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「でも…ユイと出会って、俺は本気でユイと結婚したいと思った。だから、サダコさんとの関係は終わらせようと思ったんだ。何度も、何度も、彼女に別れを告げた」俊太は、懇願するように私の顔を見上げました。しかし、彼の言葉は、私の心を全く動かしませんでした。
「ウソ! 結婚した後も、子どもが生まれた今も、あなたの方からもメッセージを送ってるよね?続ける意思があったんだよね?」
私の問いに、俊太は再び沈黙しました。その沈黙が、彼の言葉の全てが嘘であることを物語っていました。
「…結婚した後も…関係は続いてた。ユイが妊娠中も、ヒナが生まれて里帰り中にも会ってた…」
彼の口から、信じがたい言葉が飛び出しました。私は、耳を疑いました。私が、おなかのヒナを守るために、つわりと闘いながら、必死に頑張っていた時。産後の身体で、慣れない育児に奮闘していた時。その裏で、彼は、他の女と関係を持っていたというのか。 ※1
許せない…妻が大変な時期に、夫は…
幸せだと思っていた日常が、崩れ去ってしまいました。妻・ユイさんが、出産と育児で大変だったときに、夫は外で不貞行為に及んでいたなんて…。信じられない裏切り行為に、怒りで震えます。しかも、相手の女性・サダコとの関係は、結婚する前から続いていたのです。
いくら謝罪されても、許すことができません。ユイさんは、今後についてどうするべきか、何度も何度も、頭の中で考えます。当然、離婚も考えたそうです。傷つき、憔悴しきっていたとき、夫が自分の罪を両親に告白。すると、すぐに義両親が駆けつけます。
あ然…義両親の「とんでもないお願い」を受け入れられる?
「ユイちゃん、本当に申し訳ない。俊太がとんでもないことをして…」義母は、私の手を握り、涙ながらに謝ってくれました。義父もまた、深く頭を下げていました。「ユイさん、ヒナちゃんのためにもどうか冷静になってほしい。俊太は、二度とこんな過ちは繰り返さないと誓っている。どうか、もう一度チャンスを与えてやってほしい」義両親の必死な懇願と、俊太の心からの謝罪。そして、何よりもパパやじいじ・ばあばが大好きなヒナの顔を見ていると、「この子から父親を奪っていいのか」という思いが頭をよぎりました。
確かに、ここで感情的に行動しても、何も良いことはない。冷静になって考えれば、私自身も傷つくだけだ。戦う選択は、一旦思いとどまることにしました。私自身も、これ以上心をすり減らすのは限界だったからです。
しかし、俊太を許したわけではありません。私の心の中に残る、深い傷は癒えることはないでしょう。そして、サダコへの憎しみも。復讐は一旦保留にしたけれど、このまま何もしないでいるわけにはいきません。 ※2
義両親からの説得と、そして何より、愛娘・ヒナちゃんのことをいちばんに考え、離婚を踏みとどまったユイさん。
しかし、ユイさんが受けた心の傷は、決して癒えることはありません。娘と自分のために、復讐は保留にしますが、このまま何も行動しないわけにはいきません。裏切られた側だけが傷つき、裏切った側は何もないなんて、理不尽ですね。
やっと見つけた!不倫夫への復讐方法
長期間にわたって私を裏切り続けた夫と、まったく反省の色がない不倫相手。拭いきれないモヤモヤと理不尽さへの怒り。このままでは、私の心が壊れてしまう。そう思った私は、何とかしてこの状況を打破する方法はないか、必死に模索し始めました。
「私が何をしたっていうのか。このまま泣き寝入りなんて、絶対に嫌だ」そんな思いで、ある晩、私は何気なくSNSを見ていました。すると、目に飛び込んできたのは、私と同じように不倫に苦しんだ人たちの投稿でした。彼女たちの体験談を読んでいると、ある共通の解決策が目に入ってきました。
「離婚をしなくても、慰謝料は請求できる」
その言葉を見た瞬間、私の胸に希望の光が差しました。そうだ、離婚だけが全てじゃない。夫婦生活を継続しながらでも、相手女性や夫に、彼らの罪の重さを思い知らせる方法があるんだ。 ※3
偶然目にしたSNSで、不倫をした夫と相手女性へ慰謝料を請求することができると知ったユイさん。一筋の光が見えた瞬間でした。
このあと、ユイさんはさっそく弁護士に相談。すると、慰謝料の請求は可能なこと、話し合いの場にユイさんの代理人として、弁護士が参加できることなどを知ります。
ユイさんは最終的に200万円の慰謝料を手にします。そして、夫には「GPSで位置情報の共有と、スマホのパスワードの共有」という誓約書にサインさせ、再スタートを切ります。
娘のために、離婚はしなかったユイさん。離婚をしても・しなくても、どちらにせよ、ユイさんが傷ついた事実は変わりません。ですが、自分で選んだ道に後悔はないそうです。母として、とても強いユイさんの姿に、エールを送りたくなる作品です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










