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🔴【第1話から読む】「お兄ちゃん、友達のカードを盗んでる」平和な朝が揺らぐ衝撃の展開|息子が泥棒になりました
長男・ユウが友達のトレーニングカードを盗んだことにショックを受ける里香は、幼稚園時代のミニカーの件を思い出し不安にかられます。幼馴染の葵に電話で相談すると、彼女も息子・マサトのとあるエピソードを明かし、正直な対応と「言える環境作り」の大切さを語りかけます。
息子の盗みは初めてじゃなかった
ユウが泣きながら「ごめんなさい」と繰り返す姿を見て、私の頭の中には、忘れかけていた遠い記憶が蘇ってきた。幼稚園のころのことだ。ユウが年長さんの時だったと記憶している。ある日、幼稚園から帰ってきた彼のリュックサックの中から、見慣れないミニカーが出てきたことがあった。それは、ユウが持っていない、ピカピカのスポーツカーのミニカーだった。
その時も、私はユウに尋ねた。「ユウ、これどうしたの?」。ユウは小さく「幼稚園の」と答えた。そして、「間違えて入れちゃった」と。私も、まさか幼稚園児がおもちゃを盗むなんて、という思いが強かった。まだ幼いし、本当に間違えてしまったのかもしれない。そう思って、強くは追及しなかった。
しかし、その時も、私はユウに「人のものは勝手に持っていっちゃいけないんだよ。もし間違って持ってきちゃったなら、すぐに返さないといけないんだよ」と、厳しく注意した記憶がある。そして、翌日、幼稚園の担任に一緒に謝りに伺った。先生は「正直に返してくれてありがとう」と、笑って許してくれた。
あの時は、本当に「間違えた」のだと信じていた。純粋なユウが、わざと人のものを盗むなんて、想像もできなかったから。でも、今、目の前でユウが嘘をつき、そして盗みを認めた時、あの時ミニカーの件も、もしかしたら……という、嫌な予感が心をよぎった。あの時から、すでに、そういう気があったのかもしれない。そう思うと、私の胸は不安でいっぱいになった。
限界を感じ、頼った幼馴染
自分で色々な思いを整理したあと、私は葵に電話をかけた。こんな悩みを打ち明けられるのは、彼女しかいないと思った。
「もしもし、葵? 今、ちょっといい?」
私の声は、自分でもわかるほど沈んでいた。葵はすぐに私の異変に気づいたようだった。
「里香? どうしたの、声が変だよ? 何かあった?」
私は、リョウがモンスターカードを見つけたこと、ユウが最初嘘をつき、その後欲しくてポケットに入れたと告白したこと、そして幼稚園の時のミニカーの件も、すべて正直に話した。途中で声が詰まりそうになったが、葵は黙って、ただ聞いてくれた。
幼馴染の告白とアドバイス
私が話し終えると、葵は一呼吸置いて、優しい声で言った。
「里香、つらかったね。本当にその気持ちわかる。うちも、実はそういうことがあったのよ」
葵の言葉に、私は驚いた。まさか、葵のところも?
「マサトがね、小学校1年生のときだったかな。友達のものを、勝手にポケットに入れて帰ってきたことがあったの。私も、もう本当に、どうしていいか分からなくて。ショックだよね。里香の気持ち、痛いほどわかるわ」
葵は、私の気持ちに深く共感してくれた上で、自身の経験を語り始めた。
「うちのマサトもゲームグッズにハマってて。ゲームセンターのキャラクターのメダルを集めていたから、最初はお金を渡してあげてたの。でも、すぐに新しいのを欲しがるよね。だから「そんなにすぐには無理」って伝えたんだけど……それがきっかけで人のものをうらやましがっていたのかも」
葵は続けた。
「気づいた瞬間はショックで頭が真っ白になって、どんなに悪いことか理解させないと!って必死になってしまうけど、私の場合はまず相手への謝罪に同席させて、自分も謝らせたし、親が謝るところも見せたよ。それで事の重大さに気づいたみたい」
確かに、ユウはこれから親子で謝りに行くイメージがついていないと思う。そうした場を経験させることで、重大なことをしたと気づいてくれるかもしれない。
「あと、後日大事だと思ったのは、子どもが『言える環境』を作ってあげること。普段から、頭ごなしに否定せずに、きちんと子どもの話を聞いてあげるといいよ。ただ、お金の話やおねだりは毎回応じられないから、ルールを作ってお小遣いをあげたり、『ここまで貯まったら買えるよ』って、具体的な目標を作ってあげるといいかもね。うちはお手伝いでお小遣い制にしてるよ。
葵の言葉は、私の心をじんわりと温めてくれた。彼女の経験談は、私の不安を少しずつ溶かしてくれるようだった。そして、具体的なアドバイスは、これから私がユウとどう向き合えばいいのか、そのヒントを与えてくれた。
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あとがき:共感と教訓の光
里香が過去の出来事から息子の行動を繋ぎ合わせ、深い不安に襲われる様子が描かれます。しかし、幼馴染の葵の共感に満ちた体験談と、子どもの過ちへの誠実な向き合い方、そして「言える環境」を作ることの具体的な教訓が、里香に希望の光を与えます。親が抱える孤独な悩みに対する、温かい支えの重要性が伝われば幸いです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










