©ママリ
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「一緒に行こう」この一言で始まった、娘との日々
娘・ユイちゃんに何とか学校へ行ってほしい一心で、「一緒に行こう?」と声をかけた、わたし。「玄関まで」という約束のはずが、泣きわめくユイちゃんに言われるがまま、教室の前…教室の中…そして、ユイちゃんの席まで行くことに。しかも、席の隣の床が、自分の定位置になるとは、このときは思ってもいなかったそう。
ユイちゃんが授業に集中したのを見計らい、こっそり教室から抜け出すのが日課に。ついには仕事にも支障が出始め、リモートワークに切り替えます。
上司の一言でハッとした
午前10時半のダッシュの後、家でPCの前に座っても、頭は教室のユイのことでいっぱい。ちゃんと座ってるかな、泣いてないかな…。そんな思考が渦巻き、精神的な疲労はピークだった。
そんなある日の午後、上司との週に一度の1on1ミーティング。いつも優しい上司に、私は今日も愚痴をこぼした。
私「……今日も二限目の途中まで教室にいて、ユイが集中したのを見計らって抜け出してきて……毎日が脱出作戦みたいで……」
力なく笑う私に、上司はその日、少し考え込むような表情でこう言ったのだ。
上司「……でもそれって、お母さんがやらなきゃいけないことなんですかね? 学校に任せればよくないですか?」
私「えっ……?」
予想外の言葉に思考が止まる。お母さんがやらなきゃいけないこと? 学校に任せる? ※1
今まで、ユイちゃんが学校に行けないのは「自分のせい」だと思い込み、母親である自分が何とかしなければいけない…と思い込んでいた、わたし。そのため、誰かに頼る・任せる、という発想はありませんでした。上司の一言で、自分の視野のせまさに気づかされたそうです。
そして翌朝…いつもより早めに家をでて、学校の玄関でメンタルケアの先生に声をかけます。
緊張の一瞬…母が勇気をだして「SOS」
声は緊張で震えていたかもしれない。
先生はにこやかに
「どうかなさいましたか?」
私は必死でこれまでの経緯、毎日の付き添いが限界なこと、そして学校を頼りたいという強い思いを説明し、覚悟を決めお願いを切り出した。
「下駄箱までユイを連れてきますので、そこからのケアを先生にお願いできませんでしょうか…?」
言ってしまった…!先生はどんな反応をするだろうか。
やっぱり遠回しに断られるかもしれない。先生だって忙しいのだ。一人の生徒のために毎日時間を割くなんて、普通に考えたら無理なお願いだ。
固唾を飲んで、先生の言葉を待った。すると先生は、私の話を真剣な表情で最後まで聞き、ふわりと微笑んで予想もしなかった言葉を口にしたのだ。
「わかりました!やりましょう!」「お母さん、今まで本当によく頑張りましたね。大変だったでしょう。これからは私に任せてください。下駄箱でユイさんを預かります。一緒に教室まで行きましょう!」 ※2
とても心強い返事をもらうことができましたね!これからの学校生活に、一筋の希望の光が見えた瞬間だったそうです。
このあと、ユイちゃんは行ける日・行けない日を繰り返しながら、1学期を終えます。そして、夏休み明けの数日後…初めて「一人で学校に行ってくる」と言います。長い、母子登校から前進した瞬間でした。
子育てをする中で、さまざまな悩みを抱えることがあります。一人で抱え込む前に、「助けてほしい」と、まわりを頼る勇気をもつことはとても大切ですね。同じように悩む親にとって、とても参考となるエピソードです。










