アデノイド肥大とは?
アデノイド肥大とは、鼻の奥にあるアデノイド(咽頭扁桃:いんとうへんとう)が通常よりも大きい状態を指します。アデノイドは、いわゆる扁桃腺(口蓋扁桃:こうがいへんとう)と同様の、のど周辺にあるリンパ組織です。アデノイド肥大は、子供特有の病気と言われていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
通常、アデノイドは3歳ごろから大きくなりはじめ、6歳ごろに最も大きくなります。その後だんだん小さくなっていき、思春期ぐらいまでに小さくなっていきます。しかし、幼児期を過ぎても、風邪をひいた後などにアデノイド肥大の症状が起こることもあるようです。
アデノイドは、耳・鼻・のどの真ん中に位置しているため、アデノイドが大きすぎると耳、鼻、のどに影響を与え、さまざまな症状が起こります。
- 神尾記念病院「アデノイド増殖症」(http://www.kamio.org/otorhinology-disease/adenoid-vegetation/,2018年1月17日最終閲覧)
- 総合南東北病院「広報誌 健康倶楽部/2012年9月号」(http://www.minamitohoku.or.jp/kenkokanri/201209/adenoid.html,2018年1月17日最終閲覧)
- 荻窪中尾耳鼻咽喉科「こどものいびき」(http://www.sas3387.jp/adenoid,2018年1月17日最終閲覧)
- 東京医科大学病院「小児の「睡眠時無呼吸症候群」について」(http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/jibi/disease/s001/9/description.html,2018年1月17日最終閲覧)
- 日本耳鼻咽喉科学会「のどの病気Q&A」(http://www.jibika.or.jp/citizens/handbook/nodo3.html,2018年1月17日最終閲覧)
アデノイド肥大の症状
アデノイド肥大が原因で起こる症状はさまざまで、アデノイドが原因とは気づかない場合も多いです。下記のような症状が気になるようであれば、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
- 鼻づまりや鼻声
- 口呼吸や口臭
- いびき
- 睡眠時無呼吸症候群
- 集中力の低下 など
アデノイドは鼻の奥にあるリンパ組織のため、肥大すると鼻の奥がつまった状態になります。そのため、鼻声になったり口呼吸になったりします。
鼻づまりが原因で睡眠が十分にとれず、日中ぼーっとしてしまったり、注意力が散漫になってしまったりすることもあるでしょう。さらにひどいときには、眠っているときに一時的に呼吸が止まる、睡眠時無呼吸症候群が起こることもあるため、特にいびきをかくようになった場合には注意が必要です。
アデノイド肥大の合併症
- 学習障害
- 発育障害
- 副鼻腔炎
- アデノイド顔貌
- 滲出性中耳炎
- 心不全
- 肺高血圧症
アデノイド肥大は、呼吸障害による合併症、睡眠障害による合併症など、さまざまな合併症を引き起こします。中でも特徴的な合併症に、アデノイド顔貌(がんぼう)というものがあります。これは、鼻づまりなどの症状が続くことで口をぽかんと開けたままにしてしまうことで、独特の顔つきになることを指します。
また、アデノイドの肥大によって耳管が圧迫され、滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)を引き起こすこともあります。滲出性中耳炎は、難聴につながることがあるため、呼びかけに反応しなくなったという場合は聴力検査を受ける必要があります。
- あさひ町榊原耳鼻咽喉科医院「アデノイドとは?」(http://jibikkuma.jp/adenoid.html,2018年1月17日最終閲覧)
- 総合南東北病院「広報誌 健康倶楽部/2012年9月号」(http://www.minamitohoku.or.jp/kenkokanri/201209/adenoid.html,2018年1月17日最終閲覧)
アデノイド肥大の治療方法
アデノイドは6歳ごろをピークに迎え、思春期ごろには小さくなっていきます。そのため、肥大がみられる時期によって治療の必要性が変わってきます。ピークを迎える前に肥大がみられる場合、その後さらに大きくなる可能性があるため、治療をする可能性が高いですが、ピークを過ぎたあとであれば経過観察となる可能性もあるでしょう。
また、睡眠時無呼吸症候群や滲出性中耳炎、その他の合併症を引き起こしている場合にも積極的な治療が必要です。アデノイド肥大に対しては全身麻酔による切除手術を行い、合併症の治療も行うことになります。
- 神尾記念病院「アデノイド増殖症」(http://www.kamio.org/otorhinology-disease/adenoid-vegetation/,2018年1月17日最終閲覧)
- あさひ町榊原耳鼻咽喉科医院「アデノイドとは?」(http://jibikkuma.jp/adenoid.html,2018年1月17日最終閲覧)
- 日本耳鼻咽喉科学会「のどの病気Q&A」(http://www.jibika.or.jp/citizens/handbook/nodo3.html,2018年1月17日最終閲覧)
子供がアデノイド肥大を経験したママたちの体験談
アデノイド肥大の治療は経過観察か手術かの二通りです。経過観察で苦しい姿を見続けるのもつらいし、手術で痛い思いをさせるのもつらい!ママは本当に悩みますよね。
他のママはどんな決断をしたのでしょう?先輩ママの体験談をご紹介します。
手術まではいかなかったですが、たかがイビキ、ではないので、はやめに受診してみても良いかと思います
アデノイドは、成長が遅くなるらしく、娘は無呼吸症になりかけていたので、切除後は身長もグングン伸びました。今では、いびきをかくこともなく、眠れるようになりました。
まだ年齢も小さくて心配したのですが逆に小さい時に手術しないと大人になって手術した方が大変と聞きました。
手術後、すごく大きくなってたから取って良かったね!と先生に言われました。でも前日は心配で寝れずだし入院も1週間付き添いだったので大変でした。
いびきが気になって受診した、という体験談が複数ありました。睡眠時の無呼吸によって成長に影響が出るため、呼吸の状態が手術をするかどうかの目安になるようです。
手術後の入院では、付き添いが大変だったという声もありました。手術をする、と決めた場合は、必要なものや手続きなど、しっかり確認してから臨みたいですね。
気になったら耳鼻科を受診
アデノイドという言葉は聞きなれない方がいると思いますが、アデノイド肥大は誰にでも起こる可能性があります。
症状の出方や治療が必要かどうかは人によって異なりますが、小さいお子さんであれば、6歳ごろのピークに向かって症状が悪化する恐れもあります。就寝時にいびきをかいていたり、口呼吸が気になっていたりするようであれば、一度耳鼻科を受診してみるとよいでしょう。