©ママリ
商品券…。その言葉が出た瞬間、私の体はこわばりました。やっぱり、あの件だ。
ユウコ「…見つかったの」
ハルコ「え…?」
見つかった?聞き間違いだろうか?
ハルコ「ほ、本当…?どこにあったの?」
ユウコ「それが……その……ココナの習い事のバッグの中に……紛れてて……」
ハルコ「えっ…?習い事のバッグ?」
ユウコ「うん……今日、そのバッグの中整理してたら、奥の方から出てきて……」
子供の習い事のバッグ…?どうしてそんなところに?
ユウコ「たぶん…あの日、カウンターの上に置いてあったバッグも置いていて。私が無意識に入れちゃったんだと思う…他の書類か何かと間違えて…」
そう言って、ユウコさんは言葉を続けました。
ユウコ「本当に……ごめんなさい……!」
その声は、震えていました。 ※1
「商品券、見つかった」ママ友からの謝罪
「商品券が見つかった」と連絡を受けた、ハルコ。あんなに疑われ、ツラい思いをしたのに…いくら謝罪をされても、ハルコが受けた精神的苦痛は簡単には和らぎません。
ユウコからの涙ながらの謝罪は続き、最後にはとんでもないお願いをされます。それは…。
正直、虫がよすぎる…ママ友からの提案
しばらくの沈黙の後、ユウコさんが言いました。
ユウコ「あの……明日からはまた、これまでみたいに仲良くしていただけますか?」
ハルコ「え……」
その言葉に、私は少し戸惑いました。普通に、仲良く?
あれだけの対応をされて、これまでのようにできるだろうか。
正直、自信はありませんでした。
心の中には、ユウコさんに対する不信感や、恐怖心が残っています。
でも、ここで「無理だ」と突き放すのも違う気がしました。ユウコさんは、きちんと自分の非を認めて謝ってくれた。そして、メイとココナちゃんの関係を考えれば、親同士が険悪なままなのは良くない。
ハルコ「…うん。そうだね。私も、そうしたいよ」
そう答えるのが、精一杯でした。本心からそう思えたかというと、まだ複雑な気持ちが残っていましたが…。 ※2
これらも毎日、保育園で顔を合わせること…。子ども同士の関係性を考えると、ユウコの申し出を受けたほうがよさそうです。ですが、ハルコにとっては、複雑な気持ちで、すぐに許すことはできませんよね。
そして翌朝…。改めて、保育園で顔を合わせたハルコとユウコは…。
表面上だけの付き合いへ
改めて謝罪するユウコさんに、私はできるだけ穏やかに答えました。周りに他のママさんたちもいましたが、特にこちらを気にする様子はありません。
ユウコ「また…遊んでくれると嬉しいな」
ハルコ「うん、そうだね」
そう答えながらも、私の心の中はまだ少し複雑でした。。正直な気持ちを言うと、もうユウコさんと2人きりで深く関わるのは、少し怖いと感じていました。今回の件で、思い込みの激しさや、感情的になりやすい一面を見てしまったからかもしれません。
もちろん、ユウコさんが心から反省しているのは伝わってきました。そして、人間誰しも間違いはあるとも思います。一方で、一度失った信頼を完全に取り戻すのは、時間がかかるのかもしれません。
この経験を通して私が学んだのは、ママ友と2人きりでの関わりはとくに注意が必要だということ。そして、自分の気持ちをはっきり伝えることの大切さです。
ユウコさんとは今後も保育園で会えば挨拶もするし、立ち話もするでしょう。子どもたち同士が親しい限り、公園などで遊ぶこともあると思います。でも、2人きりで閉鎖的な空間で話したり、お互いの家に行ったりするのは控えるつもりです。これが、一番心地の良い距離感だと感じます。
勝手だと思われるかもしれないけれど、自分を守るために距離を置かせてもらう。それは、決して悪いことではないはずです。今後の関係性は、時間をかけてゆっくり修復して深まるかもしれないし、少し形の違う関係性になっていくのかもしれません。お互いに心地よく穏やかでいられるなら、関係性は変化してもいいと思います。 ※3
今回のママ友トラブルで学んだ通り、お互いの家を行き来するのは、トラブルの元になってしまうこともあります。よく知らない相手とは、あいさつを交わしたり、立ち話をしたりする程度にとどめておくことも必要かもしれません。適度な距離を保って付き合いをすることは、お互いにいい関係を築く上でも大切なことですね。
改めて、ママ友との関係について、考えさせられる作品です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
サムネイルイラスト:まい子はん










