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🔴【第1話から読む】仕事中に「ダァとデートなんです♡」→職場の新人後輩は“恋愛脳モンスター”|恋愛脳すぎる後輩
恋愛脳だと思われていた野々花ですが、今は彼氏がいないことが判明。入社前にフラれた彼氏への未練が捨てきれないようです。「ダァ」の話はすべて妄想…この噂は社内にも広がりますが、肝心の野々花は欠勤を続けていて…。
欠勤続きの野々花宅を訪問
野々花の「ダァ」は、まさかの妄想彼氏。彼女のそんな噂は社内に一気に広まり、話題の的になった。スキャンダラスで下世話な内容ではあるが、彼女から迷惑を被っていた人たちにとっては格好の話題になってしまったようだった。
彼女が欠勤を続けているのは、ミーティングで泣いたからではなく、この事実が同期にバレたからのようだ。推測した私は、少しだけ彼女に同情した。そして翌週、新人研修担当だった私と清水部長で、彼女の自宅を訪問した。久しぶりに見る野々花は疲れ切った表情で、私たちを出迎える。
「私、もう会社を辞めたいです」
そんな彼女の言葉を、清水部長と私は静かに受け止めた。
伝えたい彼女へのメッセージ
彼女の退職の意向は受け止めつつ、私は最後にひとこと、彼女に伝える。
「次に働く時は、ちゃんと公私混同しないようにしてね」
野々花は不貞腐れたように聞いている。でも、次の言葉は彼女の琴線に多少触れたらしい。
「自分をしっかり持たないと、今後も恋愛に振り回されてしまうよ。あなたは、自分の幸せをまず第一に考えないとね」
「自分の幸せ…?」
隣の清水部長は「何を言ってるんだ」といった目つきを私に向ける。たしかに今までの野々花の行動は、自分第一のように見えただろう。でもその内容は、自分の幸せには向いていない。だから、不毛な恋愛に振り回されたのだと、私は思っていた。
妄想するほどに彼氏に固執しているのも、それを周りに言いふらしてしまうのも…自分を客観的に見られず、大切にできていないからだろう。
「自分を大切にしたらきっと、周りを見る余裕も生まれるからね」
私がそう言うと、野々花は静かに顔をうつむける。
「…頑張ってみます」
とだけ答え、手元からそっと辞表を提出した。
自分を大切にする恋をしてほしい
その後、野々花の同期だった子から話を聞いた。野々花は退職後にハローワークに通い、職業訓練を受けているらしい。そこで学ぶ彼女はばっさりと髪を切り、以前と印象もだいぶ変わったという。
恋愛にばかり溺れていた大学時代には見向きもしなかったかもしれない学ぶ機会。それらを取り戻していることにはホッとした。
「大学時代から、野々花はずっと病んでたんだと思います。野々花は、佐藤さんに感謝してましたよ」
「それならよかった」
恋をすることは、何も悪いことじゃない。ただ度が行き過ぎると、職場どころか自分の人生まで危ぶまれる。それに気づけた彼女はもう、同じ過ちを繰り返さないだろう。
彼女を見届けた私は今日も、愛する家族のため、元気に職場で働いている。
あとがき:職場とプライベートの両立に大切なこと
恋愛脳モンスターに見えた新人・野々花。しかし彼女の裏側には、恋に侵されすぎた心の闇が潜んでいたようです。今回は主人公・美月のおかげで自分を取り戻せたようですが、職場に迷惑がかかる前に自覚できたのなら、退職まではいかなかったのかもしれません。
地続きの時間の中、職場とプライベートを分けることが困難な場面もあるでしょう。けれど美月の考えのように、自分の幸せを第一に考えられたなら、他者への配慮もできるはず。余裕ある振る舞いをするにはまず、自分自身を大切にしてみてはいかがでしょうか。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。










