里帰り後、幸せな日常は一変。夫・卓也から「別れたい」と突然の冷たい拒絶を受ける。彼の態度に戸惑いながらも、葵は再構築の努力を続けるが、彼の心はすでに離れていた。
春の陽だまりのように、あたたかかった夫婦関係
里帰りから自宅に戻った日、春の陽気に包まれたリビングは、生後5ヶ月の娘、さくらの寝息と、窓から差し込む優しい光で満たされていた。 私の名前は葵(あおい)。夫の卓也(たくや)と出会ってから、すべては計画通り、いや、それ以上に順調に進んできたはずだった。
1年半の交際を経て入籍し、その2年後に結婚式を挙げた同月に妊娠が判明。私たちは話し合い、お互いの意思を確認し合いながら、この家族を作ってきた。特に、子どもを持つことについては何度も確認した。
葵「本当に、子どもが欲しい?」
卓也「もちろん。葵と俺の子ども、かわいくて仕方ないだろうな」
あの時の卓也の真剣な目を、私は今でも鮮明に覚えている。だからこそ、安心して、里帰り中の大変な育児も乗り越えられたのだ。
いつも通り、ではない「ただいま」
里帰りが終わって間もなくして、卓也の態度は変わった。仕事が終わっても帰りが遅い。「仕事が終わらない」ではなく、「帰りたくないからわざと遅く帰っている」ことが、その態度から透けて見えた。週末は「遊びに行く」と言って、私とさくらを置き去りにした。
私は、里帰りの疲れも癒えないまま、一人でさくらの世話と家事をこなした。ちょっとした不仲でも再構築できると信じて、明るく振舞い、夫を労り、彼の生活に合わせて調整しようと努力した。しかし、卓也は私の努力を無視し、変わらない態度を取り続けた。彼の冷たい視線が、私の心を切り裂くナイフのようだった。
疲労困憊の私は、ついに堪忍袋の緒が切れた。
「ねぇ、さくらが生まれて家族になったんだよ。もう少し育児に協力して?子どもに合わせた生活をしようよ」
私の切実な訴えに、卓也はスマホから目を離さず、吐き捨てるように言った。
「そんなのできねえよ」
「何でできないの?」
卓也はスマホを置き、初めて私を見た。その目は、これまで見たことがないほど冷たかった。
「別れたいと思ってる」
そのたった一言が、私のそれまでの人生の計画、夢、すべてを音を立てて崩した。桜の香りがするはずの部屋は、一瞬にして冷たい氷室に変わった。
「葵のことは好きじゃない。だいたい、俺はまだ1人でいたかった。結婚するのが早すぎたんだよ」
私は、彼の言葉の意味が理解できなかった。昨日まで、私たちには確かに未来があったはずなのに。
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すべてが音を立てて崩れた一言
里帰りを終え、育児と家事に取り組む葵の努力をよそに、夫の卓也は帰宅を避け、「別れたい」と一方的に告げます。その冷たい一言は、これまで話し合って築き上げてきた夫婦の未来を完全に否定するものでした。
予期せぬ裏切りや拒絶は、愛と信頼を基盤とするはずの結婚生活において最も残酷なできごとですよね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
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