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息子の盗みは“初めてじゃない”…トレカ事件で思い出した過去の過ち|息子が泥棒になりました

平凡な母親・里香が、小学二年生の長男ユウの盗みをきっかけに直面する心の葛藤を描きます。幼い息子の嘘と過去の過ちの影に苦悩する里香。信頼できる友人に相談し、これからすべきことを整理することにしました。『息子が泥棒になりました』をごらんください。

Ⓒママリ/画像の生成にAIを使用しています

🔴【第1話から読む】「お兄ちゃん、友達のカードを盗んでる」平和な朝が揺らぐ衝撃の展開|息子が泥棒になりました

長男・ユウが友達のトレーニングカードを盗んだことにショックを受ける里香は、幼稚園時代のミニカーの件を思い出し不安にかられます。幼馴染の葵に電話で相談すると、彼女も息子・マサトのとあるエピソードを明かし、正直な対応と「言える環境作り」の大切さを語りかけます。

息子の盗みは初めてじゃなかった

ミニカー PIXTA

ユウが泣きながら「ごめんなさい」と繰り返す姿を見て、私の頭の中には、忘れかけていた遠い記憶が蘇ってきた。幼稚園のころのことだ。ユウが年長さんの時だったと記憶している。ある日、幼稚園から帰ってきた彼のリュックサックの中から、見慣れないミニカーが出てきたことがあった。それは、ユウが持っていない、ピカピカのスポーツカーのミニカーだった。

その時も、私はユウに尋ねた。「ユウ、これどうしたの?」。ユウは小さく「幼稚園の」と答えた。そして、「間違えて入れちゃった」と。私も、まさか幼稚園児がおもちゃを盗むなんて、という思いが強かった。まだ幼いし、本当に間違えてしまったのかもしれない。そう思って、強くは追及しなかった。

しかし、その時も、私はユウに「人のものは勝手に持っていっちゃいけないんだよ。もし間違って持ってきちゃったなら、すぐに返さないといけないんだよ」と、厳しく注意した記憶がある。そして、翌日、幼稚園の担任に一緒に謝りに伺った。先生は「正直に返してくれてありがとう」と、笑って許してくれた。

あの時は、本当に「間違えた」のだと信じていた。純粋なユウが、わざと人のものを盗むなんて、想像もできなかったから。でも、今、目の前でユウが嘘をつき、そして盗みを認めた時、あの時ミニカーの件も、もしかしたら……という、嫌な予感が心をよぎった。あの時から、すでに、そういう気があったのかもしれない。そう思うと、私の胸は不安でいっぱいになった。

限界を感じ、頼った幼馴染

女性 電話 PIXTA

自分で色々な思いを整理したあと、私は葵に電話をかけた。こんな悩みを打ち明けられるのは、彼女しかいないと思った。

「もしもし、葵? 今、ちょっといい?」

私の声は、自分でもわかるほど沈んでいた。葵はすぐに私の異変に気づいたようだった。

「里香? どうしたの、声が変だよ? 何かあった?」

私は、リョウがモンスターカードを見つけたこと、ユウが最初嘘をつき、その後欲しくてポケットに入れたと告白したこと、そして幼稚園の時のミニカーの件も、すべて正直に話した。途中で声が詰まりそうになったが、葵は黙って、ただ聞いてくれた。

幼馴染の告白とアドバイス

電話 女性 手元 PIXTA

私が話し終えると、葵は一呼吸置いて、優しい声で言った。

「里香、つらかったね。本当にその気持ちわかる。うちも、実はそういうことがあったのよ」

葵の言葉に、私は驚いた。まさか、葵のところも?

「マサトがね、小学校1年生のときだったかな。友達のものを、勝手にポケットに入れて帰ってきたことがあったの。私も、もう本当に、どうしていいか分からなくて。ショックだよね。里香の気持ち、痛いほどわかるわ」

葵は、私の気持ちに深く共感してくれた上で、自身の経験を語り始めた。

「うちのマサトもゲームグッズにハマってて。ゲームセンターのキャラクターのメダルを集めていたから、最初はお金を渡してあげてたの。でも、すぐに新しいのを欲しがるよね。だから「そんなにすぐには無理」って伝えたんだけど……それがきっかけで人のものをうらやましがっていたのかも」

葵は続けた。

「気づいた瞬間はショックで頭が真っ白になって、どんなに悪いことか理解させないと!って必死になってしまうけど、私の場合はまず相手への謝罪に同席させて、自分も謝らせたし、親が謝るところも見せたよ。それで事の重大さに気づいたみたい」

確かに、ユウはこれから親子で謝りに行くイメージがついていないと思う。そうした場を経験させることで、重大なことをしたと気づいてくれるかもしれない。

「あと、後日大事だと思ったのは、子どもが『言える環境』を作ってあげること。普段から、頭ごなしに否定せずに、きちんと子どもの話を聞いてあげるといいよ。ただ、お金の話やおねだりは毎回応じられないから、ルールを作ってお小遣いをあげたり、『ここまで貯まったら買えるよ』って、具体的な目標を作ってあげるといいかもね。うちはお手伝いでお小遣い制にしてるよ。

葵の言葉は、私の心をじんわりと温めてくれた。彼女の経験談は、私の不安を少しずつ溶かしてくれるようだった。そして、具体的なアドバイスは、これから私がユウとどう向き合えばいいのか、そのヒントを与えてくれた。

🔴【続きを読む】「ごめんなさい」カードを盗んだ息子が友達に謝罪、親子で話した大事なこと|息子が泥棒になりました

あとがき:共感と教訓の光

里香が過去の出来事から息子の行動を繋ぎ合わせ、深い不安に襲われる様子が描かれます。しかし、幼馴染の葵の共感に満ちた体験談と、子どもの過ちへの誠実な向き合い方、そして「言える環境」を作ることの具体的な教訓が、里香に希望の光を与えます。親が抱える孤独な悩みに対する、温かい支えの重要性が伝われば幸いです。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています

🔴【全話読む】息子が泥棒になりました

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