Ⓒママリ
🔴【第1話から読む】「いつも1人で外にいる」気になる近所の6歳児、もしや放置子?|“お兄ちゃん”は放置子
夏休み、裏庭にビニールプールを出した春香は、健也君が勝手に敷地内に入ってきたことに驚きます。健也君の行動への怒りとともに、親の無関心さへの憤りが込み上げてくる春香。健也君が放置されていることに「かわいそう」と思う気持ちと、正直迷惑だと思う気持ちの間で揺れていました。
男の子の視線
夏休みに入り、私は陽太のために裏庭にビニールプールを出すことにしました。道路から少し奥まった場所にある裏庭は、私たち家族だけのプライベートな空間。そこで思いっきり水遊びをさせてあげようと、ホースで水を張り始めました。
「プールだー!」
陽太がうれしそうに飛び跳ねるのを見ながら、私も笑顔になりました。しばらくすると、ふと視線を感じ、道路側の家の裏庭に目をやると、健也君がじっとこちらを見ていました。彼の家の裏庭は、うちの裏庭に面しているんです。
いつもと違う場所で、しかも一人で、こちらをじっと見ている姿に、私は少し身構えてしまいました。
親は一体に何をしているの?
しばらくすると、インターホンが鳴りました。モニターを見ると、やはり健也君です。私は反射的に出ずにモニターを見ていました。すると反応がないことを確認した健也くんが、勝手に裏庭の方に向かうのが見えました。
「えっ…?」
私は驚いて、思わず息をのみました。私は庭に出ましたが、健也君には気づかないふりをして、健也君がこちらまで入ってくるか監視することにしました。でも、実際には遠巻きにプールの様子を見るだけで、裏庭には入らずに帰っていきました。
「今、入ってこようか悩んでたのかな」
健也くんの行動を思うと、ここまで放置している保護者への怒りがこみ上げてきました。近所の人たちが、彼のことで気を揉んでいることを知らないのだろうか…。
何もできない自分にも腹が立つ
(かわいそうと思っているだけじゃ解決しないのに…)
私は自分にも腹が立ってきました。健也君をかわいそうだと同情する気持ちと、彼の行動に迷惑を被っているという気持ちが、頭の中でぐるぐると回るんです。どちらも本心だから、どうにもできない。彼は無邪気で、ただ誰かと遊びたいだけなのかもしれない。でも、その無邪気さが、私たちにストレスを与えている。
私は、プールの水をかき回す陽太の姿を見ながら、私は今後のことを考えていました。でも、親に直接言いに行く勇気は出ません。健也君と陽太はいずれ同じ小学校に通うことになるでしょう。そんなご近所さんである健也君の家の事情も考え方もわからない中、直接話に行って、トラブルになるのが怖かったのです。
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あとがき:「侵された境界線」
プライベートな空間に踏み込まれたことで、春香さんの心は大きく波立ちます。純粋な善意だけでは解決できない問題に直面し、戸惑いが怒りへと変わっていく様子が痛いほど伝わってきます。健也君の無邪気さと、それによって引き起こされるストレスのギャップが、物語の緊張感を高めています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










