Ⓒママリ
🔴【第1話から読む】“財布の中身が足りない”…義実家同居中の妊婦が抱える「密かな不安」|家のお金が消えていく
夫から管理不足を責められたさゆりは、ベビーモニターを使って証拠を掴むことを決意。モニターには、部屋に忍び込みお金を盗む義母の姿が映っていた。
夫婦関係もギクシャクし始める
義母から返ってきた7万円のうち1万円が封筒から消えたことについて、私の管理不足だという夫のことを私は許せなかった。
「私はちゃんとお金を管理してるよ。こんな数日で、封筒から使った覚えなんて一切ない」
私は学にそう訴えた。しかし、学は私の目を見て言ったのだ。
「お前さ、家族を疑うなんて…しっかりしろよ。だいたい、母さんにはこの家に住まわせてもらって世話になってる側だろ?その分際で母さんを疑うなんてどうかしてるよ」
その言葉に、私は「もうありえない」と絶句した。こちらが被害者なのに、まるで私だけ悪いかのように言われるなんて。お金のことでけんかをすることが、日に日に増えていった。学と言い争うだけでは、どんどん夫婦関係が破綻に向かってしまう…。
思いついたアイデア
「本当にお義母さんなら、どうしても証拠を手に入れたい……!」
私は、犯人を特定するために、あれこれ尽力し始めた。義母の行動パターンを観察し、お金がなくなる時間帯を割り出そうとした。しかし、義母は私がいる時は決して怪しい動きを見せない。
そんなある日、私はあるアイデアを思いついた。ベビーモニターだ。生まれてくる赤ちゃんのために、そろそろ機能を確認しておこうと話していたのだ。これなら学にも怪しまれずに証拠をつかめる。
「ねぇ、学くん、この間買ったベビーモニター、ちゃんと動くかテストしてみない?録画機能も確認しておこうよ」
私は学にそう提案した。学は面倒くさそうにしながらも、「まあ、いいけど」と承諾してくれた。私たちは、部屋の一角にベビーモニターを設置し、録画機能をオンにした。もちろん、私の本当の目的は、義母の犯行現場を捉えることだった。
「へえ~結構きれいに撮れるんだね」
学の前では本当に赤ちゃんのためにチェックしているだけだと思わせつつ、その映像を、私は毎日欠かさずチェックした。すると、思惑通り、信じられない光景が映っていたのだ。
モニターに映った犯人とは
画面に映っていたのは、義母だった。私が部屋を離れた隙に、義母は私の部屋に入り、私の財布や隠してある封筒を物色している。そして、そこからお金を抜き取っていたのだ。その手つきは、まるで慣れた泥棒のようだった。
「やっぱり……お義母さんだったんだ……!」
私は、震える手で映像を巻き戻し、何度も確認した。義母は、1日に何度もお金がいくら残っているか確認しているようだった。その動きには迷いがなく、私がどこに何を置いているか把握している。そして、私が部屋を空ける時間や、学が仕事でいない時間など、誰にも見られないタイミングを見計らって、お金を盗みにやってくるのだ。
私は、義母の犯行現場が映った決定的な証拠を手に入れた。しかし、その映像を見ても、私の心は晴れなかった。むしろ、深い悲しみと、身近な人間に裏切られたことへの絶望感でいっぱいになった。この映像を学に見せたら、彼はどう反応するのだろうか?
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あとがき:裏切りの証拠
ついに決定的な証拠が手に入りました。さゆりが考えたベビーモニターというアイデアが、皮肉にも義母の裏切りを明らかにする結果となりました。この映像を突きつけられた夫はどう反応するのか。そして、さゆりの心に生まれた深い絶望は、彼女をどこへ導いていくのでしょうか。
義母がしていることは許されない窃盗行為です。家族がその重大性を共通認識することが大事ですよね。
イラスト:まい子はん










