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🔴【第1話から読む】出産後のパート復帰→職場に“まだいた”古株お局が厄介すぎる|辞めさせ常習犯のお局を成敗した話
夫・健におつぼねパート・鈴木さんについて相談したさゆりは、勇気を振り絞って本社の人権・ハラスメント相談窓口へ相談することに。その結果、パート先の環境は大きく変化して…?
夫に相談して見えた可能性
あの夜、私は意を決して、リビングでくつろいでいた夫の健に、職場の全てを話した。
「…もう我慢できない。またおつぼねのせいで、真面目な社員の子がまた1人辞めていったの。店長たちに言っても無駄なのはわかってる。どうしたらいいか、もう分からないよ」
私は感情を抑えきれず、涙声になっていた。健は静かに私の話を聞き終えると、落ち着いた声でこう言った。
「さゆりも見ていてつらいよな。エリアマネージャーに言うのもいいけど、1つ、別の方法があるかもしれないぞ」
健は落ち着いた声で言った。
「別の方法?」
「うん。会社って、外部に公開してる窓口とは別に、社内の相談窓口があるんじゃないか?たとえば、コンプライアンスとか、ハラスメントの専門部署。そういうところに相談すれば、店長とか地域社員のレベルを飛び越えて、本社が直接動いてくれる可能性がある」
私はハッとした。確かに、研修でそんな話を聞いたような気がする。現場の人間関係に配慮せず、事実だけを調査するための、匿名性も保証された窓口…。私はすぐにパートを始めるときにもらった資料を読み返した。そこには、匿名の相談窓口についての記載がちゃんとあった。
事実を伝えることができた
私は次の日、思いきってその窓口に電話をかけた。手が震え、心臓がバクバク鳴っていた。途中で泣き出してしまうかもしれないと思った。
「…あの、パワハラについて、ご相談したいのですが」
私の消え入りそうな声に、電話の向こうの相談員は嫌な感じはせず、むしろ驚くほど優しく対応してくれた。
「はい、ありがとうございます。ご心境お察しします。誰にも言えず、お辛かったですね。詳しく状況をお聞かせいただけますか」
私は、辞めていった社員のこと、おつぼねの常日頃の言動、私がおつぼねと衝突した経験、そして店長や地域社員が無力であることを、全て洗いざらい話した。相談員は、私の話を遮ることなく、すべてを真摯に記録してくれた。最後に「必ず匿名性は守ります。事実確認のために内部調査に入りますので、ご協力ありがとうございました」と言われ、私は深く安堵した。
声をあげる勇気
それから数日後。出勤した私は、すぐに異変に気づいた。おつぼねの姿がないのだ。休憩中、同僚の恵美が興奮した様子で私に耳打ちしてきた。
「さゆりさん!聞いた?おつぼね、本社の特別研修になったらしいよ!なんでも、急に内部調査が入ってパワハラがバレたみたい」
私は、胸の奥でガッツポーズをした。私の通報で、会社が動いてくれたのだ。その後の展開は、まさにドラマのようだった。
そして、プライドがエベレスト級に高いおつぼねにとって、自分が「パワハラ加害者」として認定され、店から離れて本社の研修を受けるというのは、耐えがたい屈辱だったらしい。研修の途中で自主的に退職したという。
夜、健にその報告をしたら、健は自分のことのように喜んでくれた。
「あの時、健が社内窓口のことを教えてくれなかったら、私はずっと諦めていたと思う。権力って、悪く使えばおつぼねみたいに人を傷つけるけど、正しく使えば平穏をもたらすんだって分かったよ。本当にありがとう」
私の職場には、穏やかな時間が訪れた。新しく入ってきたメンバーも、笑顔で仕事に取り組んでいる。私も、もう誰かの顔色を窺うことなく、楽しく仕事が続けられている。この経験は、私にとって大きな自信となった。勇気を出して声を上げることの大切さを、身をもって知ったのだ。
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あとがき:平穏の先にある成長
嵐が去った後、さゆりの職場には単なる「元の日常」ではなく、「より良い未来」が訪れます。彼女は、理不尽に立ち向かった経験を自信に変え、これからは自分が職場の「風通しを良くする存在」となるでしょう。
この結末は、パワハラを乗り越えたさゆりが、家庭だけでなく、職場においても人生の主導権を取り戻し、成長した姿を描いています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










