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「誰の子?」妊娠検査薬で陽性…35歳不倫妻に突きつけられた残酷な現実|不倫して夫に親権を取られました#3

前沢里子は、市役所で働く35歳。息子・マモルを出産後、夫・信男のモラハラとワンオペ育児に追い詰められ、不倫へと走ってしまいます。ある日、信男から「お前、不倫してるだろ」と追求された里子は…。ワンオペ育児の苦悩と不倫の代償…そしてそこから立ち直っていく主人公の心の機微を描いた作品。『不倫して夫に親権を取られました』第3話をごらんください。

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🔴【1話から読む】夫の「不倫してるだろ?」その一言で、私の人生は音を立てて壊れた

信男から家を追い出された里子は、生理がきていないことに気づきます。いそいで、妊娠検査薬を使ったところ、陽性反応が…。おなかの子どもは、信男の子か不倫相手の子どもか分からず、途方にくれた里子は…。

そういえば、生理がきていない

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「うそ…でしょ」

私は、トイレでそのマークを目にして、ヒザから崩れ落ちた…。

信男に自宅を追い出され、とりあえず、ビジネスホテルに宿泊していた。 すると、突然の吐き気におそわれた。「気持ちの問題かな」と、思っていたが、私はあることを思い出したのだった。

「そういえば、生理がきてない…?」

「 まさか」とは思ったが、急いで薬局で妊娠検査薬を買った。 震える手で検査薬を試すと、くっきりと陽性反応が出た。 妊娠をしていたのだ。

元々、子どもはできにくい体質で、マモルが妊娠した時は不妊治療に通っていたし、その時は体外受精で妊娠した。

油断していたのだ…。不倫相手と関係を持った時、避妊していなかった。正直、おなかの子どもが、信男の子なのか…それとも、不倫相手の子なのか分からなかった。

混乱する頭の片隅で、冷静な自分の声が聞こえた。

「シングルマザーで、2人の子どもを育てるのは無理だ」

「母親が有利」という弁護士の助言が本当なら、私はマモルの親権を得るかもしれない。しかし、おなかの子どもも育てなければならない…。

私一人で、2人の子どもを育てていく自信も、十分な経済力もない…。 私は、マモルの親権を信男…父親にすることに同意し、離婚に応じることにした。

不倫相手からの冷酷な言葉

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弁護士を介して信男に連絡すると、信男はあっさりと承諾した。

「俺は、マモルのために生きる。里子は、自分の子どもを育てればいい」

信男はそう言い、おなかの子どもの親権は私が持つことを認めてくれた。頼るつもりはなかったけど…一応、 不倫相手にも連絡をしてみた。

「あの、私、妊娠したみたいで…」

彼は私の話を途中でさえぎり、冷たい声で言った。

「は?知らないよ。お互い、息抜きだっただろ?もう俺に関わらないで」

そう言って、彼は電話を切った。それ以来、彼から連絡はこなかった。

「あはははは」

バカらしくて笑いが込み上げてくる。息抜き…。気の迷い?現実逃避。

わかっていたけど…「不倫相手」なんて、その程度の存在だ。けど、こんな風に突き放されると、改めて、私は自分の過ちのために、かけがえのない日々をうしなったのだと、思い知らされた。

自分で招いた、残酷な現実

橋 夜 PIXTA

離婚が成立した日、私は信男の家に荷物を取りに行った。 マモルは、私を見るとうれしそうに駆け寄ってきてくれた。

「ママ〜!お仕事おつかれさま!」

私はマモルを抱きしめた。

「マモル…」

私はマモルを抱きしめながら、涙を流した。

「ママ、どうしたの?おなかいたいの?」

マモルの純粋な問いかけに、私は何も答えることができなかった。信男は、マモルと私を交互に見つめていたが、うんざりしたような声で吐き捨てた。

「もう行けよ」

マモルは、私を見送る信男のうでの中で、ふしぎそうに手を振っていた。

「ママ、またお仕事?いつ帰るの?」

マモルがそう、信男にたずねている…。 もう、後ろを振り返ることもできず、あふれる涙を必死にぬぐいながら、足早にその場を離れた。不倫の代償は、あまりにも大きすぎた。

不倫なんかしなければ…こんなことにはならなかったのに。 私は、マモルをうしなった後悔を胸に、ただ歩き続けた。 気が付くと、橋の上にいた。橋の上から見下ろす川は黒くて、吸い込まれそうになった。

「死にたい」

そう、つぶやいた私のお腹を力強くけったのは、私の中でふくらんでいく、新しい命だった。

🔴【続きを読む】「母の不倫がきっかけで…」両親の離婚を経験した先輩が語る“当事者”としての苦悩

【全話まとめて読む】
不倫して夫に親権を取られました

あとがき:不倫の代償

信男から家を追い出された、里子。生理がきていないことに気づき、妊娠検査薬を使ったところ、妊娠が発覚します…。

不倫相手には、はっきりと「息抜きだった」と告げられ、さらには、マモルとの決別に直面した里子は、改めて不倫の代償の大きさに絶望するのでした。

物事に直面しないと、「実感ができない」ということは多々ありますよね。ですが、実際に、何かをうしなってからではもう遅い…という現実は、容赦なくおとずれます。マモルとの決別によって、深い後悔を胸に抱く里子の様子が伝わるエピソードでした。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています

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