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🔴【第1話から読む】平穏な日常を送っていた主婦に異変…小1息子の友だちの"ある行動”が波紋を呼ぶ
けんやはさつきの制止を無視し、家に侵入。ゲームが見つからずに帰ったことで、さつきはけんやが息子と遊びたいのではなく、ゲームをしたいだけだと確信します。息子の交友関係を気にして、強く出られないさつきは頭を抱え…。
強引するぎる息子の友だち…ガマンの限界に
「けんやくん!今日はもう遊べないって言ってるでしょ!」
もう、どなる寸前だった…。何度、言っても、彼は話を聞かない。玄関のドアを開けた瞬間、りゅうとを押し退けるようにして家に入り、くつを脱ぎ捨てて入ってきてしまう…。
「ゲームする!」
彼は私の目をまっすぐに見て、そう言い放った。その目には、一切、悪びれる様子もない。まるで、私が彼にゲームをさせるのが当然だとでも思っているかのように…。
「外で遊びなさい!りゅうとと外で遊んで!」
外には友だちもたくさんいる。そこで遊んでくれればいい…。でも、彼は首を横に振るだけだ。
「やだね!外は暑いし」
そんな理屈が通じるわけがない。私はもうどうすればいいのか分からなかった。
無理やり手を引っ張って外に出すしかないのだろうか?でも、そんなことをして、もし、彼が学校で「りゅうとくんのお母さんがぼくを追い出した」なんて言いふらしたら?りゅうとの他の友だちまで、うちに来なくなってしまうかもしれない…。
りゅうとが学校で孤立してしまうかもしれない。そんなことを考えると、どうしたらいいのか…。何が正解なのかわからなくなる。
おとなしく帰った友だちを見て…
昨日…りゅうとが学校から帰ってきて、けんやくんがいつものように家に入ってきた。そして、いつものようにゲーム機を手に取ろうとした、その時だった。
「あれ?ゲームがない」
けんやくんの声が響いた。私はリビングにいたので、何ごとかと顔を上げた。
「りゅうと、ゲームどこ?探してよ!」
けんやくんは、りゅうとにそう言った。まるで、りゅうとが「ゲームを隠した」とでも言いたげな口調だった…。
「知らないし、自分で探してよ」
りゅうとが、少しフキゲンそうに答えた…。りゅうとは、最近、けんやくんにゲームを独占されるのが面白くないようだった。けんやくんは、うちの中を散々探し回った。ソファーの下、棚の中…そして、私の引き出しまで開けようとした。
「けんやくん!人の家の引き出しを勝手に開けちゃダメでしょ!」
私は、思わず強い口調で注意した。彼の行動に、私の怒りが頂点に達しそうだった。結局、ゲームは見つからなかった。
「ちぇーっ」
けんやくんは不満そうにしたうちをして、そのまま帰っていった。その背中を見送りながら、私は確信した。
「あの子はりゅうとと遊びたいんじゃない…。ゲームが無ければ、帰るんだ」
「友だち」ですらなかった?
その瞬間…私の心の中で、何かが音を立てて崩れた気がした。これまで、「りゅうとの友だちだから」と、ガマンしてきた気持ちが、一気に吹き飛んだ。
彼の目的は、りゅうととの友情なんかじゃなかったのだ。ただ、うちのゲームで遊びたいだけ…。その事実が、私を深く傷つけた。
これから、どうすればいいのだろう。学校帰りの息子を待ちかまえて、同時に家に入ってくる…。玄関を開けないわけにはいかないし、開けた瞬間、りゅうとより先に家に入ってくる。強く怒っても、断っても、まったく話を聞かない。
もう、本当に、むりやり手を引っ張って、外に出すしかないのだろうか?でも、そんなことして、もし彼が、学校で変なことを言いふらして…りゅうとの他の友だちまでいなくなったら…。そう思うと、それもできない。
私の心は、途方もない絶望感に包まれていた。このまま、毎日、彼の図々しい訪問に耐え続けなければならないのだろうか。
🔴【続きを読む】「うちの子、ゲーム好きなので…」開き直る母親に最終通告!直接対決の衝撃結末とは
あとがき:ゲームが目的だった
ゲーム機が見つからずに帰っていくけんやを見て、「目的はゲームだった」ということを確信するさつき…。
息子の友だち関係を壊したくない一心で、強く出られない母親の葛藤と、途方もない絶望感が胸に迫ります。この八方塞がりの状況を、さつきはどう乗り越えるのでしょうか。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










