🔴【第1話から読む】夫の借金まで返済していたのに→夫のポケットから出てきた“不貞の証拠”|不倫相手に本気になった夫
なつこは夫の投げやりな態度から話し合いを諦め、弁護士に間に入ってもらい離婚までの手続きを進めることに。しかし弁護士からの内容証明が不倫相手に届いた途端、不倫相手は圭吾から連絡を断ち逃げだして…。
あっけない恋の終わり
その後、私が依頼した弁護士経由で、不倫相手の女性には慰謝料を請求する内容証明を送った。夫が「お前に気持ちはない」「彼女と一緒になる」と発言している時点で離婚をすることは大前提なので、高額な慰謝料請求ができると判断したのだ。
しかし、その内容証明を送った数日後から、夫の様子に変化がおきた。スマホを見る表情は不安げになり、オロオロとしている様子に見える。ある日、ほとんど会話がなかった夫が突然話しかけてきた。
「なつこ、実はちょっと話があって」
運命の相手に失望した夫
夫によると「あなたと結婚したい」と話していた不倫相手の態度が、内容証明が届いたその日から一変したという。夫は苦しそうに顔を歪ませた。
「正直言うと、逃げられた。なつこが送った書類が届いた日に『もう会えません』って。俺は離婚して一緒になりたいって言ったのに、彼女はお前からの慰謝料請求を恐れて、俺とはもう終わりにするって…」
「私を恐れて?」
私は嘲笑を漏らした。
「私の方がよっぽど恐れてたわ。家族のために頑張っているときに、夫がほかの女にじゃぶじゃぶお金を使った上に私を捨てるって言いだしたんだから。あっちは私が怖いんじゃなくて、今更自分がしたことの大きさに気づいただけでしょう」
夫にとって不倫相手は「運命の相手」だったのだろう。しかし、彼女はトラブルを前に、あっさりと逃げ出したのだ。その温度差はあまりにも滑稽だった。
まさかの再構築を提案
彼の目の奥には、冷めた感情と共に、まだ断ち切れない未練の炎が揺らめいているのが見て取れた。彼はまだ、女への想いを消化できていない。
「俺は、まだ彼女が好きだけど、現実を考えたら、もうあの子とは一緒になれない。それで俺は考えたんだけど、やっぱり、お前と子どもとやり直そうかなって…」
「は?やり直す?」
彼の口から出たその言葉は、私にとっては、更なる侮辱に他ならなかった。彼の「やり直したい」という言葉は、愛の再確認ではなく、ただの現実逃避で、彼自身の生活を守るための安易な選択にすぎない。私は夫の身勝手さにあきれて気が遠くなりそうだった―――。
あとがき:愛情の賞味期限
圭吾が求めた「安らぎ」は、現実の困難に直面した途端、脆くも崩れ去りました。彼の不倫相手は、圭吾の借金や慰謝料請求という「代償」が関わった瞬間、あっさりと逃げ出します。
圭吾の「本気」が、いかに浅はかで自分勝手な幻想だったのかが浮き彫りになる話です。そして、圭吾の「やり直したい」という言葉は、愛ではなく保身からくるもの。なつこの心はもはや揺るぎません。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










