🔴【第1話から読む】「温泉旅行、楽しみ!」→「え?」夫宛てのメッセージで裏切り発覚|夫の不倫旅行先に突撃訪問した話
猶予を与えたわずか三日後、正勝は「友達との温泉旅行」と偽り、不倫旅行を強行しようとする。さゆりは、自分が浮気を知っていると分かっての裏切りに怒りよりも深い絶望を覚え…。
猶予期間を受け入れたわずか3日後
「風俗女と別れるための1か月の猶予」を与えたはずの、わずか3日後のこと。私の心の傷がまだ生々しいその時に、正勝はまるで何もなかったかのように、とんでもないことを言い出しました。
「言い忘れてたんだけど、明日から1泊で友達と出かけるから」正勝は、食後のコーヒーを飲みながら、あまりにもあっけらかんとそう言いました。一泊旅行と聞いて、私がなんとも思わないとでも考えたのでしょうか?
「友達と? 本当に…?」
私は精一杯平静を装いましたが、声は震えていました。正勝は少し目を泳がせましたが、すぐにいつものような顔に戻りました。
「そう、男友達だよ」
「じゃあ、旅行中の写真とか送ってくれるの?」
私は思わず証拠を求めるような言葉を口にしました。明らかに疑われたと思えば夫は不快かもしれませんが、もうそんなことを考えている余裕はなかったのです。
「わかったわかった、気が向いたらね」
夫は気のない言葉をはきだすと、気まずそうに席を立ち会社に行く準備を始めました。
「これは絶対に不倫旅行だ」
私の第六感は、そう確信していました。
不倫がバレても、不倫旅行を決行する夫
私の脳裏には、数日前に見たメッセージが蘇っていました。
「温泉旅行、もうすぐだね」
正勝はもう、隠す気がない。私が不倫を知っていると分かっていながら、不倫旅行を強行しようとしているんです。男と旅行だと口では言いつつ、バレても別にいいとすら思っているのでしょう。
自分が不倫したことを認め、別れると言った直後に、ですよ。こんな理不尽な話があるでしょうか。私の怒りは頂点に達し、夫に対して冷たい感情しか持てなくなっていました。
この人をこれ以上信用できない…
「じゃ、私は子どもたちと実家に戻って1泊するようにするね。ゆっくりしてきて」
私はまるで何も知らない妻のようにふるまいました。
そして不倫旅行に行く日の朝、正勝はみちるとみゆに「パパすぐ帰ってくるからいい子にしてるんだぞ」と笑顔で言い聞かせ、娘たちは無邪気に「いってらっしゃい」と手を振っていました。
その姿を見て、私の心は決まりました。もう、この男は信用できない。私は、この子たちの父親を、これ以上は許せない。
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あとがき:見せかけの「平和」の終わり
夫が妻を愚弄する瞬間がここにあります。さゆりが浮気を知っていると分かっていながら、平然と愛人との旅行を計画する正勝の神経は、もはや理解の範疇を超えています。彼にとってさゆりは、子どもたちの世話と家庭の維持のためだけに存在している妻、と見下されているようにも感じられます。さゆりが感じた「深い絶望」こそが、彼女を立ち上がらせる原動力となりました。「この男は信用できない」という確信は、彼女にとっての新たなスタートラインです。嵐が近づく中、この旅行こそが、二人の関係に終止符を打つ舞台となる予感がします。










