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「夫の不倫で、相手の女性と夫に制裁を与えたいんです。でも、離婚はしたくない…それでも慰謝料を請求することはできるんでしょうか…?」
私は、震える声で、これまでの経緯を全て話しました。俊太がサダコと出会う前から関係があったこと、結婚後も私が妊娠中や里帰り中に密会していたこと、そして、私が問い詰めた時のサダコの軽薄な態度。弁護士の先生は、私の話を全て聞き終えると、穏やかな口調で言いました。
「はい、可能ですよ。夫婦関係を継続する場合でも、不貞行為によって精神的苦痛を被ったとして、相手方や配偶者に対し、慰謝料を請求できます」その言葉に、私は救われた思いがしました。そして、先生は続けます。
「相手の女性の自宅に訪問し、直接話し合いをすることも可能です。その際、弁護士が同席することで、相手も真剣に対応せざるを得なくなります。場合によっては、その場で示談交渉を進めることもできるでしょう」 ※1
思い切って、弁護士に相談!
夫は長い期間、ユイさんを裏切っていました。ですが、ユイさんは娘のために、離婚しないことを決意。そして、慰謝料を請求することにしたのです。
弁護士の先生のおかげで、不倫をした夫と相手の女性へ、自分のしたことの罪の重さを思い知らせる準備が整いました。そしてついに、対決のときがやってきます…。
直接対決へ!不倫女の態度がありえない…
その後、弁護士の先生が間に入り、俊太とサダコとの話し合いの場が設けられました。場所は、弁護士事務所の会議室。私は、弁護士の先生の隣に座り、俊太とサダコを真正面に捉えました。サダコは、私の顔を見るなり、一瞬ひるんだように見えました。いつものどこか余裕そうな態度はなく、どこか怯えているようにも見えます。俊太は、私の隣で、ただ俯いているだけでした。
弁護士の先生が、穏やかな口調で、しかし毅然と話し始めました。「本日は、坂本ユイさんの代理人として、皆様にお集まりいただきました。お二人の間の不貞行為により、坂本ユイさんは多大な精神的苦痛を受けております。つきましては、相応の慰謝料を請求させていただきます」その言葉を聞いた途端、サダコの顔色が変わりました。
サダコ:「ちょ…ちょっと待ってください!慰謝料って…? 私たちは、もう関係を終わらせています。俊太くんも、奥さんと仲直りしたって言ってたし…」
彼女は、明らかに動揺していました。そして、私に視線を向け、まるで被害者であるかのように言いました。
サダコ:「ユイさん、いきなり弁護士さんまで連れてきて、どういうつもり? 結局、お金が目当てなんですか?」
その言葉に、私の怒りは頂点に達しました。よくもそんなことが言えるな、と。 ※2
自分のしたことは棚に上げて、ユイさんを責めるなんて…。そんな資格、不倫をしたサダコにはないはずです。
ですが、ここは冷静に、弁護士の先生が対応します。
ド正論で追い詰められる不倫女
「奥様が受けた精神的苦痛は、お2人の不貞行為によるものです。関係を解消したかどうかは、慰謝料請求とは別の問題です。それに、あなたが、妊娠中や産後の奥様を裏切り、ご主人の弱みに付け込んで不貞行為を継続した事実は、大変悪質であると言わざるを得ません」先生の言葉に、サダコは言葉を失いました。そして、ついに、本性を現したかのようにこう言います。
「け、結局、お金ね! それなら、うちの旦那も被害者よね?バラしたら俊太くんも不利になるんじゃないの?」その言葉に、私は冷静に、しかし、はっきりと告げました。「本当にいいんですか? 旦那さんやお子さんに、私と同じような思いをさせることになりますよ」するとサダコの顔から、みるみる血の気が引いていきました。彼女の目には、明らかに動揺と恐怖の色が浮かんでいました。私の言葉が、彼女の核心を突いたのです。 ※3
サダコは何も考えていないのでしょうか?相手の家庭を壊したこと、さらに、自分の夫と子どもを裏切る行為をし、大切な家族を失うかもしれないことを…。不倫をするような人たちの考え、まったく理解できませんね。
このあと、ユイさんは弁護士の力添えもあり、無事に慰謝料200万円の支払いに合意させます。そして、夫には「GPSとスマホのパスワードの共有」という誓約書にサインさせ、再構築への道を歩み始めます。
ユイさんは、今回の騒動を振り返って「自分とわが子のために、したたかに歩んでいきたい」と、つづっています。母として、とても強いユイさんに、エールを送りたくなる作品です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










