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「子どもはペットではない」反対する実父
特別養子縁組をしようと動き出した夫婦。しかし、実父には反対されます。子どもを育てることはペットを飼うこととは違う。中途半端な気持ちではできないというのが実父の考えでした。
特別養子縁組に対してネガティブなイメージを持っている実父の様子に悲しい気持ちになった妻。
実父は子どもが苦手なわけではなく、妹が出産したときには本当に幸せそうにしていたのだといいます。血のつながった孫ならうれしいのに、特別養子縁組で迎え入れる孫は受け入れられない?そんな思いが妻が納得できない背景にはあったようです。
そんなとき、なぐさめて、応援してくれたのは2児の母になった妹でした。
「全部、私が先だと思っていた」
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いつも姉である妻の背中を追っていた妹。妹よりも少し早く結婚式を挙げ、赤ちゃんも自分の方が先だと思っていました。しかし、妹が妊娠したことを聞き、喜ぶことができなかったかつての妻。
妹に背中を見せ続けていたのに、先を越されたことにショックを受けていました。
姉妹という関係の中で「いつもお姉ちゃんが先」という無意識のこだわりがあったのかもしれません。そんな中で「妊娠」という自分の意志だけではどうしようもない部分で妹が先だったことは、想像以上にダメージになったように読み取れました。
妹の出産への複雑な思いは少しずつ変化していった
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妹の出産報告を喜ぶ余裕がなかった、かつての妻。しかし、いざ生まれてみると姪っ子はとてもいとおしく、両親を喜ばせてくれた妹への感謝の気持ちもわきました。そして、母になった妹に対して尊敬の気持ちを持つようにもなったようです。
大人になり、妹との関係性には変化があったのですね。
このあと、冒頭にあった実父とのすれ違いにつながるのですが、実父は妻自身の幸せを願っていることには変わりがありません。息子の受け入れを決めた後には、実父の方から歩み寄るようなシーンも描かれていました。
特別養子縁組は、その決断をする夫婦だけではなく、その周囲にいる家族にとっても「家族を迎え入れる」という大きなできごとです。そんな選択に接した家族の思いをていねいに描いた本作は、家族について考えてみたい方におすすめの作品です。
イラスト:くまの広珠