クラミジア感染症とは?
クラミジア感染症とは、クラミジアトラコマチスという細菌に感染することで起こる性感染症です。この感染症は世界中で発生がみられますが、日本国内でも男女ともに最も多い性感染症です。
10代後半から20代の感染者が多く、クラミジア感染症にかかっているとHIV(エイズ)にも感染しやすいといわれています。
クラミジア感染症には潜伏期間があり、潜伏期間中はほとんど症状がみられません。潜伏期間は1週間から3週間で、細菌がどんどん増殖していきます。
潜伏期間が過ぎても女性の6~7割は無症状なため、感染に気づかないまま月日が経っているケースもあります。そのため、症状がまだ出ていなくても、気づかぬうちにうつすことやうつされることがあるので注意しましょう。
- 東京都感染症情報センター「性器クラミジア感染症」(http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/chlamydia/,2017年8月8日最終閲覧)
- 国立感染症研究所「性器クラミジア感染症とは」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/423-chlamydia-std-intro.html,2017年8月8日最終閲覧)
- 丸善クリニック「クラミジア」(http://www.seisinkai.com/8.htm,2017年8月8日最終閲覧)
クラミジア感染症の感染経路
クラミジア感染症の感染経路はいくつかありますが、主に性交渉による性器粘膜で感染を起こします。基本的には粘膜の接触によって感染しますので、自分が感染している場合にはパートナーにも感染している可能性が高いです。
また、性交類似行為でも感染するため、性器だけでなく咽頭に感染し痛みや腫れなどの症状を起こす場合もあります。
- 丸善クリニック「クラミジア」(http://www.seisinkai.com/8.htm,2017年8月9日最終閲覧)
- 山の手クリニック「クラミジア」(https://www.y-cn.jp/std/chlamydia.html,2017年8月9日最終閲覧)
- 東京都感染症情報センター「性器クラミジア感染症」(http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/chlamydia/,2017年8月9日最終閲覧)
男女別の症状
クラミジア感染症の症状は自覚がないことが多く、発見が遅れ知らない間にうつしてしまうのが特徴です。少しでも早く発見するために、男女別の症状をご紹介します。
男性
男性に多くみられる症状は、主に尿道の炎症と睾丸の近くにある副睾丸の炎症です。尿道に炎症が起こることで腫れやかゆみ、排尿時の痛み、不快感があるようです。また、副睾丸に炎症が起こると睾丸のある袋に痛みや腫れがみられます。
自覚症状が少ないという特徴がありますが、ひどくなってしまうと睾丸に膿がたまって、太ももの付け根まで痛みや腫れを感じることもあります。
女性
女性の場合は、まず子宮頸管に炎症が起こることが多く、下腹部痛や出血、性行為の際の痛み、肝臓周辺までにも炎症などの症状がみられることがあります。
放っておくと不妊症や子宮外妊娠、流産等の原因になることもあります。また妊婦が感染している場合は、出産時に子供に感染する可能性があります。
男性同様、多くの場合自覚症状はありませんが、何よりも早期発見、早期治療が大切なため、気になることがある場合は早めに医師に相談しましょう。
- 丸善クリニック「クラミジア」(http://www.seisinkai.com/8.htm,2017年8月9日最終閲覧)
- 東京都感染症情報センター「性器クラミジア感染症」(http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/chlamydia/,2017年8月9日最終閲覧)
- 加古川医師会「No.52急増しつつある産婦人科クラミジア感染症」(http://www.kakogawa.hyogo.med.or.jp/memo/急増しつつある産婦人科クラミジア感染症,2017年8月9日最終閲覧)
クラミジア感染症の検査方法と治療法
クラミジア感染症の検査は、男性と女性で方法が異なります。男性は血液検査と尿検査、女性は子宮口の分泌物を採取して検査を行います。
検査の結果が陽性であれば必ず治療が必要です。抗生物質の服用を1~2週間程度した上で、再度検査を行い、このときに陰性であれば治療は終了です。
しかし、パートナーも感染の可能性があるため、検査・治療は必ず2人とも行い、お互いに再感染しないよう注意しましょう。
- 山の手クリニック「クラミジア」(https://www.y-cn.jp/std/chlamydia.html,2017年8月8日最終閲覧)
- 丸善クリニック「クラミジア」(http://www.seisinkai.com/8.htm,2017年8月8日最終閲覧)
妊娠中にかかった場合、赤ちゃんへの影響はある?
