結婚2年目、主人公のなつこは夫・圭吾の借金癖と深夜の不審なスマホ操作に疑惑を深めていた。そんな中、ワイシャツから女性物のブランドでプレゼントを購入したレシートが出てきて…。
傍から見たら幸せな家庭
私はなつこ、31歳。夫の圭吾は32歳。結婚して2年にも満たない、1年7か月の歳月が流れたばかりだ。リビングに置かれたベビーベッドでは、生後4か月になる長女が、時折むずがるような小さな声を上げている。
この小さな命を授かり、家族という形態になったばかりの私たち。傍から見れば幸せな新婚家庭に見えたのかもしれない。しかし、私の心には黒っぽいもやがかかっていた。
結婚前から借金があった夫
ある日の深夜2時。圭吾は相変わらずリビングの隅で、スマホを熱心に覗き込んでいる。耳にはイヤホン。私の視線に気づくと、彼は反射的に画面を伏せた。その動作一つ一つが、私の疑念を、確信へと変えていく。
圭吾は元々、お金にだらしないところがあった。結婚前から抱えていた借金を私は知っていたし、それでも彼を愛していたから、2人で乗り越えられると信じて結婚した。結婚後も経済的なサポートを惜しまず、私の貯金や収入からも借金を返し続けている。でも、彼はそんな私の苦労を見ようともしていないと思う。
初めて彼の変化に気づいたのは、彼が「残業」と称して帰りが遅くなり始めたころ。彼が、私に対して「頑張っているね」の一言もなくなった。最初は疲れているのだろうと思ったけれど、あるときふと気づいたのだ。こうして深夜にスマホを見ている時の顔だけが、どこか穏やかで、満たされているように見えたことに。
夫は浮気をしている
ある日のこと。彼のワイシャツを洗濯しようとした時、ポケットから女性もののブランドバックのレシートが出てきた。もちろん私のものではない。金額は今月私が返済した彼の借金の金額よりもずっと大きい。
夫は浮気をしている。
私がワンオペ育児のかたわら、ちょっとした収入や自分の貯蓄から補填して彼の借金を返済し、日々の生活費を切り詰めている中で、あの男は私を裏切って、ほかの女に贈り物をしていたのだ。そんなの許せない。いや、絶対に、許さない。
私はすぐに行動することにした。探偵を雇い、自分ができる証拠集めも始めた。すべては裏切り者の夫を懲らしめるためだった。
その夜、夫の寝顔を見た。ああ、この穏やかな顔の下で、彼はどれほどの裏切りを重ねてきたのだろう。その夜、私は夫、いや、圭吾という裏切り者に対して、静かに宣戦布告をしたのだった。私の戦いは、もう始まっている―――。
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あとがき:偽りの平穏からの覚醒
平凡に見えた日常が崩壊する瞬間。なつこが直面したのは、夫の浮気という事実以上に、彼女が必死に支えてきた「家族」が、ウソによって崩れることがつらいことでしょう。
なつこが怒りや悲しみに溺れることなく、すぐに「証拠集め」という冷静な行動に移ったのは、彼女の強い意志と、この裏切りを許さないという冷徹な決意のあらわれですね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










