Ⓒママリ
🔴【第1話から読む】まさかのPTA役員選出…くじ引いて「えっ…私が?」地獄の1年の始まり
幼稚園のPTAで知り合ったママ友から嫌がらせをうけているはるかさん。夫にこの悩みを打ち明けるか悩んでいました。
夫にも言えない、いじめの事実
心が限界に近づいているのを感じながらも、私は誰にも本当の苦しみを打ち明けられずにいました。特に、一番近くにいるはずの夫、健也にさえ、この状況をうまく説明することができなかったのです。健也は、私が役員活動で疲れていることは、お遊戯会の件でも気づいていました。
健也:「はるか、大丈夫か? 最近、顔色が悪いぞ。役員の仕事、また大変なのか?」
その優しい言葉に、何度も「実はね…」と打ち明けそうになりました。でも、いざ口を開こうとすると、言葉が喉の奥でつかえてしまうのです。
「幼稚園のママたちに、無視されてるの」 「仲間はずれにされて、つらいの」
そんなことを言って、彼を困らせたくない。心配させたくない。それに、何よりも、大の大人が、まるで中学生のようないじめを受けているなんて、彼に信じてもらえないと思いました。でも、もうこれ以上抱え込むことはできません。
理解されない孤独と不安
ある晩、里奈が寝た後、私は意を決して夫に話すことにしました。
はるか:「…健也さん。あのね、役員のことなんだけど…」
健也:「うん、どうした?」
はるか:「実はね…他の役員の人たちと、あんまり、うまくいってなくて…。なんだか、私だけ、避けられてるような気がして…」
そこまで言うのが精一杯でした。声は震え、涙がこぼれそうになるのを必死で堪えました。夫は私の言葉を聞いて、少し困ったような、でも優しい顔で言いました。
健也:「そっか…。女同士っていろいろあるっていうもんな。でも、もう大の大人なんだし、真面目に仕事をこなしていれば、相手が何かしてきても無視でいいんじゃないのか?」
大の大人なんだし…?やられた方が気にせず無視してってこと…?
彼は、私の苦しみを、よくある「女同士の些細なトラブル」程度にしか捉えていないようです。私は、それ以上何も言うことができなくなりました。健也は、私のそんな様子に気づかず、「まあ、もう冬だし。あと少しで解放されるよ」と、私の肩をポンと叩きました。夫に悪気はないのはわかります。その手はひどく冷たく感じられました。
孤独の底で見つけた小さな抵抗の意志
違う、そうじゃないんだ。私が求めているのは、そんな表面的な励ましじゃない。ただ、「辛かったね」と、私の痛みに寄り添ってほしいだけなのに。その夜、私は夫の隣で、声を殺して泣きました。
同時に、心のどこかで、かすかな怒りの炎が燃え始めているのも感じていました。なぜ、私がこんな思いをしなければならないの? なぜ、あの人たちは平気な顔をしていられるの?このまま、泣き寝入りなんてしたくない。
一人で悩みを抱え込む日々。それは、私の心を蝕んでいくと同時に、私の中に眠っていた、ささやかな「抵抗」の意志を、少しずつ育てていくことにもなったのです。しかし、その抵抗が形になるまでには、もう少しの時間と、決定的な出来事が必要でした。
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「大人な対応」ができない人にどう立ち向かう?
この作品は、ママリユーザーの体験談から再編した作品です。はるかさんは、幼稚園で役員をやることになり、そこで人間関係のトラブルに巻き込まれます。
役員のメンバーははるかさんに対して、露骨な仲間外れや無視をしていました。はるかさんは役員会のメンバーに対して、不信感を抱くように…。大人になってからの仲間外れや無視は、関係性が複雑になります。誰に相談すればよいか、どんな対処が必要か、わからなくなってしまうことがあるかもしれません。
本作でははるかさんのさまざまな体験を通じ、いわゆる大人の対応の大切さを感じるとともに、大人の対応ができない人と、どう付き合っていくべきかを考えさせられます。「自分ならどうするか」考えつつ、はるかさんを応援したくなる体験談です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
イラスト:まい子はん










