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「私はモンペ?」息子を助けたい気持ちにブレーキ→悩んだ母が相談した相手|小さなSOS

主人公の仁美さんが、小学1年生の息子・優也の心に寄り添いながら「見えない問題」と向き合う物語です。ついに「やめてね」と伝える日。背中を押す夫。でも、本当にこのままでいいの?モヤモヤした気持ちを抱えたまま、私は頼れるママ友・ユキさんに電話をかけました。そこで聞いた言葉に、私は…。母・仁美さんの心を揺さぶる『小さなSOS』第3話をご覧ください。

Ⓒママリ/画像の生成にAIを使用しています

🔴【第1話から読む】小学1年生・吃音がある息子がいじめに?「意地悪するの…」幸せな毎日に“不穏な証言”|小さなSOS

優也に「やめてね」と伝えさせる日。迷う仁美は、頼れる先輩ママ・ユキに相談。信じる強さと親の役目を教えられ、先生への連絡を決意する。

朝の誓い、まだ揺れる心

悩む  PIXTA

翌朝、朝食を食べている優也に夫が言いました。

「優也、今日は言うんだぞ。怒らないで、優しく『やめてね』って言うんだ」

「うん…。やめてくれるかな?」

と、不安そうな優也に夫が

「大丈夫だよ。なんで嫌かを言えばやめてくれるよ」

と答えると、

「それでもやめてくれなかったら?」

と夫の目をまっすぐに見つめて聞く優也に、

「その時はパパとママの出番だよ。がんばれ。大丈夫だから」

そう言って出勤して行きました。考え込んでいる優也に、私も

「パパの言うとおりだよ。大丈夫だよ。翔くんもいるでしょ?」

と、声をかけると

「うーん…。うん!」

と頷いてご飯をかき込んでランドセルを背負う優也。どちらかというとランドセルが歩いているような、まだこんなに小さい子に一人で解決なんて荷が重すぎない…?親が出てもいいんじゃないの…?でも、それじゃモンペかもしれない。でも、初動をミスして大変なことになったら…。考えたくもありません。今日、翔くんママに電話して打ち明けることにしました。

助けて、ユキさん

女性 日本人 PIXTA

翔くんママ、ユキさんは中学生から年中さんまで、5人の子どもがいる先輩ママです。ユキさんと初めて話したのは、入園説明会の時。

「うちの子、4人目なんですよ~」

と笑いながら言ったユキさんに、私は思わず

「えっ、すごいですね!」

と声をあげてしまった。

末の娘さんを片手に抱き、もう一方の手で翔くんの荷物を持ちつつ、

「大丈夫です、慣れてますから~」

とさらっと言ったその姿が忘れられません。そんな人だから、今、ユキさんの声が聞きたい。出るべきか、見守るべきか。迷う私の、この気持ちを聞いてほしい。甘いかもしれないけど、私達親子の初めての試練に立ち向かう勇気がほしい。私は藁にもがる思いで、電話をしてみました。

「仁美ちゃんどーしたー?」

いつもの明るく元気な声に私は涙が出そうになり、詰まってしまった私に彼女は

「健太くんのことかな?」

と静かに言いました。一瞬、声が出ませんでした。驚きと、安心からです。そして、「やっぱり」とも。翔くんはユキさんに話していたんだ。

気づいて、見守ってくれていた

親子 PIXTA

私は

「実は優也が…」

と打ち明けました。ユキさんによると、翔くんは優也の気持ちに気づいてユキさんに相談したそうです。ユキさんは、当人同士でまず話す方がいいと判断し、よく優也を見ていてやれとアドバイスしたそうです。私に報告しなかったのは、育児に仕事にいっぱいいっぱいの私に、負担をかけまいという思いからだったそうです。そのかわり、優也と一緒にいろと言ってくれていたそうなのです。

モヤモヤがほどけていく

涙 PIXTA

実は、優也が意地悪された時、翔くんはどうしていたのか気になっていたのです。健太くんの話の時、翔くんの話があまり出なかったので不思議に思い、「翔くんはやめろって言わないの?」と聞くと、

「言わない。でも、あとで気にすんなって」

と。どうして…?とモヤモヤしていましたが、すべて腑に落ちました。

ユキさんは私たちを見守ってくれていたのです。私はひとりじゃなかった…

「仁美ちゃんはよくやってるよ。家庭に仕事に優也くんの療育も」

と優しく励ましてくれました。私は堰を切ったように泣いてしまい、優也のことを信じてはいるが相手の子に何かしたのではないか。今出ていったらモンペにならないか。自分の行動で優也の今後に支障が出ないか、何より優也が意地悪されて悔しいということ…。ユキさんは、うんうんと聞いてくれて、そしてはっきりと言いました。

「経験上ね、親が出ていかない方がいいこともあるよ。心配だけどね。優也くんを信じてやんなよ。あの子は意地悪するような子じゃないし、ちゃんと言えるよ。大丈夫だよ」

それにね、とユキさんは一呼吸置いて言いました。

「モンペじゃないか気にできるならモンペじゃないし、自分の子が大事なのは絶対だからさ。仁美ちゃんは優しいけど、もっと図太くならなきゃ!あたしみたいにね!」

と笑って言いました。言葉も出ませんでした。泣き笑いする私に、ユキさんも笑いながら言いました。

「見守る」だけじゃない親の役割

電話 日本人 PIXTA

「とはいえ、先生に確認しておくことは大事だね。先生がどう捉えているかは知っておかないとね。」

私はハッとしました。2人から話を聞いている先生はどう見ているのだろう。私は電話をする決心を伝え、お礼をよく言って電話を切りました。

ここからだ、私は影から優也を守るんだ。先生に聞いてみるだけ。それなら大丈夫。自分に言い聞かせました。

🔴【続きを読む】帰宅後すぐに泣き出した小1息子、ランドセルから出てきた“いじめの象徴”|小さなSOS

あとがき:あたたかい救いの手と私の決意

ひとりで抱え込むママに、差し伸べられた温かい手。

3話では、優也くんのことを思って悩み続けてきた仁美さんに、頼れる先輩ママ・ユキさんから心強いアドバイスが届きます。

「信じて見守ること」「必要なときに動くこと」――どちらも親にできる大切な選択。

ユキさんの言葉を受けて、仁美さんはついに先生への連絡を決意します。次回、優也くんの本当の気持ちがついに明らかに。

思わぬでき事に、家族の表情が凍りつく瞬間とは――?

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています

🔴【全話読む】小さなSOS

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