Ⓒママリ
🔴【第1話から読む】まさかのPTA役員選出…くじ引いて「えっ…私が?」地獄の1年の始まり
本格的に役員会が始まりました。皆に追いつこうと頑張りますが、他の役員メンバーが自分の知らないところで交流していると知ります…。その壁はとても冷たくて分厚いのだと思い知らされるのでした。
皆に追いつきたい…とにかく必死だった
役員の活動が本格的に始まって、数週間が経ちました。定例会にも慣れ、LINEでのやり取りも日常的になってきました。
私は、少しでも早くみんなに追いつこうと、自分なりに努力を続けていました。
「輪」の外にいると確信した日
そんなある日の定例会でのことです。
Aさん:「そういえば、この前の、駅前に新しくできたパンケーキ屋さん、すっごく良かったよね! ふわっふわで、写真映えもよくて!」
Bさん:「うんうん! あそこのクリーム、絶品だったよね! また行こうよ!」
Cさん:「そうね、今度はランチも食べてみたいわ。テラス席も気持ちよさそうだったし」
3人は、私には全く知らない話題で、キャッキャと盛り上がっています。私以外の3人が、プライベートでも頻繁に交流していることを、私はその時初めて知ったんです。私の知らないところで、彼女たちの間には、もう一つの、固く結ばれた「輪」ができている。そのことに気づいた瞬間、
「へえ、楽しそうですね…!私も行ってみたいな」
私は、なんとか笑顔を作り、声が震えないように気をつけながら、会話に入ろうと試みました。するとAさんが、ちらりと私に視線を向けました。その目は、どこか冷ややかに見えました。
Aさん:「ああ、駅の向こう側だから、はるかさんのお家からはちょっと遠いかもね。」
そう言って、彼女はすぐにBさんとCさんとの会話に戻ってしまいました。その言葉は、まるで「あなたは来なくていい」と、やんわりと、しかし確実に告げているように聞こえました。BさんとCさんも、Aさんの言葉に特に何も言わず、楽しそうにパンケーキの話題を続けています。誰も、私に「今度一緒に行こうよ」とは言ってくれませんでした。
彼女たちの壁に気づいてしまった瞬間から、会議室の空気は、私にとって重く、息苦しいものに変わってしまいました。それでも私は、どうにかしてその壁を乗り越えようと努力しました。定例会では、誰よりも早く会議室に行き、お茶の準備をしたり、資料を配ったり。ささいなことでも「ありがとう」「助かります」と感謝の言葉を伝えることも心がけました。
厚く冷たい壁
愛想良く挨拶を交わし、彼女たちの会話に、たとえ内容が分からなくても、無理やり笑顔で相槌を打ち続ける。そうすれば、きっといつか、この見えない壁もなくなって、彼女たちとも打ち解けられるはず。
一年間という限られた時間。その役員活動を終えるころには、きっとみんなと仲良くなれているはず──。
そう、私はまだ、信じようとしていたんです。自分にそう言い聞かせなければ、心が折れてしまいそうだったから。
しかし、この見えない壁は、私の想像以上に厚く、そして冷たいものだったのです。
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「大人な対応」ができない人にどう立ち向かう?
この作品は、ママリユーザーの体験談から再編した作品です。はるかさんは、幼稚園で役員をやることになり、そこで人間関係のトラブルに巻き込まれます。
役員のメンバーははるかさんに対して、露骨な仲間外れや無視をしていました。はるかさんは役員会のメンバーに対して、不信感を抱くように…。大人になってからの仲間外れや無視は、関係性が複雑になります。誰に相談すればよいか、どんな対処が必要か、わからなくなってしまうことがあるかもしれません。
本作でははるかさんのさまざまな体験を通じ、いわゆる大人の対応の大切さを感じるとともに、大人の対応ができない人と、どう付き合っていくべきかを考えさせられます。「自分ならどうするか」考えつつ、はるかさんを応援したくなる体験談です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
イラスト:まい子はん