🔴【第1話から読む】「うちの夫は上場企業勤め」マウントママの自慢に“苦笑い”→隠している真実|マウント女王の誤算
保育参観日、夫婦で参加したことでついに沙織に真実が伝わる。沙織の夫が真由美の夫(部長)と私(課長)に慌てて挨拶する様子を見て、沙織は顔面蒼白に…。
「昇進すると、時間の融通が利かない」最後のマウント
保育園に入園して初めての参観日。私は夫の啓太と、次男の空と共に保育園に向かった。啓太はプライベートではTシャツ姿で、職場とは全く違う穏やかな顔をしている。
少し早く着いたので、私は他のママたちと教室の前で談笑していた。もちろん、沙織さんもいる。
「真由美さんのご主人、今日はお休み取れたの?うちの主人は忙しいからギリギリに来るって。やっぱり昇進したら忙しいみたいで~」
最後の最後までマウントを止めない沙織さんに、私はただ静かに頷いていた。その日、沙織さんの夫の山下さんは、自分のミスの対応で出社していることも知っていたけれど…。
その時、廊下の向こうから、山下さんが走ってきた。 山下さんは私たちの方に近づくと、私の隣に立つ啓太を見て、一瞬で顔色を変えた。
「え!部長!」廊下で交差した上司と部下
「え!部長、なんでここに!?まさか、うちの子と同じ園だったんですか!」
思えば入園式の日は大事な取引先との商談が重なってしまい、私の夫・啓太も、沙織さんの夫・山下さんも入園式に参加できず、顔を合わせることがなかったのだ。
「課長もお疲れ様です…!まさかこんなところでお会いするなんて…」
山下さんは私と夫を交互に見ながら、完全に混乱し、早口でまくし立てた。上司の子と同じクラスであることに驚きを隠せない様子だ。
その間、沙織さんは頭の上に巨大な「?」マークを浮かべていた。顔は一気に血の気が引いて、白を通り越して青ざめていく。
「やあ、山下さん。本当に偶然だね!妻がいつも君にお世話になっているよね」
「いえいえそんな、僕は課長にお世話になりっぱなしでして…」
「……えっと…」
沙織さんは、言葉を失った。日ごろから沙織さんのマウント発言にうんざりしていた周囲のママ友たちからは、なんとも冷ややかな失笑の目線を感じる。
私はあくまで知らなかったていで、静かに一言だけ挨拶をした。
「本当にびっくり!いつも沙織さんのご主人に職場でお世話になっています」
沙織さんの血の気のひいた顔は、本当に青白いという表現がぴったり。彼女にとって「貧乏で気の毒な生活レベル」と決めつけてマウントを取り続けてきたママ友が、実は自分の夫の上司で、さらにその夫が部長クラスだったという現実は、あまりに強烈な「薬」だっただろう。
その後、参観が始まると沙織さんは気まずそうに子どもたちに目をやった。私はすがすがしい気持ちで参観を楽しんだ。
今回のことで学んだことは、どんなときも相手の環境や状況を決めつけて話してはいけないということ。自分にとって有頂天になって自慢したいようなできごとがあるとしても、常に自分を客観視して冷静になること。目の前の相手には、必ず自分には見えていない一面があるものだから―――。
理不尽が報われた、この日の報復
保育参観日、真由美と夫の啓太が夫婦で参加したことで、ついに真実が白日の下に晒されます。沙織の夫(山下)が、啓太(部長)と真由美(課長)に慌てて挨拶したことで、沙織は自分がマウントを取っていた相手が、夫の遥か上の上司夫婦だと気づき、顔面蒼白になります。
この物語は、自分の主観だけで相手を判断してマウントを取ることの危うさ、浅はかさを示します。自分にとって自信があることや、ついひけらかしたくなるようなことがある時こそ、冷静さを忘れないようにしないといけませんね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










