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すっかり冷めた朝食…カードを盗んだわが子に「ごめんね」親としての自信喪失|息子が泥棒になりました

平凡な母親・里香が、小学2年生の長男ユウの盗みをきっかけに直面する心の葛藤を描きます。幼い息子の嘘と過去の過ちの影に苦悩する里香。わが子が人のものを盗るようになったのは、自分の関わり方が原因ではないかと自信を喪失してしまいます。『息子が泥棒になりました』をごらんください。

Ⓒママリ/画像の生成にAIを使用しています

🔴【第1話から読む】「お兄ちゃん、友達のカードを盗んでる」平和な朝が揺らぐ衝撃の展開|息子が泥棒になりました

ユウの盗みとウソに深い衝撃を受けた里香は、親として謝罪の必要性を感じつつも、相手の親との関係や息子の将来への不安にさいなまれます。

わが子はなぜ盗んでしまったのか、もう2度としないために、どう教えれば伝わるのか…。親としての育て方に自信がなくなった里香は、自問自答を続けました。

「嘘」息子の言葉が重くのしかかる

男の子 小学生 悲しい PIXTA

ユウの「本当はウソ」という言葉が、私の耳に、そして心臓に、重くのしかかった。信じたくない、という気持ちと、ああ、やっぱり、という絶望的な気持ちが入り混じって、頭の中がぐちゃぐちゃになる。

私が与えているお小遣いや、誕生日、クリスマス、そして普段のおねだりでも、欲しいものは買ってあげているつもりだった。モンスターカードだって、定期的に買ってあげているし、新しいパックが出るたびに、一緒に買いに行ったりもしていた。

それでも、彼は盗んだ。きっと、私にはわからない、特別なカードだったのだろうか。それとも、単に「見た目」で欲しくなってしまったのか。モンスターのことはあまり詳しくないけれど、レアカードの価値があるものもあると聞く。

「ママ、ごめんなさい……」

ユウは小さく呟き、顔を上げた。彼の大きな瞳からは、すでに大粒の涙が溢れ出していた。その涙を見ても、私はすぐに抱きしめてあげることができなかった。ショックが大きすぎて、体が固まってしまっていたのだ。

親としての責任を感じる

女 落ち込む PIXTA

「ユウ……」

事情を聞くと、盗んだカードの持ち主はクラスメイトの子だった。相手のお母さんとも学校行事では挨拶をするような、顔見知り。すぐにでも電話をして謝らなければ。これは、親としての責任だ。しかし、なんて説明すればいいのだろう。悩んでいると、夫が見かねて声をかけてきた。

「もう登校しないと遅刻するよ。ユウは学校に行きなさい。学校から帰ってきたら、またママとちゃんと話しなさい。ユウの気持ちはわかったから」

もう登校時間はギリギリに迫っていた。それに、これ以上問い詰めても親子にとっていいことはない。帰ってきてから、落ち着いて話そうと思った。ユウを通学路まで見送ったけれど、ユウはすっかり憔悴していて、終始無言だった。

自宅に戻ると、和樹がリョウの幼稚園の準備を済ませてくれていた。

「今日は俺がバスまで送るから。里香は少し休んで」

和樹はきっと、私の精神的なダメージに気を遣ってくれたのだと思う。私は、ユウが帰宅したあとにすべきことを必死に整理していた。

まずは、ユウから、もう一度詳しく話を聞く必要がある。なぜ盗んでしまったのか。どうしてウソをついたのか。それがわからなければ、相手のママさんにも、きちんと説明できない。

「息子がモンスターカードを盗みました」なんて言ったら、相手のママはユウとは遊ばせたくないと思うだろう。その子とは放課後や休みのときもよく遊ぶ関係だったけれど、その関係が、この一件で壊れてしまうかも。そう思うと、胸が張り裂けそうだった。なんとか未然に防ぎたかったという気持ちで、心が支配されていた。

わが子は「いい子」だと思っていた

母親 ショック PIXTA

私の心は重かった。ユウが、まさかこんなことをするなんて。私は彼を、ずっと「良い子」だと思って育ててきたのに。

もの盗んでしまう子は、どうして盗んでしまうのだろう。わが家では、お金の大切さは教えてきたつもりだった。お小遣いだって、ただ与えるのではなく、お手伝いをしたらもらえる、という形で、働いてお金を得ることの尊さを伝えてきたつもりだった。でも、それだけでは足りなかったのだろうか。

わが子が人のものを盗ったという事実から、育て方を間違えたと、激しく後悔した。今まで頑張ってきたことが、すべてガラガラと音を立てて崩れていくようだった。

「ごめんね、ユウ」

私は、思わず呟いた。よい子だと思っていた息子が、こんなことをしたという事実は、私にとってあまりにも大きなショックだった。この先、どうすればいいのか、全く見当がつかなかった。

🔴【続きを読む】息子の盗みは“初めてじゃない”…トレカ事件で思い出した過去の過ち|息子が泥棒になりました

あとがき:親としての深い問い

この第三話では、里香が息子の盗みという事実に直面し、親としての深い苦悩が描かれています。彼女の心の中には、友人関係の喪失への恐れ、そして「育て方を間違えたのではないか」という自責の念が渦巻きます。子どもにどう向き合い、真実を伝えるべきか、その葛藤を通して、子育ての普遍的な難しさと、親の深い愛情が伝われば幸いです。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています

🔴【全話読む】息子が泥棒になりました

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