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🔴【第1話から読む】平穏な日常を送っていた主婦に異変…小1息子の友だちの"ある行動”が波紋を呼ぶ
毎日のように、自宅に訪れる、息子のクラスメート「けんや」にうんざりする、さつき。息子・りゅうとが不在でも、おかまいなしです。「ゲームがしたい」と、要求するけんやに、さつきは彼の真の目的を確信します…。
息子不在にも関わらず…
「ピンポーン」
まただ。もう慣れてしまった…というより、あきらめにも近い感覚で、私は応えた。インターホンの画面には、やはりけんやくんの顔が映っている…。彼の訪問は、もはや日課になっていた。
「はい…どなたですか?」
私の声は、もう最初のころのような優しさはなく、どこか疲れた響きを帯びていたかもしれない。
「りゅうとくんは?」
彼の大きい声が、私の心に重くのしかかる。
「けんやくん、りゅうとはお友だちの家に遊びに行って、まだ帰ってきてないよ」
私はいつもと同じ言葉を繰り返す。正直、このやり取り自体が苦痛だった。
「じゃあ、また今度ね」
私は彼を帰そうとした。これで、あきらめてくれるだろう…と、期待を抱きながら。
クラスメートの目的が明らかに
「りゅうと、いなくてもいいので家に入れる?」
彼の言葉に、私の頭は一瞬、真っ白になった。りゅうとがいなくても、うちに入りたい?その目的は一体、何なの?
「え、それは…」
言葉に詰まる私に、けんやくんはさらに畳みかけるように言った。
「ゲームしたいんだけど、りゅうとのゲーム貸してくれない?」
ああ、やっぱり…。私の胸の奥で、何かがストンと落ちる音がした。彼の目的は、りゅうとと遊ぶことなんかじゃなかったんだ。ただ、うちのゲームがしたいだけ…。そう確信した。
非常識すぎるクラスメート
「ごめんね、けんやくん。りゅうとがいないのに、家には入れられないよ。ゲームもりゅうとのものだから、勝手に貸すことはできないの」
私は、きっぱりと…でも、できるだけおだやかに断った。彼の顔に、明らかに不満の色が浮かぶのが見えた。口を尖らせ、眉間にしわを寄せている。まるで、私がとんでもない意地悪をしたかのような顔だ。
「ちぇーっ」
彼は舌打ちでもしそうな勢いで、そう言って、インターホンから顔を遠ざけた。そして、あきらめたのか、ゆっくりと玄関から離れていく。その背中を見送りながら、私はため息をついた。
毎日、毎日、約束もなしにやってきて、りゅうとがいないのに「家に入れろ」とせがむ。そして、その目的は、はっきりと「ゲーム」だと告げた。
「一体、どういうつもりなの」
私はインターホンを切った後も、しばらくその場に立ち尽くしていた。この状況を、どうにかしなければならない。でも、一体どうすればいいのか…私にはまだ、その答えが見つからずにいた。りゅうとの友達だから強くも言えない。でも、このままでは、私の心が休まるヒマがない。
この小さな訪問者が、私の日常を、少しずつ、でも確実に蝕んでいくような気がしてならなかった。
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あとがき:クラスメートの本心
けんやの図々しい訪問が日課となり、さつきの疲労は募るばかり…。りゅうとがいないにも関わらず、「ゲームがしたい」と堂々と要求するけんやの言葉は、さつきに彼の真の目的を確信させます。
友だちの親として、強く出られないさつきの葛藤と、この状況をどうにかしなければならないという切迫感が伝わってきますね。










