者の子どもも、食物アレルギーがあるため、心配になる気持ちはよくわかります。しかし厚生労働省でも「食物アレルギーの発症を心配して、離乳の開始や特定の食物の摂取開始を遅らせても、食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はない」との発表をしています。
特に医師からの指示がない場合は、離乳開始は5~6か月ごろの体調の良い午前中にスタートしましょう。
もし心配になったときには、かかりつけ医に相談して指示を仰ぎましょう。
- 厚生労働省「食物アレルギーの観点から 授乳・離乳を支援するポイント」(https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000464805.pdf,2023年3月30日最終閲覧)
離乳食はいろいろな味に出会う時期
お子さんが初めて食べ物を口にするときは、ドキドキしますよね。子どもの成長にとって、離乳食は大切な役割を担っています。だからこそ、栄養面が気になる時もありますが、「いろいろな味に出会う時期」ということが離乳食の目的でもあります。
ぜひ子どもと一緒に、楽しい食事時間を過ごしてくださいね。