妊婦が感染に気付かず、あるいは治療途中に出産した場合、出産時に産道で赤ちゃんが感染することがあります。
感染した場合には、新生児が結膜炎や肺炎を起こしやすくなります。産道感染の確率は20~40%といわれ、結膜炎の場合はひどい目ヤニ、肺炎の場合は鼻水や咳の症状が出ます。どちらにしても生後数週間のうちに症状が出てきます。
熱がでることはほとんどないものの、肺炎を繰り返したり、呼吸機能障害を起こしたりする可能性があるため注意が必要です。
母体への影響
母体への影響は特に通常の感染の場合と違いはありません。特に女性においては感染してもあまり症状が出ない人も多いようですので、自覚症状が無い場合も少なくないでしょう。
症状が出る場合は患部の痛みやおりものの増加、性交の時の痛みなどが生じます。気になる場合には妊婦健診などの際に相談してみましょう。
妊娠中の薬の服用について
妊娠中にクラミジア感染症を発症した場合も抗生物質を服用して治療を行います。このときかかりつけの産科医に必ず相談して医師の指示のもと薬を服用してください。また自己判断で薬を中断すると、悪化の原因になるのでやめましょう。
クラミジア感染症は、1~2週間程度の抗生物質の服用で十分な効果が期待できるものの、不十分な投薬だと再発、再燃しやすいとされているため、治療後も安心せず確認の検査等が必要です。
- 国立感染症研究所「性器クラミジア感染症とは」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/423-chlamydia-std-intro.html,2017年8月8日最終閲覧)
- 山の手クリニック「クラミジア」(https://www.y-cn.jp/std/chlamydia.html,2017年8月8日最終閲覧)
- 大阪府「大阪府エイズ・HIV情報」(http://www.pref.osaka.lg.jp/chikikansen/aids/jouhou.html,2017年8月8日最終閲覧)
- 丸善クリニック「クラミジア」(http://www.seisinkai.com/8.htm,2017年8月8日最終閲覧)
- 性の健康医学財団「妊娠中の性感染症に関する実態調査」(http://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/04/108_20170412-1.pdf,2017年8月8日最終閲覧)
- 加古川医師会「No.52急増しつつある産婦人科クラミジア感染症」(http://www.kakogawa.hyogo.med.or.jp/memo/急増しつつある産婦人科クラミジア感染症,2017年8月8日最終閲覧)
- 東京都感染症情報センター「性器クラミジア感染症」(http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/chlamydia/,2017年8月8日最終閲覧)
- 山口県感染症情報センター「クラミジア肺炎」(http://kanpoken.pref.yamaguchi.lg.jp/jyoho/page5-7/page5-7-18.html,2017年8月8日最終閲覧)
- 山の手クリニック「クラミジア」(https://www.y-cn.jp/std/chlamydia.html,2017年8月8日最終閲覧)
- 山口県感染症情報センター「クラミジア肺炎」(http://kanpoken.pref.yamaguchi.lg.jp/jyoho/page5-7/page5-7-18.html,2017年8月8日最終閲覧)
クラミジア感染症は早期治療が大切です!
クラミジア感染症は感染すると、性器以外ののどへの症状や女性の場合は不妊にもつながりやすくなります。また妊娠中は赤ちゃんにも影響を及ぼすことがあります。
どちらにしても早期治療がとても大切です。クラミジアに感染したかもと思うような症状があれば、また症状がなくてもパートナーが変わったら病院を受診して検査をしましょう。