私の日常と、友人の影
はじめまして。坂本ユイ、27歳です。夫の俊太は34歳です。かわいい2歳の娘、ヒナと3人で、慎ましくも幸せな毎日を送っていました。そう、あの事実を知るまでは。
私の夫、俊太は、一見するとどこにでもいる普通のサラリーマン。穏やかで、ヒナを溺愛する優しいパパ。私が「もう、パパったら!」と呆れるほど、家事にも協力的でした。
「ユイ、今日はヒナをお風呂に入れるよ。君はゆっくりしてて」そう言って、俊太はヒナを抱き上げ、バスルームへと向かいます。ヒナの楽しそうな笑い声が、浴室から聞こえてきます。その声を聞きながら、私は「ああ、幸せだな」と、心からそう思っていました。俊太はバツイチで、私にとっては初めての結婚。だからこそ、俊太が「二度と離婚はしたくない」と常々言っていた言葉を、私は信じて疑いませんでした。
夫が不倫…しかも相手は夫の友人
私たち夫婦の関係は、順調だと思っていました。だけど、心のどこかに、小さな、ごくわずかな引っかかりがあったのも事実です。俊太が、時折、私に隠れてスマホを操作しているような、妙な気配を感じることがありました。すぐに画面を伏せたり、私が近づくと慌ててロックをかけたりする。気のせいかな、と最初は思っていました。まさか、そんな、夢にも思わないことが起きているなんて。
俊太と私が出会う前から彼の友人だった、サダコ。42歳、既婚者で、確か子どももいたはずです。俊太の友人の一人という認識しかありませんでした。私と俊太の結婚式にも、友人として参列してくれていましたし、ヒナが生まれた時には、ご夫婦で出産祝いまで持ってきてくれました。
その時、私も一度、彼女に会っています。朗らかな笑顔で、「俊太くん、ユイちゃんと結婚できて本当に良かったわね! ヒナちゃんもかわいい!」なんて言ってくれていた、あのサダコが。まさか、あのサダコが、私の夫と、そんな関係だったなんて。
全ては、ある日、偶然目にしてしまった俊太のスマホに残されたメッセージから始まりました。それは、私が出産後、実家に里帰りしていた時のもの。送り主は、やはりサダコでした。
「会いたいよ。ユイちゃんいない今しかチャンスないのに」
私はそのメッセージを読んだ瞬間、頭が真っ白になりました。震える手でスクロールすると、そこには、とても友人同士とは思えない、親密なやり取りが延々と続いていたんです。私に向けられたものではない、俊太の甘い言葉。そして、サダコからの、煽るような返信。心臓がバクバクと音を立て、胃の奥からこみ上げる吐き気に襲われました。
夫の表情が真実を物語る
まさか。そんなはずはない。 だけど、画面に映し出された文字は、紛れもない現実を突きつけていました。私は、その夜、一睡もできませんでした。翌日、俊太が帰宅するなり、私は震える声で尋ねました。
「ねえ、俊太。これなに?」
スマホの画面を、俊太の目の前に突きつけました。俊太の顔から、みるみる血の気が引いていくのが分かりました。彼は何も言えず、ただ、がたがたと震えていました。その姿を見て、私は確信しました。これは、私が想像していたよりも、ずっと根深い問題なのだと。私の平凡で幸せだった日常は、音を立てて崩れ去っていきました。
🔴【続きを読む】「妊娠中も、里帰り中も…」夫が吐き出した“地獄の不倫告白”に、私の人生は音を立てて崩れ落ちた
あとがき:不倫に屈しない母親の強さ
この作品は、ママリユーザーの体験談から再編した作品です。主人公であるユイさんは、ある日夫である俊太の不倫の事実を知ります。育児や家庭に積極的に参加する俊太の不倫に深く傷つきます。
ユイさんは様々な観点で悩んだ末、弁護士の力を借りて不倫相手へ慰謝料を請求することに。さらに、俊太には厳しい条件を付けて婚姻関係を継続することを選びます。一見、夫を許したように見えるユイさんですが、実際にはわが子の生活や今後のことを考えた中で苦しい選択をしたにすぎません。たった一度の過ちだとしても、夫婦間の信頼を取り戻すことは困難です。どんな理由があろうと、パートナーからの裏切りは深い傷を残します。
本作では、ユイさんの葛藤を通して、不倫された側の苦悩が描かれています。そして、母親としてわが子を守るために、決断をしたユイさんの強さを見ることができます。不倫という身勝手な行為への腹立たしさと、母親としてわが子を思う気持ちに、ユイさんを応援したくなるような作品です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
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