Ⓒママリ
🔴【第1話から読む】“財布の中身が足りない”…義実家同居中の妊婦が抱える「密かな不安」|家のお金が消えていく
お金が減っていることを夫に訴えるが、管理不足を指摘され相手にされないさゆり。頻発する不審な出来事に、さゆりの疑念は同居する義母へと向かっていく。
お金が減っている状況を相談したいが
「ねぇ、学くん…最近、タンス預金が減っている気がするんだけど」
ある日の夜、私は意を決して学に尋ねてみた。学はテレビに夢中で、私の言葉にほとんど反応しない。
「え~?気のせいじゃないの?」
投げやりな返事に、私の心はざわついた。気のせいなんかじゃない。私のお財布、封筒、そして家の中に隠してある、ありとあらゆる場所から、数万円単位のお金がなくなる事件が、何回も、本当に何回も起きていたのだ。
「だって、もう10回は超えてるよ?1万円だったり、2万円だったり…かなりの額が間違いなく消えてるよ」
夫は他人事であてにならない
私は必死に訴えた。私たち夫婦は裕福ではなく、お互いの給料でなんとかやりくりしている状態。これから赤ちゃんが生まれるのに、こんな状況では不安で仕方ない。
「えー、そんなに?俺は全然気づかなかったな。さゆりの管理が甘いんじゃないの?」
学は、まるで他人事のようにそう言った。その言葉に、私はカチンときた。私がどれだけ節約して、1円でも多く貯めようと努力しているか、学は分かっているのだろうか。
「そんなことない!ちゃんと家計簿もつけてるし、無駄遣いなんてしてないよ!」
私は反論したが、学は興味なさそうにテレビに視線を戻した。この人に相談してもムダなのかもしれない。
お金がなくなるのは、いつも決まって私が気づかないうちだ。財布から直接抜き取られることもあれば、封筒に入れてタンスの奥にしまっておいたはずのお金が、いつの間にか減っていることもある。まるで、透明な泥棒が家に住み着いているかのようだった。
犯人は一体だれ?
「一体、誰が……」
犯人は特定できない。でも、この家に住んでいるのは、私と学、そして義母の3人だけだ。まさか、学が?いや、学は面倒くさがりでバレないように盗むなんてできないだろう。第一、お金が欲しければ堂々と要求してきている。
となると……義母だろうか?
義母は、確かにお金遣いが荒い。毎月のように「ちょっと貸して」と頼んでくるし、返済も遅れがち。でも、まさか、盗むなんて。そんなこと、あっていいはずがない。
しかし、この不審なできごとが頻繁に起こるようになってから、私は義母の行動を注意深く観察するようになっていた。よく見ていると、義母がなにかと理由をつけて私の部屋にいる時間が、以前よりも増えたような気がする。気のせいだろうか?
私の心の中には、疑念と不安が渦巻いていた。このままでは、安心して出産を迎えることなんてできない。私は、この「消えるお金の謎」を、何としてでも解き明かさなければならないと強く決意した。
🔴【続きを読む】返済された7万円の封筒から“1万円消えた”→盗んだ家族を特定したい|家のお金が消えていく
あとがき:消えたお金と家族の亀裂
さゆりと夫、そして義母との関係性がより深く描かれました。さゆりの訴えに耳を傾けない夫、そして徐々に疑いが強まっていく義母。最も身近な家族が、実は最も信頼できない存在かもしれないという、さゆりの苦悩がにじみ出ています。この疑念が確信に変わる時、彼女はどんな行動を起こすのでしょうか。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
イラスト:まい子はん










